表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

断罪の赤ちゃんプレイ。チートスキル山盛りの最強ベイビー。無敵の軍隊を作って、不愉快な上級国民を片っ端から八つ裂きにしていく模様


 目が覚めた時、

 本日の主役『究極超神センエース』は、新たな世界に、赤子として生まれていた。

 90回目の転生。

 すでに、ステータスはカンストに届き、存在値(その人間の総合評価)は17000000000000という、イカれた数字になっている。


 ちなみに、彼が新たに転生したこの世界『第十アルファ』の平均存在値は60。

 センエースは、この世界の一般人の『3000億』倍ぐらい強いのである。


 ――生まれると同時、センの肉体は、自身の魂魄に刻んだシステム通り、『17歳の肉体』へと変貌する。


 産まれた子が急にでっかく成長する様をみて、センを産んだ『母親ポガーナ』は目を丸くしていた。


 ――『赤子を産んだばかりで疲労困憊の女性』に、『過度な困惑と心配を与えて疲弊させること』を、センは全く望んでいない。

 というわけで、


「安眠ランク1000」


 まずは、とにかく安静に寝てもらう。

 意識を失って倒れる、今回の母、ポガーナ。

 センは、すぐさま、


「悪いな。頑張ってガキを産んだのに、結果が俺で。心配しなくとも、お前の体を盛大に祝福して、また、すぐに、元気な子供が産めるようにしてやるよ。頑丈で健康で五体満足な子供を確定で――」


 と、言いながら、彼女の体の調整をしていたセン。

 その途中で、ポガーナの魂魄が、『絶死のアリア・ギアス(寿命を圧縮する代わりに、相応の願いが叶う誓い)』に包まれていることに気づく。


「あん? なんじゃこれ……」


 センは、彼女の頭に触れて、記憶を読んでみた。

 その結果、センは、心底しんどそうに頭を抱えて、


「うわ、最悪……鬱陶しい……」


 端的に、ポガーナの状況をまとめると、

 ・免疫異常タイプで、なかなか子供が産めない体。どうしても子を残したかったので、最後の手段、絶死のアリア・ギアスを積んだ。誓いの内容は『子が生まれてからの寿命は五年でいい。だから、どうか元気な子を産ませて』。覚悟がハンパなかったため、コスモゾーンはその願いを了承。

 ・幼馴染の夫は戦争で亡くなっている。五年後、子供がひとりぼっちになってしまうため、一人でも生きられるように、無茶な努力を積んで財産を膨らませてきた。幸い、彼女は、レベルが上がりやすい『スペシャル(特性)』を持っていたので、高収入の高位冒険者として働くことができた。息子のことを任せられる信頼できる仲間も何人かいる。


「もー、めんどくさいぃ……」


 センは悩んだが、


「……くっ……くそったれ……」

 

 覚悟を決めて、

 彼女の記憶から、

 『産まれた子供が、17歳の肉体に秒で成長した』

 という部分だけを削除して、


「擬態ランク1000」


 姿を変える魔法をつかい、

 『産まれたばかりの赤子』のふりをすることにした。


(5年間は、テメェの息子のふりをしてやるよ……くそ……だるい……)


 こうして、センさんは、究極の赤ちゃんプレイをぶっかますことになりましたとさ。

 めでたし、めでたし。



 ★



 母にとっては不幸だが、

 セン的には幸いなことに、

 ポガーナは母乳が出ない体質だったので、

 センは『赤ちゃんに擬態して、だいぶ年下のおっぱいを吸う』という、『惚れている女に見られたら終わってしまう辱め』を受けることはなかった。


 が、『排泄物が出ない』という設定は無理があるため、仕方なく、創造系の魔法で、うんこ・しっこを定期的に出して、それを始末してもらうという、非生産的なことを繰り返す。

 足をあげられて、お尻を拭かれるという辱めから早期脱却するため、センは、赤ちゃんTASプレイを敢行。

 考えうる限り最速の速度で、ハイハイをブチかまし、ほぼありえないスピードで、自力歩行をマスターした。

 そして、脅威の言語取得能力を披露して、

『テメェのケツはテメェで拭かせてつかぁさい』

 と、自立への手助けのみを要求。


 本来であれば、そのタイミングで、

『お世話になり申した。このご恩は一生わすれやしやせん』

 と、頭を下げて、

 風来の一人旅と洒落込むところなのだが、


(五年はガキをやってやるって宣言しちまったからなぁ)


 自分でやると決めたことは貫徹するのがセンさんの流儀。


 仕方なくセンは、彼女の息子としての義務を全うした。

 正直、全然可愛くないガキだが、

 母親の視点では、腹を痛めて産んだ子供は、たとえ結構なモンスターでも、世界一可愛い庇護欲の結晶。


 ポガーナは、『この子のためならなんでもする』という覚悟を膨らませて、命の限り、全力で、センに愛を捧げた。

 すでに財産は十分あるので、働きに出ず、5年間、付きっきりで、目一杯、全力で、我が子を愛した。


 そして、五年が経過したところで、

 ついに、彼女の寿命がやってきた。


 やつれて、ボロボロで、今にも息絶えそうな様子で眠っている彼女の横で、

 五歳になったセンは、全力で彼女の介護をしていた。

 自力で動けなくなった彼女を、家族として、全身全霊で支えた。


 彼女はいつも泣きながら、

「迷惑をかけてごめんね」

 と、センに頭を下げた。


「大丈夫だ、問題ない」


 と、いつも明るくチョケていくセン。

 幸せな日々が幕を閉じようとしていた。


 この5年間、子供に徹する傍らで、センは、必死になって、彼女の『絶死』を解除する方法を探した。

 しかし、いくらセンでも、すでに誓いが果たされた絶死を解除する術は持ち合わせていない。


 最終的には『自分の寿命をやろう』とも考えたが、彼女の魂が、それを全力で拒絶した。

 自分の子供の寿命を望む親じゃない。


 命の火が消える直前、

 母は、最後の力を振り絞り、


「あなたのおかーさんになれて、私は幸せでした」

「もっと愛してあげたかった。もっと守ってあげたかった。もっと抱っこしてあげたかった。ごめんね。出来の悪いおかーさんでごめんね」


 そう言って息を引き取った彼女を、

 センは、『真理の最奥でも睨みつけているかのよう』な『澄み切りすぎて、もはや、白すぎて青』という領域の『バグった眼光』で見つめていた。


 センは、通信の魔法で、『旧い馴染み』に連絡を取る。

 その相手とは、『転生』を得意としている神界の『深層』の究極超女神。

 名前は『超苺こいちご戯画咲ぎがさき鏡羅きょうら』。

 存在値5000000000000。


 センは、超苺に連絡を入れて、

 当たり前のように、土下座して、


「頼む、姉さん。ポガーナを、この世界に転生させてくれ。頼む! この通りだ」


「マジでいい加減にしてくれない? 何かあるたびに、いちいち、私を呼び出すの」


「一生のお願いだ! 姉さん! 姉貴! 転生自信ネキィイイイイ!」


「あんたの一生のお願い、すでに10回は聞いてんだけど」


「お願いします! なんでもします! なんだったら、褒美として、俺の童貞を買う権利をやろう!」


「じゃ、帰るから」


「冗談です! ただのテンプレです! ガチで本当にお願い! 姉さん! 姉貴! 姉御ぉおいい!」


「うっさい、うっさい! あー、もう、めんどうくさい。『絶死を積んでる魂魄』の転生とか、むちゃくちゃめんどうだってのに……言っておくけど、記憶や能力の引き継ぎはできないから。……魂魄だって、ほとんど削れるから、ぶっちゃけほぼ別人――」


