表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/11

忍び寄る悪意2

 奈々瀬は東大島まで自転車で向かっていき、笹塚行きの電車に乗り込んだ。


 奈々瀬は心配だった。明美さんに何か悪いことが起きないと良いけれど。そう思いながら笹塚に到着して明美さんの家に到着した。


 呼び鈴を押してみると、誰も出ない、それに鍵はかかっている。


 奈々瀬は扉に向かってドンドンと叩いてみる。


「明美さん。私、奈々瀬だけれども、いますか?」


 すると小さな声が聞こえてきた。


「あなた恋のキューピットの奈々瀬ちゃんなの?」


 それに凄く震えている声だった。


「そうですけれども、どうしたんですか?何かあったんですか?」


「私に関わらない方が良いわ。あなたまで巻き込まれてしまうよ」


「それってどういう事何ですか?もしかして集団ストーカーに狙われているんじゃないのですか?」


 その時だった。何か不穏な気配を感じることが出来たのは、何かに見られている感じがする。それに複数人物に。


 奈々瀬は恐怖を感じた。もしこのまま明美さんをほおって置いたら、集団ストーカーの餌食になってしまう。


「明美さん。一人になっちゃダメだ。今こそ私と手を組んで集団ストーカーから逃れる手段を一緒に考えようよ」


 すると明美さんはドアを開いて奈々瀬に抱きついた。


「ありがとうありがとう」


 私と明美さんが一緒になったことで何か集団ストーカーの連中の殺意が薄れた感じがした。それに明美さんの怯え方は余程の事だった。


 本当に全身を震わせている。それによっぽど怖かったのか?涙さえ浮かべている。


 今回の件は恋のキューピットとして明美さんを助けて、その集団ストーカーの連中に伝えなきゃいけない事があると思っている。


「とにかく明美さん。ここは危険です。どこか奴らの目の届かない所に行きましょう」


「ど、どこへ行けば良いの?みんな友達も両親も私の事を信じてくれないのよ。終いには病院に行った方が良いんじゃないかと言う程だから」


 なるほど、集団ストーカーは、友達それに親までも欺き、明美さんのすべての関係者を一人一人なくしているみたいだ。


 奈々瀬は気のせいじゃないと思っている。


 奈々瀬には感じている。集団ストーカーだと思われる人達に見られている事を。


 明美さんは決して病気なんかじゃない。本当に集団ストーカーに狙われている。


 とにかく私は明美さんの手を取って外に出た。


 本当に気がおかしくなるくらいの人達に見られている感じがする。これは絶対に気のせいなんかじゃない。


 でも私達は何をすれば良いのか?


