シャーリー運び屋をするための心構えをする。しかし仕事をするのは初めてであった。
「さ!それでは、まずシャーリーにこの宇宙船を案内するとしよう。改めて自己紹介、俺の名は、リッキー、君たち地球人とは、大昔に別れ宇宙に出て行った人類だ、アーシアンとも言われている。だから外見、中身も地球人と変わらない。年齢は、地球人でいう65歳、この宇宙船の船長、といっても、しがない一運び屋さ。クルーは、雇う金なくて俺一人。そしてこの船の名は、ププブダヌンペ。」
「え?何ンペ?ぷっはは、あはははは・・・もう一回言って!」
「ごにょ・・ププブダヌンペ。笑うな、何か恥ずかしくなってくるだろ!」
「だって変な名前!暇が出来たらあたしが改名したげる。ところでリッキーって65歳に見えないねどう見ても、あたしより5,6歳上くらいかな。」
「俺たちアーシアンは、君たち地球人よりも少し文明が発達しててね、テロメア、ん~不老、アンチエイジング技術が進んでて地球人の3倍は、長生き出来るんだよ。でも俺は、ふけ顔でな。」
「ふけ顔って・・・羨ましいな~それって花の二十歳が3年あるってことよね!」
「え、まあ・・・話を戻そう。君がいるこの部屋は、ヒーリングルーム、治療、治癒を行う部屋ちなみに全て自動で行われる。次の部屋へ行こうか。」
リッキーは、扉のスイッチを押すとシャーリーを通路へと案内した。次の部屋の前で再びスイッチを押す。
「ここがトレーニング&シャワー」同様に案内を続ける。
「ここが俺の寝室。」
「っちょっと待って!?何で畳?和室?」
「地球日本ブンカ、スバラシイネェ。」
「何で片言?」
「ちなみにこの部屋の隣をシャーリーの部屋にしたから。」
覗くシャーリー・・・言葉を失う。
「・・・汚い・きたない・・嫌~!」
「月までは時間がある、まずは、ここを片付けて、」
「片付け嫌~!働くのきらい~!」
「地球人恐るべし、じゃなくてシャーリーだけの問題か、働かざるもの食うべからず。これから先生きてくために働かないといけないんだ!わがままいうな!」
「・・・・」
部屋を出る二人そして階段を降りると一際広い部屋に出た。
「ここが俺たちの命よりも大切な積荷を置く積荷室、この先は、機関室、この船の動力そして中枢。さ!階段を昇って最後は、操縦室へ行こう。」
操縦室へつく二人。
「シャーリーこれから俺たちは、運び屋の仕事をする。運び屋にとって積荷は、飯を食って行く上でとても大切なものだ。命よりも大切といっても過言ではない。しかしそれを守るには、自分たちが居なければならない、それには自分の命も大切にしなければならない。この宇宙は広く未開の地も多い。それで君には、これを渡しておこう。」
リッキーは、操縦室の引き出しから何かを出しシャーリーの前へ差し出した。
「これは?銃みたいなもの?」
「ああ、ビーム銃、使い方は、このツマミを回すと軽いショックレベルからMAXは巨大獣の動きを止めるほどの出力まで変えることが可能。しかし出力が上がるほどタメが必要になるので注意。打ち方はこう、右手を突き出しグリップを握るとビームを発射する照準がないのは、持ち主の思考にリンクするためのもの。慣れてくると複数同時に狙うことも可能。しかもストラップ付で紛失することもない。ちなみに俺はこれを使う。」
リッキーは腰にぶら下げている円筒状のグリップを握り構えた。すると赤いビームが伸びた。
「あっ!それ知ってる、アイドルおたくの人が持ってるサイリ」
「ちがーう!!これはソウルバトンと言って、聞きたい?ねえ聞きたい?」
「えっどうでもいいよ、興味ないもの。」シャーリーは、つまらなさそうに言った。
「そう仰らずにこれには男いや漢のロマンがあふれているんだ。」
「ねえ話長い?3行で説明して」
「シャーリー時に忍耐も必要だぞ。」そう言うとシャーリーのことなんかお構いなしに、何かを思い出すようにゆっくり目を閉じ語り始めるリッキーであった。