「ああ、それは仕方ない。絶死を使ったことの責任は取らないとな」


 センは『線引き』を大事にしている。

 『これだけは超えてはいけないライン』というのを、しっかりと定めて生きている。

 だから、なんでもかんでも与えたり救ったりはしない。


 それでも、やっぱり、どうしても、

 『こうじゃなきゃヤダ』ってワガママはあって、

 そのワガママを実行するために、彼は最強になった。


 だから、


「頼む、超苺……もし、今後、お前が、俺の力を望んだ時、必ず、全身全霊で力を貸すと誓うから……頼む」


「これまで、散々、手助けしてたってんだから、私が困ったときに助けるのは当たり前だろ。あと、あんたは、条件関係なく、私が本気で困っていたら、勝手に助けるだろ」


 と、ど真ん中なコトを突きつけてくる超苺。

 黙ってしまうセンを見て、

 超苺は、一度、深くため息をついて、


「もう、本当に今回が最後だから」


(前の時と、その前の時も同じことを言っていたな……)


 と、思ったセンだったが、超苺に帰られると困るので、黙っていた。

 

 なんだかんだ、最後には、結局、頼みを聞いてくれる超苺。

 女神どうしで、性格対決をした場合、ぶっちゃけ、超苺に勝てる女神は存在しない。

 神界で最も美しい女神『シューリ・スピリット・アース』に至っては、性格対決だと、超苺の足元にも及ばない。

 まあ、性格ランキングワースト殿堂入りのシューリに性格のマシさで勝ったからといっても、なんの自慢にもならないが。




 ――なんだかんだあったが、どうにか、ポガーナの魂は、コスモゾーンに回収される直前、超苺の手により、この世界に転生する。


 やり方は、反魂とクローン技術の合わせ技。

 ポガーナの死体を器にした、新たな命の創造。

 ポガーナの体細胞から取り出した核を、専用の神器に移植し、オーラや魔力等の刺激により融合させ、クローン個体を生成。

 神器の中で無数の細胞分裂を繰り返し、赤ちゃんへと形成されていく。

 ほんの数分で、妊娠十ヶ月級の大きさになったクローン個体。

 そのクローン個体の中に、超苺は、ポガーナの『フラグメント(命の証明書)』を植え付けた。


「……『第一アルファ人(日本人)』の倫理観で言うと、だいぶえぐいことしているな。……ま、俺は第一アルファ人じゃないから、なんとも思わないが。高貴な第二アルファ人の上級国民である俺に、クソ第一アルファのクソな倫理観は関係ないのだ!」


「あんた、元は、バリバリの日本人じゃない」


「違う! 俺は、あんな糞みたいな世界出身じゃない! 違うんだもん!」


「……ウザ」


 超苺は、ダルそうに吐き捨てて、


「はい、終わり。じゃ、もう帰るから。まじで、もう2度と呼ばないで」


 だるそうにそう言ってから帰ろうとする彼女の背中に、センは、


「男に二言はない。この一生中はもうお願いしない。来世の『一生の願い』の時に、またよろしく」


「……」


 渋い顔をして帰っていく超苺のダルそうなオーラをシカトして、センは、


「おぎゃー、おぎゃー」

 

 新しく生まれた命を抱き上げる。


「また子育てか 童貞なのに、子育ての経験ばっかり豊富になっていく……童貞なのに……童貞……なのに……はぁ」


 ため息を吐きながら、センは、柔らかい布を創造して、赤ちゃんを包もうとした。

 そこで気づく。


「ん……あ……おいおい……チン◯ンあるじゃねぇか! 性転換してやがる! あ、そういや、性別を注文すんの忘れた!」


 性転換させようと思ったが、


「ムリぃ……分からんん……」


 超苺が、どういうシステムで転生させたかわからないから、手を加えることができなかった。

 上級者が作った複雑なプログラムのバグを、半分素人の無能が修正するのは不可能。


 超苺を呼び出そうかとも思ったが、

 『別に男でも女でもどっちでもいいだろ』と言われるのは目に見えているので、仕方なく、センは、


「うわぁ……やってもたぁ……んー……あー、まーいっか。前の記憶があるわけじゃないし、染色体に異常が生じているわけでもない。普通に男として生まれただけ……中身も普通に男だよな……」


 性的倫理観が整っていない未成熟な世界において、同性愛者は、どうしても生きづらいのが実情。

 だから、


「仕方ない。そこの部分の確認だけしてもらうか。………………あー、もしもし、姉さん? 『一生のお願い』があるから聞いてぇ。別に来なくていいから、確認だけさせてぇ」


 仕方なく、通信の魔法を使い、また、超苺に一生のお願いして、その辺がどうなっているのかを確認するセン。

 虎の子の『一生のお願い』を、数分の間に2回も炸裂していくスタイル。

 結果、特に『染色体系の障害』は存在しないと聞いてホッとするセン。


「名前だけは変えないとなぁ ポガーナは、第十アルファだと、麗子とか、愛子ぐらい、女の子の名前だし……んー、じゃあ……よし、決めた! お前は今日から、『ポガッサ』だ!」


 こうして、センとポガッサの親子関係逆転生活が幕を開けた。


 究極超神センエースに名付けられ、『サイバーアルファ人(神から名をもらうということは、神の加護を得られるということ)』となったポガッサの明日はどっちだ!


 ★


 90回も転生した結果、童貞の分際で、子供を育てた経験だけは一丁前に豊富になった神、センエース。

 ポガッサがおとなしい子だったこともあって、育児に問題は生じなかった。

 多少の問題が起きても、最悪、培ってきた魔法でどうにかなった。

 一番の鬼門と言えば、やはり、突発的な病気だろうが、熱っぽくなる度に、最高位回復魔法『神の慈悲』を連打したので、どんな病気も秒で完治する。


 そんなこんなで1年ぐらいが経過して、

 ポガッサが自力で歩けるようになると、

 センは、さっそく、ポガッサの魔改造計画を開始した。


「この狂気のマッドサイエンティスト、閃光院狂真に目をつけられてしまった己の不運を嘆くがいい。貴様は、我が狂気の改造手術によって、機関を滅ぼす人造人間サイコポガッサーに生まれ変わるのだ。ふはーっはっはっは!」


