・第三話 ≪略奪戦≫
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第三話
「略奪戦」
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天ノ川 誠が得ることができた転生特典。その中には己の能力値を強化する…というよりは、教育していくものがあった。
よって、新任士官ではあるものの誠の軍人としてのスキルは高かったのである。
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●とある森の中●
『ーーー銃剣突撃‼︎突撃ぃいい‼︎』
『『『『『うぉおおおお‼︎』』』』』
南李共和国の兵士達が銃剣をつけた小銃を手に、敗走していたゲリラ兵達に突撃を敢行する。
≦歩兵指揮スキル≪銃剣突撃号令≫発動≧
≦銃剣突撃時に指揮下に対して白兵戦能力+15%、戦意+10%、士気+8%≧
誠の発動したスキルが、突撃する兵士達に後押し程度の力を与える。ただでさえ敗走していて士気と戦意の低いゲリラ兵達は、紅茶に入れた砂糖のように溶けてゆく。
「せいやぁ‼︎」
『ぐぁ⁉︎』
誠の軍刀による上段からの一振りで、抵抗しようとしたゲリラ兵士が血を吹き出して崩れ落ちる。
「さて、馬賊連中はどこまでやれるかな?」
敗走しているゲリラの大部分が殲滅される中。そのゲリラを囮として指揮官達が本拠地へ逃走していた。トカゲの尻尾切りであったが、馬賊の少数部隊が追跡していた。
『山城か。どうせ王家の連中の隠れ家だったんだろうが、見つかっちまったらそれまでだな』
馬賊の男はニヤリと笑みを浮かべる。
『行くぞ‼︎月皇国の中尉殿に伝えにな‼︎』
『『応‼︎』』
馬賊の少数部隊がゲリラ兵の殲滅を終えた誠の元に帰還する。殲滅を終えて片付けを行いながら、誠は報告を聞く。
『成程、山城ですか』
『一見険しい山に見えますが、北側に伸びてる道も見つけやした』
『間違いなく対月皇国用の山城ですね。北李王国と暴帝国の支援ルートと見るべきですね』
ニコリと誠が笑みを浮かべる。戦略が積み上がった。
『都市の3個歩兵中隊と馬賊を召集。
ーーーゲリラを殲滅します』
≦戦闘完了。リザルト開始≧
誠の頭の中に声が響く。
≦戦闘結果:圧倒的勝利≧
≦撃破敵数:56名≧
≦獲得捕虜:0名≧
≦味方戦死者:0名≧
≦味方負傷者:3名≧
≦評価備考:敵のランク中情報獲得≧
≦獲得報酬:恩賞金38圜、小銃(【龍門式歩槍】)8丁、弾薬300発、部隊経験値+150≧
「先ずは初手。馬賊」
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●復興義勇隊本拠地●
『何⁉︎補給路が馬賊に襲撃を受けて、まともに捕球が届いていないだと⁉︎』
旧李王国の高官だった男が思わず立ち上がる。動脈に刃を添えられた並に大事件だったためである。
『はっ‼︎北李王国領では被害がないことから、完全に補給ルートが捕捉されております‼︎』
『何ということだ。び、備蓄は?』
『もって、1週間かと』
『不味い。それは不味い‼︎ただでさえ士気が低いというのに‼︎飯も食わせられないのでは脱走兵が続出しかねん‼︎緘口令を‼︎この事を誰にも伝えるな‼︎』
『はっ‼︎』
食糧不足を隠蔽する復興義勇隊上層部であったが、馬賊による苛烈な略奪攻撃は全く収まる事を知らず。鎮圧に来たゲリラ兵も南李共和国軍兵士により処理されていた。
『何としても補給路を確保するのだ‼︎軍の殆どを出しても構わん‼︎』
元高官は腐った上層部の中ではまともな思考をしていた。しかし、それは有能とイコールではなかったのだ。追跡されて隠された山城がバレるとは…少しも考えていなかったのである。
『好きなだけ奪っていいなんて、月皇国の軍人さんも馬賊の使い方をよく分かってらっしゃる』
山城を観察しながら、山城監視を命じられた馬賊の兵士が下卑た笑みを浮かべる。
