表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/48

第31話 鬼人バルモンド

 西門へ走るとだんだんと殺気のようなものが強くなってくる。

 この先にいるものの実力がそれだけ高いということだ。


「きゃぁぁぁ!」

「逃げろぉぉぉ!!!」


 逃げ惑う人々の間を縫うように疾走し、ほとんど人影が無くなった街中につくと、殺気の正体が目の前に立っていた。

 身長は2メートルもあろうかという巨体で、屈強な筋肉を全身に付けている。

 右手に斧を持ち、逆立った赤毛に血走った目は鬼を思わせた。

 家が破壊され、地面はひび割れ、兵士や街人が点々と倒れていた。

 そいつは俺を睨みつけると言った。


「今度はお前か!? 俺様の相手をするのは」


「なんなんだお前は……」


 迸る殺気と崩壊した街の様子が男の危険性を俺に訴えかけていた。

 

「俺様の名はバルモンド……魔王軍第一部隊隊長だ!!」


「魔王軍だと……!?」


 確か伝説では魔王はもう滅んだはず。

 残党か……それとも……ネイルの言ったように復活をしたというのか?


「お前の名は何だ?」


「シエン……」


「シエンか……聞いたことのねえ名前だな。やっぱり知り合いはいねえよな。……まあいいや、とりあえずお前をぶっ殺してやる!」


 バルモンドは叫ぶようにそう言うと、俺に突進してきた。

 

「オラァァァァ!!!!」


 腕の筋肉が膨張し、斧を後ろに引く。


「死ねええ!!」


「古代光魔法・閃光!」


 呪文を唱え、バルモンドの背面に一気に高速移動する。

 

「古代炎魔法・炎帝の波熱!」


 間髪入れずに炎の魔法を繰り出す。

 炎柱が放たれバルモンドの背に向かう。


「そこかぁ!!」


 しかしバルモンドはグルンと体を回すと、斧で炎を断ち斬った。


「なに!?」


 魔法を斧で斬るだと!?

 何という斧の強度と馬鹿力。


「……ならば、古代水魔法・海割り!」


 今度は水の衝撃波がバルモンドを襲う。

 

「こざかしいわ!!」


 しかしバルモンドはまたも斧を振るい、水を真っ二つに切り裂いた。


「こいつ……」


 ――鑑定!

 鑑定の能力でバルモンドを見る。


バルモンド(120)

魔人族 Lv530

体力 19000

武力 26000

魔力 0

命値 45000


 なに!? レベル530だと!

 それに魔人族……伝説上の種族がなぜ!!

 しかし……魔力の値はアカネと同じだ……つまり魔法は使えない。


 バルモンドは俺の驚いた表情に疑問を抱いたのか首を傾けた。


「お前、何を見ている? おかしな野郎だぜ」 


「おかしなのはお前の方だ……魔人族は勇者が魔王を倒した際に全部滅んだはず、なぜお前は生きている? それに……お前にはなぜ魔力がない?」


「んん!? お前……俺の能力値でも見ていたのか? なるほど……スキルだな。お前スキルを持っているだろ!?」


「スキル……?」


「ふん、知らねえのなら冥途の土産に教えてやるよ。スキルっていうのはダンジョンを攻略した褒美にもらえる神の力……お前も持ってんだろ?」


「お前……も、だと?」


「ああ……」


 バルモンドの殺気が急に跳ね上がった。

 心なしか体が一回り大きくなったような気がする。


「俺様も持ってるぜ……スキル”狂乱”をなぁ!!」


 バルモンドはそう叫ぶと、再び俺に突進してきた。

 だがその速さはさっきの比ではなく、気づいた時には斧が顔の前に迫っていた。


「古代……」


 ……詠唱が間に合わない!!


「死ねえぇ!! 狂乱・鬼叩き!!」


 バグゴォォォォンンンン!!!!!!


 斧が地面に衝突した衝撃音が鳴り、地面が大きく割れた。

 土煙が辺りに広がり、バルモンドの姿を隠す。


「……あ、危なかった……」


 俺は寸での所で斧をかわし、後ろに飛んでいた。

 土煙の外でバルモンドの姿が見えるのを待つ。


「今のをよけるとは……やっぱりお前ただ者じゃねえな」


 土煙が明けると、ニヤリと笑うバルモンドの姿が現れる。


「……お前もだろ」


「はははっ……そうだなぁ! 俺もただ者じゃあねぇ!」


 バルモンドはそう言うと、足に力を入れ、突然高く飛び上がった。


「狂乱・天地斬り!!!」


 両手で斧の柄を掴み、俺目がけて落下してくる。


「くっ……」

 

 避けるのは……何とかできると思う。

 だが、ずっと避け続けていてもこいつには勝てない。

 それどころかこの街がめちゃめちゃになってしまう。


「仕方ない……戦うしかないよな……」


 右手に魔力を集中させる。


「古代雷魔法・雷装剣……」


 呪文を唱えると、右手に魔力で形作った雷の剣が現れる。

 俺が剣の柄を強く握った時、ちょうどバルモンドが頭上に迫っていた。


「オラオラァァァァァ!!!」


 バルモンドの雄たけびの後、斧が空気を斬って眼前に迫る。

 俺は剣を後ろに引き、勢いをつけて思い切りバルモンドの斧に剣を激突させた。


 ガキィィィンン!!!!!


 金属同士がぶつかるような鈍い音が走り、衝撃の波が辺りに広がる。

 何とかバルモンドの一撃を受け止めた俺は、体を横にクルリと回し、斧を受け流した。


「なにぃ!?」


 バルモンドを視界に捕らえながら、二撃目を繰り出す。


「ぐはぁっ……!!」


 剣がバルモンドの腹を掻っ切り、赤い血が飛び散った。

 攻撃の衝撃でバルモンドの体は吹っ飛び、背中から地面に叩きつけられる。


「はぁ……はぁ……」


 一撃を与えたはいいものの、バルモンドの攻撃をまともに受け止めた右腕には鋭い痛みが走っていた。

 もしかしたら骨が損傷しているのかもしれない。


 ……だが、なぜこいつは急に動きが早くなった?

 スキル”狂乱”と何か関係があるのか?


「鑑定……」


 鑑定でバルモンドの能力値を再び確認する。


バルモンド(120)

魔人族 Lv530

体力 19000

武力 30000(+4000)

魔力 0

命値 49000(+4000)


「……え? 武力が上がっている?」


「くっくっくっ……どうやら気づいたみてぇだな……」


 バルモンドは嬉しそうな声と共に起き上がり、不気味に笑った。


「どういうことだ!? なぜお前の武力が上がっている!!」


「それが俺様のスキル”狂乱”の力なのさ! 時間経過と共に己の武力を上昇させる……それが俺様のスキルだぁ!!」


「まじかよ……」


 時間経過ということは、戦闘が長引けば長引くほどバルモンドの武力が上がるということ。

 つまり長期戦になれば俺が圧倒的不利。

 あと数分もすれば俺の命値も軽々と超えるだろう。


「さあ……始めようぜ……狂乱の宴だ!!」

ここまで読んでいただきありがとうございました!


続きが気になると思った方は是非ともブックマークをお願いします。

また下にある☆☆☆☆☆から、作品の率直な評価を頂けると嬉しいです。


作家にとって読者様の応援や感想がとても励みになります!

より面白い作品を目指して頑張りますので、今度とも応援よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