 キョトン顔のポガッサ。

 さすがに、まだ、センの狂気は理解できない。


 まだまだ、親に甘えたいだけの幼児に、

 センは、手取り足取り、

 武の真髄を教えていった。


 いくつかの究極超神器を使って、肉体を矯正しつつ、ポガッサに最適のトレーニングを繰り返し続けた。

 幸い、この世界には、高位のモンスターが大量に湧いたので、簡単にパワーレベリングすることもできた。


「行くぞ、ポガッサ。今日は、東の魔境『リスルー・ソクーダの遺跡』を攻略する!」


「はーい」


 ちなみに、『リスルー・ソクーダの遺跡』は、『難易度が終わっていること』で有名な地獄のダンジョン。

 超王級モンスターが頻繁に沸くという、

 第二〜第九アルファでも滅多にない、狂った遺跡。


 まともな一般第十アルファ人が、

 ――『リスルー・ソクーダの遺跡』を子供連れで攻略する――

 と聞いた場合、

 その提案者を『気絶するまで殴り続ける』だろう。

 そのぐらい危険な場所。


 そんなやべぇ遺跡に、センは、ポガッサを問答無用で連れて行き、そして、


「あ! 野生の『ネオ・ヘルズ覇鬼』が飛び出してきた! いけ! ポガッサ! 君に決めた!」


 目についた強いモンスターに、突撃を強制するという、新時代のネグレクトをかましていく、児童虐待系の閃光。


 この上ない高潔ぶりに、世界が二度見する。


「閃拳!」


 三歳とは思えない、ポガッサの極悪な一撃。

 センから教わった魂の正拳突き。

 それを受けて、ネオ・ヘルズ覇鬼は、クラクラしている。


「あー、いっぱつじゃだめかー」


 ポガッサは、反省しながら、


「害悪催眠ランク15」


 激烈に『ランクとクオリティが高い魔法』で、容赦なく、眠らせる。

 ちなみに、第十アルファ人に使える魔法のランクは、平均で3。


 世界ランク1位である『グライオ帝国』、

 その皇帝が使える最高の魔法がランク17ぐらい。


 そして、第十アルファ最強の存在、世界を統べる『天帝』ですら、使える魔法の最高は20がせいぜい。


 サイバーアルファ人『ポガッサ』のスペックは異常!


 『状態異常の耐性値が凶悪な鬼種』の超王級モンスターであるネオ・ヘルズ覇鬼を秒で眠らせたポガッサは、

 精神をしっかりと集中させて、

 拳に心を込め、


「爆竜閃拳!!」


 最大火力の一撃を、ネオ・ヘルズ覇鬼の顔面に叩き込む。


 ネオの頭が完璧に砕けて、

 大量の経験値が、ポガッサに流れ込む。


「おとーさん、レベル200になったー」


「えぐいな、おまえ。……3歳でレベル200て。俺が3歳の頃は、たぶん、2あるかないかだったんだが……」


 引いているセンと、

 ニッコニコのポガッサ。


「レベルが上がりやすい才能を持つ超早熟タイプに、パワーレベリングすると、こんな、狂ったことになるのか ヤベェな」


 もともと、ポガッサは、優れた資質を持つ武道家として、そこそこ有名だった。

 しっかりとレベリングをしていたわけではなかったのと、早い段階で結婚したこともあり、『誰もが名を知る、ぶっちぎりで優れた武道家』と言うわけではなかったが、村で一二を争う使い手ではあった。

 もし、前世のポガーナが『強くなること』だけを考えて、一心不乱に、効率的なレベル上げをしていれば、センの指導を受けている今ほどではないが、サイバーアルファ人となる前の『前世の状態』でも、世界最高クラスの天才として世界中に名を轟かせていた可能性は十分にある。



 ★



 ポガッサが7歳になる頃には、レベルが370になり、存在値(総合評価)で言えば、500台に突入していた。

 この段階で、既に、この世界最強の存在である『天帝』と、ほぼ同等。

 ポガッサの資質は、狂っている!


 ……ただ、『超早熟タイプ』で、『無限の才覚を持つというわけではない』ので、ある程度、レベルが上がってからは伸びが一気に悪くなった。

 10歳時点でのレベルは379。

 3年かけて、9しか上がらなかった。


(努力は足りている。これ以上を目指すとなると、もっと革命的なキッカケが必要になる。例えば、心が砕けるほどの絶望……それを乗り越えるとか……)


 今、ポガッサは『存在値の壁』の前に立っている。

 この壁をぶち壊すことの難しさを、センはこの世の誰よりも理解している。


 センが経験した『壁を超えるきっかけ』は、

『血みどろの戦争』、

『薬漬けになった害虫駆除』、

『イカれた武神との全人類の生存を賭けた死闘』

 といった、えげつないラインナップ。

 魂魄の髄をぐちゃぐちゃにされるような絶望を超えたことで、ようやく壁を越えることができた。


(そこまでする必要は……うん……ないな)


 センは、ポガッサに、『無駄な苦労のない人生』を送って欲しかっただけ。

 『親』として、『問題なく生きていける力』をプレゼントしたかっただけ。


 今のポガッサなら、特に、今後の人生で問題が生じることはない。

 というわけで、センは、『ポガッサを徹底的に鍛える』……というフェーズを終了させた。


 教育の第二フェーズに入って以降、

 センは、ポガッサに、

 ――『命の使い方』を教えた。


 ポガッサ自身の選択を重視・尊重した上で、

 ポガッサが、豊かな人生を送れるように、

 『センが必要だと思う事』を教え込んだ。

 幸いポガッサは、まともな人間だったので、


「ポガッサ。『俺のいうことが正しい』とは思わなくていい。ただ、俺は、お前に、親として、『これだけは伝えなきゃいけない』ってことばかりをぶつけている。だから、鬱陶しいだろうが、俺の言葉を、頭の片隅には残しておけ」


「おとーさんが言っていること、すごく大事なことだって、ぼく、わかるよ」


 セン的な倫理観を、まっすぐに受け止めてくれた。

 まともな人間に育ってくれた可愛い息子。


(どうせなら、『この世界に生まれて良かった』と、心底から思えるように……)


 と、親バカなことを考えたセンは、

 『ポガッサが少しでも生きやすい世界』にすべく、ポガッサの存在値だけではなく、世界の支配構造を変革することを決意。

 よりよいまともな世界にするため、徹底的に、裏から改革を行なっていった。

 崇拝されたりすると面倒なので、表には立たず、仮面を被り、いつも使っている偽名の一つ『ワンバン』を名乗り、世界の汚れをパワープレイで浄化していく。


 第十アルファは、比較的まともな世界で、そこまで歪んでいるわけではなかった。

 ただ、もちろん、局所的には『腐敗している部分』もあったので、その辺を一掃してやろうとセンは考えた。


 あと、一応、普通に各国で、ちょこちょこ戦争をしていたので、そこに介入できるシステムも構築しようとした。

 いわゆる『ゼノリカ(センが第二〜第九アルファで構築した究極の世界政府)』的な、『厄介ごとの仲介役』になり得る機関。

 ゼノリカのように、第二〜第九アルファ全土から人員をかき集める、といったことができないため、『ゼノリカ級の完璧な組織』を求めることはできなかったが、『ある程度まともな国連軍』ぐらいはできるだろうと動き出す。