『武器も備品食料もたんまりだ。しばらくはゆっくりできるレベルですぜ』
『しかも、周囲の馬賊まで呼び集めるとはなぁ。おかげでやり易くて仕方ねぇ』
『1匹の蜂ならともかく、数百の蜂に襲われればなされるがままになるしかねぇですからね』
そう、誠は周辺に点在する馬賊達に「本格戦闘は正規軍が行う。好きに略奪したくないか?特に軍用品が欲しくないか?』という提案を行った。結果として150名近くの馬賊が龍雲の指揮の元で、補給ルートに略奪攻撃を仕掛けていた。
そしてその戦果は膨大であり、龍雲の兵士達も多くが正規軍装備並みになっているほどである。
『クックック。あの中尉殿、本当に馬賊を使うのが上手いぜ』
『ってことは…』
『ああ、カシラはあの中尉殿に従うことにしたみたいだぜ』
『今が売り時ってわけですかい』
南李共和国はゼロから作り始められた国家である。北李王国と違い、元の官僚や高官、勿論貴族王族もいない。空いているポストは山のようにある。
龍雲も流石にいつまでも馬賊として山賊活動をする気はなかった。今こそ空いてるポストを狙うべきと動き始めていたのだ。
『うちの影響下の馬賊も集めておけ。この際だ。龍雲一派なんて作ってみてもいいかもな』
『そりゃあ面白そうだ』
その瞬間。夜だというのにゲリラ部隊が山城から出撃していく。
『よし、出たな』
『本当に出た。あとは予定のルートを通れば』
『本当に、復興義勇隊には同情するぜ』
山城を出発したゲリラ部隊は、山岳地帯を通りながら補給ルートの確保と、馬賊狩りを開始しようとしていた。
ーーーそう、その時までは。
『ほ、本当に来たぞ』
『流石隊長だ』
『目測を誤るなよ?』
誠がウインクする。
『り、了解』
南李共和国軍兵士が震える手でライターを着火させる。もう片手には導線が引かれている。
『…よし、点火』
『点火‼︎』
導火線に火が付けられる。ゲリラ兵の移動速度に合わせるように、導火線が燃えていく。
「さあ、惨劇を始めよう」
爆音と共に巨大な岩や土砂達がゲリラ兵士達に降り注ぐ。それは容易く人の命を奪う豪雨であった。
『ど、土砂崩れだと⁉︎』
『た、助け』
ゲリラ兵士達が岩と土砂に埋まっていく。岩が頭にぶつかったゲリラ兵士などは、その場に倒れ伏し、土砂に埋まっていった。
『何ということだ‼︎』
『きゅ、救出をぎゃあッ⁉︎』
『なっ、共和国軍共か‼︎』
混乱したゲリラ兵士達に南李共和国軍兵士達が襲いかかる。指揮系統が混乱しているゲリラ兵達は容易く命を奪われていく。
「ここは岩山の山岳地帯。そこに無理をして道を作ったのだ。こういう真似をできる地形はいくつもあるものさ」
南李共和国と北李王国の境界線には岩山が多い。そこに無理に道を作ったのである。崩れたら道を塞ぐような場所は少なくなかった。
誠はその一つを爆破し、土砂と岩の雨を降らせたのである。被害は甚大であった。
『結果は上々。無理に押し込むな。銃撃で削り取れ‼︎』
四方八方からの銃撃に、生き残ってたゲリラ兵士達が次々と倒れてゆく。それはまさに包囲殲滅戦。逃げ場を許さぬ皆殺しの罠。
『こ、降伏する‼︎』
ゲリラ兵士達が両手を上げる。その数はもう10人程度であった。
『銃撃中止‼︎捕虜を確保せよ』
捕虜達が南李共和国兵士達に拘束される。
『中尉殿。大戦果ですな』
『いえいえ、まだ本番が残ってますよ』
≦戦闘完了。リザルト開始≧
誠の頭の中に声が響く。
≦戦闘結果:圧倒的勝利≧
≦撃破敵数:1308名≧
≦獲得捕虜:12名≧
≦味方戦死者:3名≧
≦味方負傷者:15名≧
≦評価備考:敵主力部隊殲滅≧
≦獲得報酬:恩賞金120圜、小銃(【龍門式歩槍】)103丁、弾薬800発、部隊経験値+500、回復アイテム【下級ポーション薬】+3≧
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エンド
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