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第29話 Aランククエスト

 王都イリオスへ来てから一か月が経った。

 ハクを新たに加えた俺たちのパーティーは、順調にクエストをこなし、ギルド内にもその名が知られるようになってきた。

 現在クリアしたクエストの数は、Cランクが15、Bランクが9である。

 ハクも無事Bランク冒険者へとランクアップし、俺たちの次の目標はAランククエストのクリアとなっていた。

 ちなみに鑑定で見たアカネとハクの能力値はこんな感じ。


アカネ(18)

人間族 Lv18

体力 169

武力 78

魔力 0

命値 247


ハクナギル(15)

人間族 Lv12

体力 20

武力 14

魔力 4680

命値 4714


 アカネの魔力0には毎度驚かされるが、逆にハクの魔力は恐ろしいほどに高かった。

 しかし、不滅の時計塔で見せたような魔法はまだ使えないらしく、ハクはいつも自信なさそうにしている。

 


 ――クエストボードを見ると、新しく貼られたAランククエストの依頼書があった。


「ガーネリア森林での魔物討伐……二人ともこれにしましょ! ここから近いし、あそこの魔物は大人しいって聞くからきっと簡単にクリアできるわよ!」


 大人しい魔物の討伐にAランクなんてつくわけがないだろ。

 そう思って依頼書を見てみると、その隣に貼られていたクエストに目がいった。

 それは今までに見たことのないタイプのクエストだった。


「爆発の原因の調査依頼……? なんだこれ」


「ああ、それね」


 アカネが困ったように話す。


「最近王都の周りで謎の爆発現象が起こってるらしいのよ。突然木や石が爆発したり、荷物が爆発したとか……その原因を探る依頼ね」


「シエン……ハクこっちの方がいい……なんかおもしろそう」


「そうだな、じゃあガーネリア森林のやつはやめてこっちにするか」


「ちょっと待ちなさい! そのクエストはBランクでしょ。私たちの目標はAランクなんだから、やっても無駄よ」


 アカネはそこまで言うと俺を睨みつけた。


「それとシエン。あなたちょっとハクに甘すぎるんじゃない? ハクはもう15歳なのよ、そんなに甘やかしていたら自立できないわよ」


「ハクはシエンのお嫁さんになるからいいの……」


「……だって」


「だってじゃないわよ!!」


 アカネの厳しい目が光り、とりあえず俺たちはガーネリア森林での魔物討伐クエストを受けることにした。

 討伐する魔物の名はグレイハウンド。巨大な狼で、少し前からガーネリア森林を荒らしているらしい。


 ガーネリア森林へは行ったことがあるので、瞬間移動の魔法で行こう。

 さすがに街中でやると人が消えたと騒ぎになる可能性があるので、一応街を出て魔法を使う。


「アカネ、ハク。どこでもいいけど俺に触れててくれ。触れてないと一緒に瞬間移動できないから。あっ……間接的でも別にいいからな。俺に触れたハクにアカネが触れても、多分瞬間移動はできると思う」


「分かった……」


 ハクは頷くと嬉しそうに俺に抱きつく。


「分かったわよ……」


 アカネは恥ずかしそうに俺の服の袖を掴んだ。


「よし……古代空間魔法・瞬間移動」


 俺たちの姿がフッと消え、次の瞬間には目の前にガーネリア森林が現れた。

 

「じゃあ行くか」


「ええ」


「うん……」


 ガーネリア森林の中を突っ切っている街道は意外と広く、車が二台は走れるくらいの幅があった。

 少し歩いた所で、俺は魔法を使った。


「古代水魔法・水面の導き……グレイハウンドの居場所を示せ」


 足元に出現した水たまりが矢印の方向に変わる。

 目標物がいる方角を教えてくれる大変便利な魔法である。

 矢印は東を指していた。


「……こっちだな」


 街道は通ってなかったので、木々の隙間を縫って東へと進む。

 そうして練り歩くこと数分、湖で水を飲んでいる大きな狼を発見した。

 茂みの中から秘かに狼を観察する。


「シエン、あれじゃないかしら?」


「それっぽいな。……鑑定」


 鑑定で狼の能力値を見てみる。


グレイハウンド(49)

魔物族 Lv57

体力 589

武力 320

魔力 47

命値 956


「うん、グレイハウンドで間違いない。……二人ともここに隠れていてくれ、俺が討伐してくる」


「何言ってるのよ! 私も行くわ、なんなら私が倒してやる!」


「あいつレベル57だぞ?」


「じゃあシエンに任せるわ。さっさと行ってきて」


「おい」


 でも確かに、レベル18のアカネが行ったとしてまともに戦える相手じゃない。

 レベル⒓のハクにも言えることだが。


「ハク……何かあったらアカネのこと頼んだぞ」


「うん……分かった」


「こら!」


 しかし魔力の高いハクはともかく、アカネはこれからきっと苦労するだろう。 

 魔力が0ということは、つまり魔法が何も使えないということ。

 人間が魔物を相手に素の力だけでどこまで通用するか……結果は絶望的な気がする。


 茂みから俺が出ると気配を察知したのか、グレイハウンドは水を飲むのを止めた。

 何かを探すように頭を回すと、俺を発見し、威嚇の唸り声を上げた。


「ガルルルゥ……」


 しかし全く怯むことなく俺は呪文を唱える。


「古代雷魔法・神々の怒り!!」


 雷撃が放たれグレイハウンドに直撃する。


「ガアァァァァ!!!」


 森を揺らすような叫びと共に、グレイハウンドは力尽きた。

 体が消滅し魔石がゴロンと落ちる。


「やったわねシエン!」


「シエン……やっぱりかっこいい……」


 アカネとハクが茂みから出てくる。


「思ったより手応えなかったな……避けられると思っていたんだが……」


 Aランクのクエストにしては簡単過ぎる。

 ……いや、案外こんなものか。賢者のレイと戦ったりダンジョンの魔物を倒したりで、俺の感覚がマヒしているだけかもしれない。


「シエン強いから……敵う魔物なんていないと思う」


「ありがとうハク」


 それとも俺が強くなりすぎてしまったのか。

 自慢になるようであまりいい気はしないが、その可能性もあるな。


「さてと、グレイハウンドも無事倒したことだし帰るか」

 

 俺たちは再び瞬間移動を使って、街まで帰った。

ここまで読んでいただきありがとうございました!


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また下にある☆☆☆☆☆から、作品の率直な評価を頂けると嬉しいです。


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