 戦争が起こるのは仕方ない。

 ケンカやイジメを完全に淘汰することはできない。

 強い主義主張があれば、ぶつかるもの。

 人は闘争の輪廻から逃れられない。

 『人と人のぶつかり』を排除しようとしても無理。


 怒りや憎しみが生まれるのは前提として、その感情が暴走しないように管理・統制する方法を考える。


 戦争のルールを決定し、それを遵守させる監視組織。

 もし、ルールに反した場合、国のトップと軍が、特大の制裁を受ける。

 拒絶した場合は、『その国』と『他の国全部の軍プラス国連軍』の全面戦争になり、『ルールを破るという決断を下した者』と『その決断を止められる立場にあった者全員』を終身刑とする。

 ――そんな『神法』を前提として、

 センは組織案を固めていった。


 国連軍実現のため、センは、『この世界でもっとも倫理観の低そうな国』の上層部を落とした。

 第十アルファに、国は全部で20個ほどあって、その中で、もっとも、国民が支配者層に苦しめられている国――『オニコリ王国(序列は20か国中、上から8~9番目ぐらい)』をターゲットに選んだ。


 電光石火のセンが、煌びやかな王城へと忍び込むと、そこでは、王が、

 『スラムで拉致してきたガキを拷問する』という日課に勤しんでいたので、


「呼ばれてないのにジャジャジャン! 我こそは! 自由と独り善がりを愛する孤高の大魔王! 暴力仮面ワンバン!! 上級国民の迷惑顧みず! 無茶なワガママを執行すべく、颯爽登場! くらえ! 独善拳!!!」


 と、ちょっと何言っているかわからないことを叫びながら、愚王をボッコボコにしていく。

 当然、王は、抵抗しようとしたが、

 相手が悪すぎて、何もできない。

 センは悪魔の笑みを浮かべて、


「げへへへへへ! 貴様のような虫ケラがこの俺に擦り傷の一つでも負わせられると思ったか! ばかめ!」


「おとーさん、やりすぎだよぉ。悪い人なのはわかるけど、ここまでは、多分、やらなくてよかったよ」


 全身の骨が砕け、血に濡れて、あちこちの臓器と眼球と性器が粉微塵につぶされている王。

 そんな、ボロボロの王を踏みつけながら、悪の大王ワンバン仮面は


「こいつは、この俺に逆らったのだ。そのギルティは万死に値する。覚えておきなさい、P仮面! 俺こそが神の王! つまりは、この俺こそがルール! 俺のワガママだけが世界の全部なのだ! うひゃひゃひゃひゃひゃ!」


 テンション上がりすぎて頭がチャージしている父にドン引きするP仮面ことポガッサ。

 親子二人で、仮面をかぶって、王城に殴り込みという、だいぶイカれたムーブ。

 狂気のマッドサイエンティスト『ワンバン仮面』に、バチボコしばかれたオニコリ王国の王は、

 ヒューヒューと、ギリギリの呼吸をしながら、


「……こ、このような狼藉が……許されると思うな……『天帝』が許しはしないぞ……私は『天の意志』に選ばれて王になっているのだ……その私に牙を向くということは……『世界の運命』に逆らうということ……」


 まだごちゃごちゃ言っていたが、

 センは、王の頭を掴むと、

 頭蓋骨が割れる勢いで壁に叩きつけて、


「この世界の『天帝』なら、ここにくる前、テメェみたいなカスを王にした罪でフルボッコにしてきたから、俺には何も言えねぇよ」


「……ぇ」


「たかが存在値500前後のカスなんざ、俺の相手になるわけねぇ。あの程度で殿堂入りとか、片腹痛い。俺の『配下ゼノリカ』には、あいつより存在値が高い奴が20人ぐらいいるぜ。あいつより『強いヤツ』ってくくりなら、1000人以上いるなぁ。……ぶっちゃけ、あのゴミ天帝ぐらいなら、P仮面でも余裕」


 実際には、今のポガッサでは、天帝に勝てない。

 数値はトントンだが、人生経験による戦闘力差がありすぎて、今のポガッサでは勝ちきれない。

 ちなみに存在値500は、普通に、天帝として立派な数字である。

 そのへん、もろもろ、全部わかった上で、センは発言している。

 現世の殿堂入りなど、どのレベルであろうと、センの前ではゴミでしかない。

 なんせ、彼は、神界の深層の頂点にたった神の王なのだから。


「今日から、お前は俺の傀儡だ。俺の命令通りに動け。これは最後のチャンス。千載一遇の――」

「ふざけるなぁ! 天に選ばれた王である私が、貴様のような――」


 性根は腐っているが、プライドだけは一丁前の王。 

 センは彼に、見切りをつけて、


「じゃあ、いいよ。別にお前そのものじゃなきゃいけない理由とかないから」


 冷たい言葉で、王に対する言葉をしめると、

 王に、


「擬態ランク30」


 『みるからに弱そうなひょろい庶民』に見えるように魔法をかける。

 ランク30にもなると、見た目が変わるだけではなく、能力のほうでも、庶民化することが可能。


 『存在値20前後』という、この第十アルファにおいては、ゴミすぎる性能になった王に、一応、かるく回復魔法をかけ、『簡単には死ねない加護』をつけて、


「生まれ持った高位の力を振りかざすことしかできない無能なゴミよ。力なきものとして生き、弱者の痛みを知るがいい」


「な……わ、私の力が……な、なんだ、これは……なんの夢だ……」


「スラムのガキをさらって、拷問することを趣味にしているカスよ。今の、何の力も持たないお前が、スラムに転移したら、いったい、どんな目にあうかな」


「なっ、やめ――」


「やめてくれ、とお前も何度も言われてきたはずだ。しかし、お前は、決してやめなかった。そうだろう?」


「……」


「権力をはき違えたカス野郎。俺が与えようと思っていた、千載一遇の『やり直すチャンス』すら、自ら棒にふった真正のバカ。……俺は、『他者をおもんぱかれる人間』のことはできるだけ大事しようと考えているが、お前みたいなゴミのことは、心底どうでもいいと思っている。……お前が今まで、他人に与えてきた痛みを、今度はお前が受けるだけ。ただの自業自得。文句は言わせない――転移ランク30」


 そのまま、スラム街へと強制転移させる。

 オニコリ王国のスラムの治安の悪さはなかなかのもので、何も持たない弱者である今の王は、家畜以下の扱いを受けて、食い散らかされるだろう。

 これまでに、自分が他人にやってきたように。



「さて、と。それじゃあ、はじめようか。擬態ランク30」



 センは、オニコリ王国の王に擬態すると、

 そのまま、王子や妃や大臣など、

 クズ寄りの上級国民どもを、

 権力鬼盛りのパワハラで追い詰めつつ、

 暴力全開でボコボコにしていく。


 全員が腐っているわけではなく、

 まともなヤツも何人かいたので、そういう連中は、徹底的に重宝してやった。

 そうすることで、『この国での命の使い方』をハンマーセッションしていく。

 クズの中でも『改心の意思』を示した者には、相応のチャンスをあたえて様子を見た。


 そうやって、国内の上層部を改革して、

 ある程度、上がまとまったところで、

 センは、満を持して軍を作り始める。

 それまでに存在した、ワイロまみれのクソゴミ軍隊は解体し、有能な人材だけを集め、吐くほど厳しい訓練を施す。

 パワーレベリングと、洗脳教育(倫理)を徹底していく。

 国内だけではなく、他国も含め、

 『素質は有能なのに環境が劣悪すぎて、本来のスペックを発揮できない者』

 を、根こそぎかき集めていく。


 世界ランキング序列十位『第十アルファ』の称号を冠するだけあって、人材は豊富だった。

 その上で、腐っているわけではないものの、まだまだ倫理観が成熟しきっているわけではないので、貧富の差や、生まれ持った身分の格差、理不尽極まりない差別等は普通にあった。

