人類獣人化シリーズ『維号天球』 簡易プロット
くさまくら
TFシリーズ 維号天球
簡易プロット
1.全体
テーマ:憎悪とは何か、また憎悪はどのようにして生まれ、どのようにして消えていくか
裏テーマ:人間はどのようにして獣化を選択し得るか
1-2.獣人化に関する前提
前提:獣化はどのような状況に現実と成りうるか?
・獣化による効果とは何か?
・人間は動物を愛好する、言い換えれば無意識のうちに「守るべきもの」と判断する傾向
→獣化することで外形上、同胞への憎悪を抑えられる可能性
→殺戮や憎悪の緩和?
つまり、人間が獣化を選択する場合、それは
社会混乱の緩和
を目的としたものである可能性が考えられる。
無論、人類にとって究極的な選択であることは間違いないので、これが選択される背景も究極的でなければならない。
ここで私は、
・社会情勢が混沌としており、もはや虐殺に歯止めのかからなくなったとき
・人間が種の存続という観点で、その状況を打開しなければならないようなとき
・獣化を推進する十分な科学的・倫理的根拠が整っているとき
に初めて、獣化は現実的な選択として検討されると考える。
そしてこのような場合、内面が人間のままであってはならず、内面もまた、虐殺を停止させるようなものでなければならない。
つまり、獣化が選択されるとき、
①外形上の変化→獣化により、外形上憎悪を緩和させる。
②内面上の変化→適切な治療により、憎悪という感情そのものを喪失させる。
の二点により、人間を完全に腑抜けにする必要がある。
よって、このシリーズにおいては、
・憎悪とは何か、また憎悪はどのようにして生まれ、どのようにして消えていくか
・人間はどのようにして獣化を選択し得るか
を描くことが求められる。
この前提を基軸として、以下のシリーズは構成される。
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2.第一作
テーマ:悲恋から見た憎悪の想起
概要:ケモホモ悲恋と、その果ての憎悪
舞台:とある男子校
登場人物:二人の高校生獣人
起:出会い
承:関係の深まり
具体的には、恋愛感情を匂わせる程度に
転:卒業、相手に彼女、悲嘆
結:相手の墓の破壊
※墓の破壊…相手の破壊、即ち自己における彼の死の象徴
・本当のところは?
舞台:人類獣化後の世界
内容:すべて夢
第一作の役割:存在してはならない憎悪の再生と発展
(第四作と関係)
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3.第二作
テーマ:
概要:人間嫌いの青年が異形たる獣人を受容する
舞台:東京
時代背景:核戦争の只中、情勢の極度悪化状態、現実的な近未来
※現実的な近未来…自動運転車、店舗完全無人化、物流の半無人化、インフラ整備の半無人化など
登場人物:人間嫌いの青年(アオ)、黒いオオカミ獣人(クロ)、白いオオカミ獣人(シロ)
起:日本中の人間の消滅、主人公と二人の獣人との出会い
承:関係の深まり
具体的には、
人間→獣人…単なる愛玩対象(ないし恐怖の対象、怪物)から友人へ
獣人→人間…命の恩人から友人へ
※黒いオオカミ獣人と白いオオカミ獣人の恋愛を支える、というのを重要なファクターとして
転:人間との遭遇、青年が銃撃される、オオカミ獣人が人間を喰い殺す
→それでも青年は獣人たちを愛する
銃撃により日に日に弱っていく青年を、彼の元カノが救い出す
→国際連合の職員で、オオカミ獣人がホログラムであったことを明かす
結:青年が絶望して自殺を図る(なぜ怒らない?)→直前で種明かし
オオカミ獣人はホログラムではなく、一芝居
→青年もまたオオカミ獣人となる
→三人はオーストラリアのどこかで幸せに暮らしていますとさ、めでたしめでたし
・何故かシロとクロがそれぞれ「おしろいさん」「おくろいさん」と呼ばれているところで終劇
・本当のところは?
時代背景:人間獣化前、世界最終戦争時
オオカミ獣人の特徴:憎悪を持たない生物
→憎悪を持たない生物はなぜ憎悪を覚えたか?
青年の役割:人間が獣人、そして獣化を受け入れるためのサンプル
→途中から三人ともども国際連合による管理下にあった
・物流、交通網、インフラ、銃撃、すべて国連管理下
→ストレステスト、多くのデータを収集するための様々な実験
※サンプル数は一だが、信頼性はあるのか?
※日本中の人間が消えたこと、オオカミ獣人が突如現れたことは偶然
→獣化計画は急速に進展した(あるいは、構想段階でしかなかったものが突如として浮き上がってきたか)
※ここでの国際連合は南半球国家が主体(北半球は基本的に壊滅状態にあるため)
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4.第三作
テーマ:ぼくのかんがえたさいきょうの人類獣人化計画
概要:国際連合が人類獣人化を決定する場面
※計画主体は世界再生機構
※登場人物は女性が過半…男は何だかんだ焼かれやすいことが考えられるので
時代背景:世界最終戦争による北半球壊滅後
・北半球の壊滅は人類を危機的な状況に
→そのような状況に陥る可能性は、未来永劫失われるべき
・様々な選択肢(どんな?)のうち、獣化が最適な手段であると判断
→外形の獣人化と内面の浄化
・外形の獣人化…ナノマシンによる骨格レベル、神経レベルからの人体改造
・内面の浄化…異形に対する排斥感情、憎悪や激情の抑制(発生すれども顕在化せず、という状況)
・サンプルとして、第二作の青年
→彼の行動様式や感情等を模倣し、直接的に個々に適用
(人間に対する根本的忌避感、獣人に対する初歩的な恐怖と愛玩、そして最終的な友愛への昇華、など)
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5.第四作
テーマ:人間は憎悪をどのように乗り越えるのか?
概要:第一作の夢を見てしまった一人の獣人が、自らの中に芽生えた憎悪と悲恋を乗り越えていく話
(具体的な構想は未定)
つゆとなりなむ