8話「昇格期間」
愛華「えっと…大丈夫だったんですか?」
僕「ん?何が?」
愛華「さっき外に呼ばれてませんでした?」
僕「あー、『よくあの島で生き残った!』って歓迎されたよ」
愛華「そうですか、私不安でしたから大丈夫なようで良かったです」
僕「…ま、鬱陶しいくらい歓迎されたから三条は呼び出されても絶対いかないほうがいいよ」
オミナ「始めるぞ、席につけー、って、もう全員席付いてるじゃないか…まあいい。今日はお前達にとって喜ばしい知らせを持ってきた……昇格期間が始まる」
僕「昇格期間…?」
その言葉に全員の目つきが変わった。
オミナ「その名の通り、お前たちの評価を上げるための期間だ。方法は簡単。お前達Fクラスだから、EやDの生徒に対戦を仕掛ける。勝てば、評価が入れ替わる」
僕「例えば僕達がDクラスのやつを倒せば、僕達がDクラスになれるってことか…」
愛華「じゃあ一気に上のランクにチャレンジできるってことですね!」
オミナ「そうだアイカ、この昇格期間は単発の試験ではなく、期間。お前らが評価Eに挑んで余裕で勝てた場合、その後Dに挑んでも構わない。しかし勝てるまで永遠に挑み続けるようなやつが出たら困るから、最大は三戦だ。一個ずつ上のランクに挑んで、三回すべて勝てばお前達も評価Cになれるぞ」
なるほどな…まずこの学園は実力主義。そして評価が上であればあるほど受けられる待遇も良くなると聞いた。
いい環境で生活をすれば余裕が生まれ、その余裕でさらなるトレーニングができ、実力の向上は加速する。評価が上がるとメリットづくしというわけか。
オミナ「昇格期間は来週から再来週までの一週間。その一週間以内に最大三回の挑戦が可能だ。せいぜい評価をあげられるように頑張るんだな…」
そう言い残して、先生は教室を去っていった。
昇格期間…これは今の僕の実力を見極める良い機会かもしれないな。
ランクが上がれば上がるほど、戦闘のレベルは上がっていくのだろう。その環境にいれば、僕の実力が更に伸びることは確実。記憶の探求に近づくというものだ。
そしておそらく何度か行われる昇格期間…それらをものにしてみせると、僕は心に決めるのだった…
………その日の夜。僕の部屋のドアがノックされた。
時計を見ると、現在の時刻は午後6時30分。すでに外は薄暗くなってきている。
こんな時間に誰だろうと、僕はその扉をあけた。
僕「………なんだ、君か」
愛華「すみません…来ちゃいました」
僕「来ちゃいました、じゃない。何かあったのか?」
愛華「来週、昇格期間がありますよね?」
僕「そうだな…三条はどうするつもりなんだ?僕はこれを利用して上がっていくつもりだが」
僕が自分の考えを述べると、三条はくわっとこちらに鋭い視線を向けて、
愛華「そうなんですよ!!私もそうしたいんです!でも、私には力がありません…実力が足りません…頭は…それなりに回るかもしれませんけど、それだけじゃ絶対上には上がっていけない。昇格制度は戦いによる評価の入れ替えですから」
僕「それで……僕にどうしろと?」
愛華「一緒に特訓しましょう!!」
その提案を断る理由は僕にはなかった。
僕「ああ、もっともっと強くなろう。一緒に」
そうして僕らは手を取り合い、強くなることを改めて心に誓うのだった。