 いくら才能があっても、環境が悪すぎると、ゴミとして処理されてしまう。


『全員平等なんて言う気はねぇ。叶わない共産主義は独裁しか産まないと歴史が証明している。平等にすべきなのは待遇ではなくチャンス。正しい努力ができる環境を整え、正しい努力に対する報酬の正当性を底上げする』


 センは、各国のスラムや孤児院や刑務所から、

『資質のあるもの』

『気合の入っている者』

『己のくそったれな運命と戦う覚悟を決められる者』

 を、片っ端から攫ってきて、徹底的に、虐待(地獄の訓練)を施した。


「いいか、ウジ虫どもっ! よく聞け! 俺の仕事は、この中から、真に『生きる価値のないゴミ』を見つけ出し、八つ裂きにすることだ! 俺は血に飢えている! 殺されたかったら、好きなだけサボるがいい! 目にも止まらぬ速度で、豚の餌にしてやる! わかったか! わかったら返事をしろ! ……違う!! 返事は、イエッサー、軍曹殿! だ! わかったか! よーし! では、実践訓練Aの35番を行う! 死にたくなければ、死ぬ気で命を燃やせ!」


 実践訓練は、どれも、近所のダンジョンや遺跡から、高位のモンスターを、この場に転移させて、戦わせるというもの。


 センは、現場の戦力を丁寧に見極めた上で、最も成長効率がいいであろうモンスターを的確にチョイスして、ウジ虫どもにぶつけていく。


 モンスターとの戦いのなか、ウジ虫たちが『強烈な爆発の魔法』を喰らったところを見て、

 センは、


「ほっほっほ、見てご覧なさい、ポガッサさん。綺麗な花火ですよ」


「……」


 ポガッサが引いているが、

 そんなことは関係ないとばかりに、

 センは、鬼軍曹役を徹底した。


 死ぬ直前まで追い込む訓練を施し、死にかけたら神の慈悲で回復、という、『ナメ◯ク星に向かっている時のカカ◯ット』のような、イカれたトレーニングを繰り返した。

 

 パワーレベリングと精神修行を延々と繰り返す。

 その果てに、50人ほど集めたメンバー全員が、存在値250を超えることに成功した。

 数値だけで言えば、『愚連S級(ゼノリカのエリート部隊)』に匹敵する超人集団へと成長。


 この世界の『上層部に属する者』でも、存在値250以上は数えるほどしかいない。

 軍としては破格。

 そこまで仕上がったところで、


「本日をもって、貴様らはウジ虫を卒業する。今日から貴様らは、正式に、栄えある『ワンバン特戦軍』のエリート軍人だ。うれしいか!」


「「「「「イエッサー、軍曹殿!」」」」」


 国と軍が、あるていど整ったところで、センは本格的に、世界の支配構造を変革するための行動に打って出た。


 国家ランク上位十か国が参加するサミットで、『国連軍』をつくるべきだと提案。


『好き勝手なことができないように、みんなで、世界を見張りましょう』


 という提案に対し、

 自由を貴ぶ権力者たちは、

 『まあ、そういうのもありかもね(笑)』

 という、ナメた態度で半笑い。


 議長を務めている、世界序列一位の国『グライオ帝国』の皇帝は、

 『まあ、冗談はともかく――』

 と、ろくに会議もせずに、センの提案を右から左へ流した。


 なめた態度をくらったセンさんは、

 にっこりと、コメカミに血管を浮かべ、


(国連軍の指揮権に関しては、『これまで第十アルファを牽引してきた連中』の『主体性』に任せようと思っていたが……やめた。権力の意味を勘違いしている王族・貴族は、もれなく、民衆の家畜になってもらう。使いつぶされて死ね)


 センが、国連軍設立のため、最初にとったプランは、

 『シ〇・ゴジラ』作戦。


「――『シン・夜空馬やくば』、召喚!! 行け! 帝国をぶっ壊せ!!」


 GODZ◯LLAサイズの、クソデケェ神獣を召喚し、グライオ帝国で暴れさせた。


 存在値700級の化け物なので、

 当然、抵抗などできない。

 豪快に建物を大規模半壊させながら、

 実際の死人は出さないよう調整しつつ、

 創造系の魔法で大量の死体を作成し、

 被害の規模を鬼盛りして、

 世界のピンチを演出する。



「天帝は何をしている! こんな時のために存在している守り神だろうが! 我が国を助けろ! 壊れたモンスターが暴れているのだ! 何をしている!」



 なぜか動かない天帝。

 拡大する一方の被害。

 全然倒せない化け物。


 世界の大ピンチを前にして、

 センが颯爽と、国連軍設立の案を提示。


「まずは、わがオニコリと、グライオで兵を出し合い、最初の国際連合軍を作りましょうぞ」


 そういって、『ワンバン特戦軍』を派遣するセン。

 この日のために、優秀な人材を集め、地獄の訓練を施し、そして破格の装備を貸し与えたのだ。



 ……ワンバン特戦軍の目覚ましい活躍もあって、

 グライオ帝国は、なんとか、強大な敵を撃退することに成功した。


 これで、国連軍は設立される……と、思いきや、そう簡単にいかないのが人間の心情。


 ――化け物はもう倒せたので、別に、センの提案をどうこうする必要はない。

 ワンバン特戦軍は、脅威的な戦力だが、グライオが総力をあげれば、どうにか処理できる。

 グライオ帝国が誇るインペリアルフォースは、存在値300近い超人が10人所属しているスーパーエリート部隊。

 そして、皇帝の存在値は400台となかなか破格。

 ワンバン特戦軍と戦えば、大きな被害を受けるが、『勝てない』ことはないのだ。

  ※ちなみに、ワンバン特戦軍の軍団長ポガッサは、本来の実力を隠し、存在値300ぐらいで戦っている。本気を出してしまうと、グライオに被害を出すことができないからである。

 

 ――というわけで、皇帝は、


「オニコリの王よ。協力、感謝する。しかし、それとこれとは別だ」


 と、なかなかの最低ぶりを発揮する。


 帝国は、気に入らないことがあれば、すぐに、その圧倒的武力を脅しに使ってくる、周囲の国からすれば厄介なジャイアン。

 自由で優雅でワガママが許される覇権国家。

 それが現在の帝国。

 せっかく何にも縛られない優雅な生活をしているのに、鬱陶しい『監視体制かあちゃん』を設けられて息苦しくなるのは我慢ならない。


 自由と豊かさを履き違えたワガママな強者は『倫理的な正しさ』と向き合うことが、なかなかできない。


(まあ、知ってたけどね。お前は、そういうやつだ)


