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二. フェル・アルム正史

 フェル・アルムの歴史はひとりの人物―デルネア―によって隠蔽いんぺいされてきた。

 偽りではない、真実の歴史をここに記す。


 カダックザード地方西部が失われた年、アズニール歴437年を、フェル・アルム正史元年とおく。



フェル・アルム正史


元年

 カダックザード地方西部が異空間に転移、アリューザ・ガルドや次元の狭間等から孤立した存在となる。

 フェル・アルムの誕生。

 転移の術の発動に伴って発生した反動の力が人々の命を奪い、クシュンラーナも死亡している。民の多くは生き残ったが、精神が虚ろとなった。

 ウェインディル、消息を絶つ。デルネア、大いなる力を己のものとする。



2年

 南部域に拠点を構えたデルネア、魔導師達の生き残りを直属の下僕“れい”とする。

 彼らは虚ろな民を使い、南部域を開拓していく。



5年

 偉帝廟いていびょう完成。廟にはユクツェルノイレが『フェル・アルム創始者にして神の子』として奉られることになる。



12年

 南部域の開拓がほぼ整う。

 デルネアは力を解き放ち、人々の精神を戻すと同時に、偽りの歴史を記憶として刷り込む。

 デルネア、人々の中から王を選び、フェル・アルムの元首とする。以後、彼の血を引く者が王になる。王の呼称は“ドゥ・ルイエ”。親友ユクツェルノイレに敬意を表し、彼の息子の名を選んだ。



14年

 王宮“せせらぎの宮”の建築、アヴィザノで始まる。 初代ルイエ『インサラ』、王政を確固たるものにする。

 世界の趨勢すうせいのみを監視するため、デルネア、歴史の表舞台から姿を消す。

 デルネアと隷によって疾風はやてが組織される。



16年

 ウェインディル、デルネアと再会するも決別。

 せせらぎの宮、完成する。



60年代

 帝都アヴィザノ、完成する。周辺都市の整備も進む。



63年

 インサラ崩御。本来は初代ドゥ・ルイエである彼だが、『七代目のルイエとして』奉られる。

 デルネアら、この年を“フェル・アルム暦444年”として扱う。虚構のはずの歴史書が真実のものとして発行され、フェル・アルムの民はその正統性を疑うことなく信じるようになる。



83年

 フェル・アルム中部域に魔物が発生。しかし中部は未開拓地域だったため、あまり取り沙汰されなかった。



~300年代

 特に大きな事件は無し。水の街サラムレ及び湖畔の街カラファー、この頃完成する。



314年

 フェル・アルム南部域に魔物が発生。

 時を同じくして、術の行使が出来る者達が現れ、彼らによって魔物は退治される。しかし術者達の出現が世界に無用の混乱を招くと危惧したデルネアが疾風を用い、術者達は抹消される。



388年

 稀にみる大凶作の年。

南部の農民が反乱を起こし、ルイエ『ノトス』暗殺される。疾風により反乱者は抹消され、ノトスは病死と発表される。



395年

 デルネアと隷によって烈火が組織される。



400年代

 開拓の手は北に伸びる。サラムレ~スティン~カラファーの道が完成し、大いに栄える。



447年

 ルイエ『ルビアン』の治世。王朝は増長していた。彼は疾風と烈火を積極的に用い、諸勢力を抑え込む。

 恐怖政治の一歩手前まで行くが、デルネアによってルビアン抹消される。

 北部の無名な音楽家ジェド・ワインリヴ、ルイエの継承者に選ばれる。以後、彼の血を引く者が王となる。



500年代

 北部の街ダシュニー、完成する。

 これを契機に南部、中枢都市群から北方への移住が活性化し、現在ではサラムレ以北に三万近くの民が居を構えるようになっている。



606年

 “ニーヴルの反乱”起こる。 フェル・アルム暦では987年。

 この年アヴィザノで、術の力に覚醒した者達が出現するも、その力を暴走させ、帝都を破壊してしまう。彼らはセル山地へ逃げ込む。また各地でも術に覚醒した者達が現れ、彼らは一同にセル山地に集結する。

 ルイエ『イゼロス』、疾風を用いて術者達を牽制させる。

 術者達は否定するもの“ニーヴル”を結成、フェル・アルム中枢に対して兵を挙げる。

 イゼロス、烈火を総動員させるとともに、全土の戦士達に対しても決起を促す。

 フェル・アルム軍とニーヴル、ウェスティンの地にて決戦となり、多大な犠牲を払いながらもフェル・アルム軍が辛くも勝利する。ニーヴルの壊滅。



613年

 イゼロス崩御。娘のサイファ、弱冠十六歳にしてルイエとなる。



619年

 大いなる変動の時。

 世に言う、フェル・アルム暦1000年とされる年。

 フェル・アルムの空間を覆い、他世界との接点を拒絶していた“見えざる天幕”、ほころび出す。

 フェル・アルム全域に魔物が姿を見せるようになる。

 ルード・テルタージ、次元の狭間に迷い込み、イャオエコの図書館司書長マルディリーンと対面する。

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