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第32話 狂乱の力

「古代光魔法・閃光」


 呪文を唱え、バルモンドの背後に一気に回り込む。


「しゃらくせえ!!」


 しかしバルモンドは驚異的な反射神経で体を反転させると、斧を振りかざした。


「くっ……」


 雷の剣で受け止めるも、衝撃で体が吹っ飛ぶ。


「狂乱・鬼叩き!!!!」


 間髪入れずに斧が振り下ろされる。


「古代光魔法・閃光!!」


 寸でのところで斧をかわし、バルモンドと距離を取る。


「逃げてんじゃねえ!!」


 くそっ……どうする?

 逃げ回っているだけじゃどんどん不利になっていくだけだ。

 これ以上早く動けるのは瞬間移動しかないが、あれは発動するのに数秒かかる。

 その間に斬られてしまう。


「考えろ……」


 軽く息を吐き、思考を研ぎ澄ます。

 次第に音が消え、バルモンドの声も小さくなっていった。

 

 その間にもバルモンドはひたすらに俺を斧で攻撃してきた。

 俺はそれを紙一重でかわしながら、思考を続けていた。

 この男に勝つ算段を模索し続けた。


 ――だが、時は残酷だ。

 バルモンドの武力が上昇し、次第に俺の体に傷がつき始めた。

 初めはかすり傷程度だったものも、数秒後には血が滲んでいた。

 しかし不思議と痛みはなかった。


 どれくらいの時間が経ったのか……その時は突然来た。


「古代光魔法・閃光」


 一旦バルモンドの攻撃を避け、家の屋根に避難する。

 景色が色づき、音が戻り始めた。


「……てめえ……いつまでも逃げ回ってんじゃねえぞ!! ふざけてんのか!!」


「鑑定……」


バルモンド(120)

魔人族 Lv530

体力 19000

武力 40000(+14000)

魔力 0

命値 59000(+4000)


 バルモンドの命値はついに俺を追い抜いていた。

 武力は驚異の40000!


「だが、いい……とてもいい……」


「はぁ!? 何言ってんだてめえ!!」


「バルモンド!!」


 俺は眼下のバルモンドに叫んだ。


「次の一撃でお前を倒す!! 覚悟しろ!!」


 右手に持った雷の剣が一回り大きくなる。

 線香花火の様に雷がバチバチと音を立てる。


「はっはっぁ!!! 面白れぇ!! 来い!! お前の全力を見せてみろ!!」


 ……戦いが好きそうなお前なら当然そう言うよな。

 

「行くぞ!! 古代雷魔法・雷撃斬!!」


 足に力を入れ、屋根を思い切り蹴る。

 体が高く宙を舞い、落下の重力で斬撃の勢いが増した。


「いいねえ!! 狂乱・天地滅殺!!」


 バルモンドが両手で斧を持ち、頭上の俺に振り上げる。

 今までの攻撃とは一線を画す強力な一撃だった。

 剣の目の前に斧が勢いよく迫る!


「死ねええ!!!!」



「――そうくると思ったよ」



 だが次の瞬間、俺の手から雷の剣がシュンと音を立てて消えた。


「……な!?」


 バルモンドが顔を歪めるも、斧は止まらず俺を切り裂こうと迫ってくる。


「古代水魔法・アトランティスの護り」

 

 瞬間、俺の目の前に水の薄い膜が現れ、斧がそれにもの凄い勢いで激突した。


 バゴォォォォォンンンンン!!!!!


 天を切り裂くような衝撃音がして、土煙が一気に舞い上がった。

 衝撃波が街を伝い家々の窓ガラスを割り、地面は大きく割れた。


 ――土煙が明け、俺は地面に仰向けに倒れるバルモンドを見下ろしていた。

 斧はもう柄しか残っておらず、それを掴む手も力が入らないのかピクピクと震えている。


「一体……な、なにを……しや……がった……?」


 血を吐きながらバルモンドは何とか言葉を紡いでいた。


「――その昔、絶対要塞と言われたアトランティスという都市があったという……お前ははなぜアトランティスが絶対要塞と呼ばれているか知っているか?」


「な、何の話を……して……ぐふぅっ……やがる」


「……アトランティスを覆う結界、それが絶対要塞の所以だったんだ。……あらゆる物理攻撃を受け取め、同等の威力で跳ね返す。それがアトランティスの結界の力……」


「まさか……てめえ……」


「ああ、さっきの魔法……アトランティスの護りはその結界の力を模した魔法。全ての物理攻撃を受け止め、跳ね返す。つまり、お前の攻撃はお前自身に跳ね返された」


「くそ……が……」


「終わりだバルモンド……」


 苦しそうに喘ぐバルモンドを見下ろし、俺は静かに呟いた。


「安らかに死ね……」


「くっ……くっくくっ……」


 と、その時。

 瀕死のバルモンドが突然笑みを浮かべた。


「死ぬのはお前の方だ……お、お前だけ……じゃない……この街も……全部……お、終わり……だ……」


 ……なんだこの笑みは。

 まだ何か起死回生の策を持っているような。


「ブリューナク……様は……俺を……爆弾に……変えていた……お前も……こ、この街……ぐはっ……も、ふ、拭き飛ぶ……こっ……ぱみじんに……なぁ」


「なんだと……?」


 ネイルの最期が脳裏をよぎる。

 ネイルの心臓は爆破されたような状態になっていた……そして、同じブリューナクという名前。

 もしこの男も爆発するのだとしたら……言っていることが正しいのだとしたら!


「死……ね……」


 まずい……くっ……止むを負えない!!


「古代空間魔法・超空倉庫!!!」


 バルモンドの体が膨らみ始めたと同時に、俺はバルモンドの下に超空間のゲートを開いた。

 穴に落ちるように、膨らんだバルモンドがゲートの中に落ちていく。

 それから一、ニ秒後。


 ドゴォォォォォオオン!!!!!!


 ゲート中から地を割るようなが爆発音がした。

 爆発がゲートの外に届く事はなかったが、ゲートの入り口から白い煙が立ち上っている。


「なんとか……間に合ったか……」


 魔法を解除しゲートを閉じる。

 緊張の糸が切れたようにその場に座り込むと、抑えていた痛みが感覚を突き始めた。


「疲れた……」

ここまで読んでいただきありがとうございました!


続きが気になると思った方は是非ともブックマークをお願いします。

また下にある☆☆☆☆☆から、作品の率直な評価を頂けると嬉しいです。


作家にとって読者様の応援や感想がとても励みになります!

より面白い作品を目指して頑張りますので、今度とも応援よろしくお願いいたします!

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