 これまでの調べで、グライオの皇帝がどういう人間であるかは理解している。

 だから、センは、最初から、二の矢、三の矢を用意していた。


 ほとんど期間をおかずに、

 化け物を復活させて、

 また帝国で暴れさせる。


 判断ミスのツケを払わせる。

 これも、この世界を矯正する教育の一つ。


 当然のように、救助にかけつけるワンバン特戦軍。

 グライオ軍と特戦軍、お互いの軍に被害を出しながらも、

 なんとか、今回も、

 死人を出さずに処理することに成功。


「やっぱり、国連軍があったほうがいいっすね。戦争以外でも、こういう問題が起きた時のために」


「まれな厄介ごとが、すでに二度も起きた。すでに『マイナスの運』は使い果たしたといえよう。今後、同じことが起こる確率は極めて低い。国連軍など必要ない」


 皇帝の視点では、国連軍など、『ホールインワン保険』みたいなもの。

 すでに、ホールインワンは2回も出たのだから、これで、人生における『面倒な出費』は終わったと考えてもおかしくはない。


「あー、そうすか。3度目がないといいですね」


 当然、三の矢、発動。

 当たり前のように復活して暴れる夜空馬やくば


 グライオは今回も、ワンバン特戦軍が助けにきてくれると思っていたが、しかし、三度目の正直。

 ワンバン特戦軍は動かない!

 グライオ帝国の被害は拡大していく。

 多くの建物が全壊し、

 日に日に死体の山が出来上がっていく。

 連日出動している軍は疲弊し、

 皇帝も疲労困憊。


「オニコリの王よ! なぜ、力を貸してくれないんだ!」


 と、文句を言ってくる皇帝。

 前の2回で『オニコリ王国の助力』を『当たり前のボランティア』だと思っている節がある皇帝に、

 センは、


「国連軍、あったほうがよさそうですね」


「……うぎぎ……」


 口約束ではなく、他国の主要人物も交えて、

 正式に、国連軍の設立を発表。


 帝国が動けば、その半属国のような国も、当然、ついてこざるをえない。

 

 全部で7つの国が国連に加盟。


 統合代表には、グライオの皇帝が就任。


(まあいい。決定権は私にある。自国の利益になるときだけ運用し、それ以外の場面では、なんのかんのと理屈をつけて動かなければいい)


 などと、彼が、ナメたことを考えているのはお見通し。


 ちなみに、そのころには、もう、

 ポガッサも、20歳を超えており、

 ポガッサが軍団長を務めるワンバン特戦軍も、かなり大きく膨らんでいた。


 所属している兵士は、みな、毎日のようにセンから武の指導を受けており、かつ、センから、特別な装備を賜っている。

 数値だけではなく、戦闘力も、なかなか底上げされてきた。


 もはや、ポガッサを出さなくとも、

 エリート隊員たちだけで、グライオのインペリアルフォースを叩き潰せるようになったワンバン特戦軍。


「さて……そろそろ本格的に動き出そうか」


 そう決断したセンは、

 ワンバン特戦軍を使っての世界征服に乗り出す。


 『既得権益の関係から国連軍の設立を反対している国家』に、『召喚した化け物』を派遣して、優雅に暴れさせる。

 死者はフェイク以外で出さないように注意しつつ、

 ナメた上位層にはしっかりと『大災厄級の被害』が出るように調整しつつ、


 荒れる世界情勢を、

 ワンバン特戦軍は、

 いつでも快刀乱麻。


 ――マッチポンプの鬼連打。

 悪魔的所業。


「正義を騙る気は毛頭ねぇ。上級国民どもの、『自分のパイだけは守りたい』ってワガママを、悪だと切り捨てる気もねぇ。俺の意見は極めて単純。ワガママってのは、強いやつだけが叫べる特権だ。俺より弱いくせに、ワガママを通そうとする方が悪い。できるなら俺を殺してみろ。そうすりゃあ、テメェらの欲望は全部叶うぜ。それが、この世の摂理だ」


 『ぶっとびのワガママ』を通すために絶望を積んできた『イカれ神』に、一般人のワガママなど通るわけがない。


 悪意と私欲のワガママを叫ぶ上級国民どもを、ワンバン特戦軍は、それ以上のワガママで叩き潰していく。


 表の連中だけじゃなく、闇の側にいる組織も、躍起になって、『全人類国連軍加盟化計画』を潰そうとしてきた。

 暗部の面々にとっては、世界情勢が乱れている方が仕事に困らなくて済む。

 闇でしか生きられない者に、ワンバン特戦軍は眩しすぎる。

 だから、ありとあらゆる手を使って、ワンバン特戦軍を潰そうとしたが、ワンバン特戦軍は、その全部を、完膚なきまでにグッチャグチャにしていく。


「必要悪って言葉、厨ニ的視点では嫌いじゃないが、理性的な視点では『甘えでしかない』ってのが、俺の結論でね」


 ワガママを暴走させていくセン。

 えげつない武力で、世界を震撼させていく。


「ワンバン特戦軍……噂には聞いていたが……まさか……こ、ここまでとは――」


 ワンバン特戦軍にボコられたカス共は、

 皆、そのあまりに強さに恐怖し、

 最後には膝を折るほかなかった。


 ワンバン特戦軍を中心とした国連軍は、次第に世界中の国家や民衆に、その必要性と高い地位を認められていく。

 いつしか、国連軍の代表は、帝国の皇帝ではなく、ワンバン特戦軍の軍団長ポガッサになった。

 本物の組織に、お飾りはいらない。


 国連軍が精力的に活動し、

 徹底的に、戦争のルールを守らせた結果、

 『あまりにも身勝手すぎる大きな戦争』はなくなった。

 ……が、ゲリラ戦やテロなどは増加した。


 理不尽な悪意で国連軍を独裁呼ばわりしてくる連中が後を立たない。

 黎明期れいめいきの宿命。

 古い文化にしがみつく連中は、新しいムーブメントを許容しない。

 そこに理屈は存在しない。

 感情論の集積所。


 ワンバン特戦軍を、どうにか叩き潰そうとする勢力が結束し始める。

 『単騎では相手にならない敵』を潰すために、『悪口』を基軸にして徒党を組む。

 どの世界のどのコミュニティでも行われている、極めて一般的なムーブ。


 国連軍の存在を面白く思っていない『各国の上級国民』は、どうにかして、国連軍を貶めようと、裏からも表からも関係なく、節操なく、隠す気なく、『無数の破壊工作』を行ったが、『絶対的精神的支柱ワンバンを中心とした鋼の結束』と『どんな悪意でも秒で跳ね返せる圧倒的武力』が売りのワンバン特戦軍に、そんなものが通じるわけがなかった。


