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シュールな場面がそぐわない - 4

【前回までのあらすじ】

田中へのコンタクト、その最中妨害を受ける

 対策案として2つ思いついた。

1つは妨害に対抗する術を見つける。

2つ目は見つからないように異界につなぐ。


 対抗策は時間がかかる。

妨害をどうやっているか特定できてもいないのだ、対策のしようもない。

だから見つからないように進めるしかないのだが、さてどうしたものか。

こちらの動きをリアルタイムでチェックできているかのような対応だ。

干渉術のようなものか。

だとしたら常に見ていることになる。

そんなことが可能だろうか?

感知するシステムがあるとかか。


 それとも、いやそうか、研究員の中に協力者もしくはそいつ自身がいるのかもしれない。

その場で妨害しているのであれば常に見張る必要はない。

メンバーを変えてみるか。

それとも急なスケジュール変更で翻弄できるかを試すか。

しかしこちらも慌ただしく動くことになるのは面倒だ。

仕方がない。

以前から研究してきた単独起動型の召喚術を使ってみるか。

まだ不安定で実用的とは言い難いが、相手が常に感知できるのかを検証するくらいなら十分だろう。


 スケジュールを見て実験設備のある棟に比較的人が少ない日を選び実行に移した。

隣接する実験室に誰もいないことは確認済みだ。

単独起動型の使用は既存の機材に小型の機器を取り付けるだけ。

必要なシステムはこっそりインストール済み。


 準備はできた。

さっそく起動して異界へのゲートを開いたところ、ゲートの輪郭が波打つように不安定な状態が続いている。

この状態はこの単独起動時の不安定さが原因であり妨害時に起きた異変とは異なる。

不安定な状態での調査は危険ではあるのだが折角の機会だ、そのまま1‐26へアクセスして田中を探す。

接続が数回途切れたためゲートを開き直すことにはなったが、何とかあいつを見つけることが出来た。

干渉術で一言すまなかったとメッセージを残しゲートを閉じた。


 どうやら妨害はされていないようだ。

常に見張られていないならこの方法で進めよう。

よし、チームでは術がうまく動作しない原因の究明と対策を行い、その裏で田中との交渉を単独で行う。

そのためにもこの単独起動時の不安定さをどうにかしないとな。

しかしそうなるとどうやってこちらの動きを把握しているのだろうか。

やはり身内にいると考えるのが妥当かな。

まあいい、今日のところは引き上げよう。


 待てよ。

秘密裏に単独で行うのであればプロジェクトとして進める必要はないわけだ。

それなら急ぐ必要もない。

なら相手に怪しまれないように見せるため原因の究明に力を入れ、しかしどうにもならず諦める様子を見せつけておこう。

プロジェクトが停止しても監視はつくだろうが少なからず警戒を緩めるはず。

もし内部に犯人がいるのであれば様子を見るためにどこかで接触してくるだろう。

そうなれば俺にしてみれば好都合だ。


 うまいことやったといい気になっているのかもしれんが、これ以上そいつの思い通りにはさせんさ。

何が目的か確かめてやる。

次回「シュールな場面がそぐわない - 5」

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