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女騎士①

〜〜〜


とある、長閑な村。

かつて、レオナの率いる騎士団が魔物の脅威を排除した村。

その小さくも、しかし活気に満ちた村は今まさに、絶望の中に立たされていた。


「あっ、レオナ様だ!!」


「本当だッ、おーいレオナ様!!」


絶望の幕開け。

その合図は、そんな希望に満ちた子どもたちの声だった。


「皆殺し。みなごろし。ミナごろし」


折り重なった、男の村人たちの死体。

その上に足を載せ、レオナは笑う。

村人たちの返り血。それを頬に浴び、周囲を見渡し、レオナは微笑んでいた。

首無き騎士たち。

そのモノたちも、男たちの首をその手に掲げ、どこか嬉しそうな雰囲気を醸す。


その、光景。

それを残った女、子どもたちは泣き喚き、蹲り、見つめることしかできなかった。


「みなごろ、し。皆、殺し」


壊れたレオナ。

しかしなぜかレオナたちは、女。子どもたちを手にかけなかった。

それは心が壊れても、レオナの本能には残っていたから。


"「女、子どもには。たとえ敵であっても手を出すな」"


そんな思いがほんの一欠片だけ。

残っていたからだった。


〜〜〜


「修復」


朽ちた家屋。

それに触れ、ジークは呟いた。


【収納物】

 ディアナの建築知識×999

ココネの魔法知識×999999

ココネの魔力×999999


それを取り出し、複合しジークは修復魔法を創り使用していた。


ジークの手の触れた家屋。

それは漆黒の闇に包まれ、ほんの数秒で元のカタチに戻っていく。

そしてその家屋は、ジークの生まれ育った家。

旅立ちのその日まで暮らしていた、ジークの家だった。


その修復された家。

それを見上げ、ジークの表情は変わらない。


「元のカタチに。元の、姿に」


呟き、ジークは片手で胸を抑える。

修復された、生まれ育った家。

しかし何故か、ジークの心は痛むばかり。


「痛い。いたい。イタい? ぜんぶ、元に戻したら。無くなる」


声を吐き出し、ジークは一筋の涙を流し、次の家屋へと向かう。

痛む心。

その痛み。それを少しでも、抑える為に。


〜〜〜


「こいつはおもしれぇ。はははッ、楽しくなってきた!! あの負け組ゴミ野郎ッ、好き勝手やってるじゃねぇか!! こいつはぶっ潰し甲斐があるぜ!!」


廃れた村。

その中に佇み、次々と家屋を元のカタチに戻していくジーク。

それを、ガルーダは嬉々として見つめる。

自身の持つ、力。


千里眼×2

透視×2


をその目に宿し、ジークの村からさほど離れていない森の中。そこにあった大きな岩で、胡座をかきながら。


「ガルーダ様」


「あ?」


「あのゴミ。負け組ジークへの進軍。それは、いつ頃に?」


ガルーダの姿。

それを岩の下から見つめ声を響かせるは、ガルーダの従者にして上級治癒士のシルフ。

種族はエルフ。銀髪で、緑のローブを纏った幼い少女。


そのシルフに、ガルーダは言い放つ。


「いつがいい?」


「はい、今すぐでよろしいかと。でなければ、あのゴミが勇者様のもたらした平和を壊し続けます」


「だな。よしッ、決まりだ!!」


立ち上がり、ガルーダは岩から飛び降りる。

そして、「あのゴミ野郎を始末しにいくぞ」と、声を響かせ、パチンッと指を鳴らし、【軍団召喚】を発動したのであった。


〜〜〜

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 何も落ち度が無い村襲って虐殺だと、本当にクズと何も変わらんのだが、今のジークだと。 [一言] 勇者側は全員純粋クズなPTメンバー除くと、この配下のエルフとか魔王倒した勇者を単純に妄…
[一言] 岩緩、捻髷丼という奴。(•▽•;)(何処園喪愚白苦?)
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