「……『無秩序な殺し合いは被害が大きすぎるから、ルールを守れ』ってのが、そんなに理解できんかねぇ」


 ついには、大きな戦争になった。

 『ワンバン特戦軍を、世界の守り手と認識しているチーム』と、『ワンバン特戦軍を世界から排斥したいチーム』に分かれての、世界大戦。


 センは、丁寧に場をコントロールしつつ、

 最終的には、ポガッサを英雄に仕立て上げることで、

 この戦争をきれいに終わらせた。


 ポガッサに『まともな世界』を残すため、センは、自重を棚に上げて、徹底的に、この世界を整えていく。


 その無秩序な暗躍を、

 ついに、この世界の『主神』が、とがめに来た。

 天帝とは次元の違う、真なる調停者。

 神の世界に席を置く本物の神。

 センエースは、やりすぎた。

 彼が、一般的な転生者だったら、ここで確実にジエンドだった。



「異世界より舞い降りたイレギュラーよ。貴様の奔放すぎる無秩序な暴走は目に余る。私が統べる世界で勝手は許さない」



 センに文句を言いに来たのは、

 第十アルファの主神、

 神界『表』層『最強』の神。


 『ベルテゴール・リィム・ライプ』


 基礎存在値820、

 MAX存在値51000000。

 5100万というのは、神界の『表層』においては最高位の数字。

 ベルテゴールは、その上で、戦闘力も神界最高格という、現状、表層においては、名実ともに最高位の神。

 『縛り(神は現世で神気を使えない)』があっても、余裕で、現世の雑魚を叩き潰すことが可能な、遥かなる高みにある武神。


 とは言え、表の神なので、

 深層の王である究極超神センエースのことは、正式な認識すらしていない。

 MAX存在値17兆、神界の深層を統べる究極超神の中の究極超神、舞い散る閃光センエース。

 その高みは、『神』の視点でも、異次元の領域。


 『なぜか現世でも神の力が使える究極超神の一等賞』という、爆裂破格の存在センエースからすれば、ベルテゴールなど、鼻息で消し飛ばせる雑魚でしかない。


「身をわきまえぬイレギュラーよ。尊き神の、真なる高みを知るがよい」


 そう言って襲いかかってきたベルテゴールに、センは、


「ゲヒャヒャヒャヒャ! どうだ! 痛いか! 苦しいか! 俺の魂は、貴様の悲鳴によって満たされる! あろうことか、この俺様に刃向かった大馬鹿野郎! 貴様の薄汚れた流血で、その大罪を清算しようじゃないか! ぐひゃひゃひゃ! うひゃひゃ!」


 表層最強の神を片手でボッコボコにするセン。

 そのやりすぎな暴力を前にして、ポガッサが、いつも通り引いていた。


「お、おとーさん……あの神様は、ここまでされるほど悪いことをしたの? 僕には、あの神様が、そこまでの悪だとは思えなかったんだけど……」


「よい目をしているな、ポガッサよ。お前の見立て通り、ベルテゴールは、どっちかと言えば、神の役職を頑張っている方の神だ。努力家だし、昔俺が殺したバーチャってカス神と違って歪んでいるわけでもない。だいぶまともな善神と言えるだろう。今回の襲撃も、ベルテゴールの視点では、盆栽の剪定せんていみたいなもの……もっと言えば、『がん患者の腫瘍を切除しにきた』みたいなもの。だから、本来、『お仕事、ご苦労さん』と褒めてやるべきであって、こんなボコボコにして撃退とか、決してするべきじゃない」


 センは、ポガッサに、『神関係』のことも、これまでの教育の中で、ちょっとだけ教えている。

 『神が世界を管理していること(管理の仕方に関しても、全部ではないが、多少は教えている)』

 『自分センも実は神の一柱であること』

 ゆえに、ポガッサは、ベルテゴールが襲撃に来た理由を、一応理解している。


 だからこそ、


「え、じゃ、じゃあ、なんで、こんなにボコボコに――」


 普通に抱いた疑問をぶつけると、

 センは、食い気味に、


「ポガッサ、覚えておきなさい。お父さんはね、相手が神の場合、ガチでタガが外れてしまうんだ。そのやべぇ性格のせいでね、神界では、鬼のように嫌われているんだよ。『職場(神界深層)』のみんなに『あいつイキリすぎ。死ねばいいのに』と思われているのが、君のお父さんなんだよ。なんだか、ごめんね、こんなんが親で」


「……」


「ポガッサ、君は、お父さんのようになっちゃいけないよ。お父さんを反面教師にして、みんなから愛される人になりなさい」


「おとーさんは、なんで、そんなに色々と不器用なの? その気になれば、すべての命から愛される神様になれるはずなのに。それだけの力と器と魂を持つのに」


「なぜならね、ポガッサ。君のお父さんは、ぶっちゃけ、大した人間じゃないからだよ。基本、頭が悪いんだ。あと、顔もご覧の有り様なんだ。あと、普通にクソ陰キャなんだ。要するには、ただのキモいオッサンなんだ。終わっているね。マクラに反面はんめんをつけても教師とは呼びたくない逸材だね」


「……」


 そこで、センは、ベルテゴールに視線を向けて、


「さて、と。それじゃ、ベルテゴールさんよぉ。あんたの資質を見込んで、頼みがあるんだよ。俺がいる間は、この世界を放置してくれや。で、俺が死んだ後は、今まで以上に、この世界を気にかけてくれや。お前は、敏腕編集者みたいなもんだから、担当している世界が多くて、大変だろうけど、この世界のことは、特に目をかけてやってくれ。で、うちの子が困っていたら、助けてやってくれ。頼んだぜ、ベルテゴール」


「き、貴様は……いったい、何者だ……私は神の世界の王だぞ……私に勝てる者は存在しない……現世にはもちろん。神の世界にも。貴様はいったい……」


「センエース、探偵さ」


「セン……エース……? かつての神界最強の乱神『バーチャ・ルカーノ・ロッキィ』を滅したという、あの、伝説の超神? ま、まさか……センエースなど、ただの都市伝説で……」


「探偵の方に食いついて欲しかったが、まあいいさ」


 軽く滑った神の王は、


「センエースが都市伝説かどうかはともかく、『俺がお前より遥かに強い』って事実は、ガチガチの現実だ。受け入れな」


「……」


「ベルテゴールさんよぉ……『表層神の王』ともあろう者が、『力を制御されている』とはいえ、現世でボコられたなんて、そんな情けないこと、誰にも知られたくないだろ? メンツがたたねぇ。俺は、あんたに恥をかかせたいわけじゃない。……だから、黙っておいてやるし、なんだったら、『センエースに勝った』って言いふらしてもいい。だから、俺との、安い約束を守れよ。労力の割に、メリットは大きいだろ? この提案を断るのはバカだぜ。『300円でフェラーリ売ってやる』って言っているようなもんだ」


「き、貴様ほどの、異次元の強者が……なぜ、そこまで、この世界を気にかける……たかが、現世の上位アルファごときを……」


「うちの子が天帝をやる予定の世界だから。それ以外の理由は特にない」


「……」


「じゃ、というわけで、今後とも、色々、よろしく頼むぜ。神界の表層を統べる王ベルテゴール・リィム・ライプよ」



 ★



 センエースの厄介な性格に、時折、引いてしまうポガッサだったが、

 1番身近にいられたお陰で、センエースの本質が、病的なほど高潔であり、他の何よりも美しい光だと理解できていたので、


「父様、やはり、私では、役者が不足しております。最果ての神であられる父様こそが、世界の頂点にふさわしい。裏に隠れるのはやめて、どうか、表舞台に出て、皆を導いていただきたい」


 精悍な王に成長したポガッサは、

 センに、完全なる支配者になることを求めたが、


「だから、ずっと言ってんだろ。俺は、あと、数十年で死ぬ。数十年で死ぬヤツがトップをやると、後釜争いで、無駄な犠牲を生むんだよ」


「探しましょう。不老不死を獲得する方法を。私が会得できた程度のスペシャルを、尊き父様がマスターできないなど、ありえない話」


 究極超神センエースは、

 『現世で神の力が使える』という破格のチート特性を有しているが、

 その代わり、

 『神でありながら自由な異世界移動ができない』

 『神の王でありながら、不老不死になれず、100歳前後で死んでしまい、違う世界に転生してしまう』

 という、いくつかの厄介な縛りを抱えている。


「ポガッサ、お前の目はフジツボか? いったい、今まで、俺の何を見てきた? 思い返すと、恥ずかしくて顔向けできないぐらい、みっともない記憶ばかりなんだが」


「どんなに大きな道化の仮面をかぶっても、父様の、偉大すぎる尊さは隠しきれません」


「俺は一ミリも尊くねぇよ。ただ馬鹿みたいに膨らんでいるだけの話」


 平行線の話し合いにも、

 センは、ずっと付き合い続けた。

 親として。

 自分の責任を最後まで果たそうとした。



 ★



 ポガッサは、最後の最後まで、

 センに不老不死を獲得させる方法を探した。

 探して、探して、探して……

 しかし、結局、その願いはかなわなかった。


 そして、セン、ついに、93歳になり、

 今回の人生の寿命を迎える。

 91回目の転生に旅立とうとしている。


「いやだ……父様……いや……いやだ……」


 『死を前にしているセン』を抱きしめ、

 子供のように、いやだいやだと叫ぶポガッサ。


「ポガッサ……お前も、今や……天帝だろう……第十アルファという……ハイランク世界の……頂点……みっともない姿を……さらすな……」


「父様……おいていかないで……ずっと、一緒にいて……」


「俺は、ずっと……お前の……魂魄の……中に………………」


「父様……とお……お、おとぉさぁああああん!!!!! うあわぁああああああああ!! ああああああああああああああああああ!!!」



 ――こうして、センの第十アルファでの人生は幕を閉じた。


 センを失った第十アルファは、

 その後、ゆっくりと腐敗していくことになる。

 表層の神王ベルテゴールは、センとの約束を守り、この世界をちゃんと見守ったが、主神としての基本的な役割以上の仕事はしなかった。


 偉大な父の遺志を継いだポガッサは、

 天帝として、必死になって、この世界を守ろうとしたが、センエースほど完璧に世界の光になることはできなかった。

 この世界では、強大なモンスターが他の世界よりも多く沸く。

 つまりは、『壊れたモンスター』の強度が、他の世界よりも上ということ。

 第十アルファの天帝は、害虫駆除で忙しく、下界の政治を監視する余裕はなかった。


 センエースを得た世界は大いなる未来を得る。

 逆に、センエースを失った世界は壊れていく。


 『センエースを永遠に得た世界』だけが、『真なる輝く明日』を夢見ることが許される。

 『ゼノリカ(センエースが代表を務める究極の世界政府)』を有する第二〜第九アルファとて、この世界と、立場はそんなに変わらない。


 第二〜第九アルファは、舞い散る閃光が頻繁に転生する『選ばれた世界』なので、危機感が薄いが、もし、センエースを正式に失った場合、第十アルファと同じく完璧に詰んでしまう。


 それが世界の真実。

 しかし、そのことに、いつだって、センエースだけが気づいていない。


 センエースは、第十アルファでの命を終える際、以下のように考えていた。


『今まで、無駄に過保護をかましちまって悪かったな。けど、鬱陶しい父親が死んだあとは、ポガッサ、お前の天下だ。ベルテゴールには、お前の邪魔だけはするなとキツく言ってあるから、以降、お前は完全に自由。気ままに生きろ』


 この世で唯一、いつまで経っても、自分の価値が理解できない、孤高と自由を尊ぶ神センエースは、ポガッサが自分のことを『目の上のたんこぶ(余計な口出しばかりしてくる上司)』だと認識しているだろう、と勝手に思っており、だから、『俺が死ねば清清するだろう』と本気で思っている。


 センが死んだあと、ポガッサは、無気力症候群になり、本気で自殺を考え、何度も自害一歩手前までいった。

 センが、無限転生のスペシャルを有しているのは知っていたので、生きていれば、いつかまた会えるはずだと信じているから、自殺しなかっただけ。

 もし、センが無限転生を持っていなかったら、センの死後、コンマ数秒以内に、余裕で自殺していた。


 センが死んで、死ぬほど辛かったが、また会える日を夢見て、ポガッサは鬱々とした日々を、懸命に生きている。


 センは、『自分が死んだ程度で、ポガッサが、そんなことになるわけがない』と考えているため、呑気に死んだり、自殺の方法を考えたりできるのである。


 恐ろしく愚か!

 なんだったら、他の何よりも重たい罪を犯しているとも言えるが、

 本人だけは、いつだって無自覚!

 なんだ、こいつ!






 ――まあ、なんだかんだ色々あったが、とりあえず、こんな感じで、センの第十アルファ旅行記は幕を閉じる。


 尊き神を失い詰んでしまったこの世界に、

 舞い散る閃光センエースが、

 より完璧で究極な状態に成長して、

 再度降臨するのは、

 ……だいぶ未来のお話。

 ここまで読んでいただき、感謝!

 いつも応援してくださっている読者様、本当にありがとう!


 今回の短編で、センエースを知ったという読者様、

 センが100回転生して以降の物語を投稿中なので、よろしければ、そちらもご覧になっていただければと思っております。そっちのバージョンはコミカライズもされておりますので。


 読んでくださったこと、心から感謝を!


 それと、よろしければ、ブックマークと評価もしていただけたら嬉しいです。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] センエースという「絶対的な大黒柱」としての役割がよくわかる作品 [一言] 「この狂気のマッドサイエンティスト、閃光院狂真に目をつけられてしまった己の不運を嘆くがいい。貴様は、我が狂気の改造…
[良い点] 面白かったです!! ポガッサとセンさんが再開できるといいですね!! ゼノリカにもいつか入って欲しいものです。 超苺姉さん、ほんとマブい。 作中上位の面倒の良いお姉さん枠ですね!!
[良い点] 百転生物語面白かったです。 なんで毎日2話更新しつつこんな10から15話位の分量を確保できるんですか??? 変態ですね(褒め言葉) [気になる点] 「呼ばれてないのにジャジャジャン! 我こ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