「明美さん。とりあえず私の家に行きましょう」


「あなたの家に行ってどうするの?」


「とりあえず私が明美さんの事を全力で助けますから」


「助けるって言ったって、何が目的なの?」


「それは私が恋のキューピットだからですよ」


 明美は何か腑に落ちない感じでいたが、とりあえず、明美さんの部屋にいたら危険だと思って家につれて行こうと思う。


 私みたいな小学生に何が出来るのか分からないが、私は全力を持って明美さんを助けたいと思っている。


 でも私はこう見えてもハッキングやクラッキングの技術を持っている。


 明美さんのスマホを借りてみると、とりあえず私の所に電話をかけようとすると、全然かからないようにされてしまった。


 でも私はハッキングやクラッキングを防ぐ方法を知っている。


 私が使っている。ハッキングやクラッキングが出来ないソフトを使い、そのソフトを明美さんのスマホに入れた。


 すると明美さんのスマホは使えるようになった。


「凄い、スマホが使えるようになった。さすがは恋愛相談室のサイトを運営しているだけの事はあるわね」


「そんな事を言っていられませんよ。奴らは集団なのですよ。またいつか明美さんのスマホが使えない様にされるかは分からないんですよ。とにかく急ぎましょう。私の家まで」


 私は明美さんの手を繋いで、笹塚の駅に到着した。


 そこでも連中の何かを感じる。明美さんも感じているそうだ。


 まるで私と明美さんは世界に二人しかいないところを歩いている状態だった。


 電車の中に乗ると、奴らの気が感じられない。


 本当に気のせいなんじゃないかと思うくらいに感じない。


 でも油断してはいけない。もし明美さんを一人にしてしまったら集団ストーカーの餌食になってしまう。


 そうならないように私が付いている。私は小学生だが、ただの小学生じゃない。私のハッキングとクラッキングを舐めるなよ。


 そう思いながら。集団ストーカーにクラッキングを仕掛けてみる。どうやら奴らはまだ笹塚にいるみたいだ。


「明美さん。スマホの電源を切った方が良い」


「分かったわ」


 と素直に応じてくれた。


 とにかく友達も両親も警察も信用してくれない、所にいるのだ。奴らをとっちめるにはどうしたら良いのか私は考える。


 私も明美さんも互いに一人になってはいけないと思っている。一人になってしまったら、奴らの思うつぼだ。


 私も集団ストーカーに狙われる存在になってしまったのかもしれない。


 でも私は集団ストーカーに負けたりはしない。


 私と明美さんは電車の中でも手を繋いでいる。


 とにかく私の家に行かないといけない。明美さんを守るにはそれしかない。


 私の両親なら明美さんの事を信じてくれるだろう。


 でも親には明美さんの事は黙って置いた方が良い。


 明美さんを奈々瀬の家に入れ、とりあえずここにいればかなり安心である。


 集団ストーカーの狙いは明美を一人にして、集団で襲おうとしていること。


 明美は余程恐怖に苛まれていたのか眠れてなく、今奈々瀬の布団の上で眠っている。




 ★




 一方その頃、明美を狙う集団ストーカー達は、


「お前が俺達に闇サイトで狙うことになった、明美とやらは、どうやら小学生に助けられて入るみたいだぜ」


「お願いしますよ。明美は俺の告白を拒否った奴だ。絶対に一人にさせて、一生消えない傷を精神的に負わせてやるんだ」


「お前、俺達の事を利用して入るようだけれども、金は持っているのかよ。どうやら、明美とやらとつるんでいる小学生はただ者じゃないぞ。もっと金を積まないとこの小学生を欺く事は出来ないぞ」


「良いさ。お金ならいくらでもある。とにかく明美に生き地獄合わせなければ、俺は気が済まない」


 集団ストーカー達とその依頼者の金井はとある廃病院を拠点としてパソコンなどを所持して、明美のスマホにハッキングをしたのだが、奈々瀬の活躍によりそれは拒否された。


「明美を孤立させて、肉体的にも精神的にも追い詰めて廃人にする事だ」


「その前にこの相沢奈々瀬と言うガキを何とかしなければならない」


「出来ますよね、ついでにそのガキも精神的にも肉体的にも大きな傷を負わせて廃人にして収容所で一生を暮らさなければならない状態にしてくださいよ。お金ならいくらでもありますから」


「金井とやら、金は持っているんだろうな。ありますよ。親父の遺産を受け継いだ俺には多額のお金がありますから」


「でもこの相沢奈々瀬って言う奴は恋のキューピットをしているみたいじゃないか、それに何かこいつと遊んでいると何か楽しいな」


 廃病院にはいくつものパソコンが用意されている。それにしかもハッキングする機材など、相手のパソコンやスマホにウイルスを流し込んで壊す事も出来る。


 果たして、奈々瀬と明美は無事にこの集団ストーカーの連中から逃れられる事は出来るのだろうか?


 とにかく集団ストーカーの狙いは明美よりも奈々瀬を潰さなければならないことが分かった。それに集団ストーカー達は金井と同じように相手をどん底まで追い込むことが楽しいとさえ思っている。




 ★



 とりあえず奈々瀬は一安心と言ったところか、恋愛相談室のサイトを広げている。


 今日も恋愛相談室には色々な人達が奈々瀬を頼って恋にお悩みの人にアドバイスを提供している。


 そこで奈々瀬は気がついた。


 このサイトはハッキングされていることを。


 奈々瀬はそのハッキングを解除した。


 明美に奈々瀬自身もどうやら狙われてしまったようだ。


 ハッキングに気がついて良かったと思う奈々瀬で合った。


 そうしなければ、毎日恋の相談に来る人達を反故する事になりかねたからだ。


 それで今日の相談は、いつものように恋のお悩みの人達だ。


 今日、私は出かけられないので、メッセージを通して話す事にした。


 相談の内容はこうだった。


 初恋の人に告白をしたら、避けられてしまったとか、二度目の恋に手紙を送って恋が成就した者もいる。


 奈々瀬が運営する恋の相談室で今日は平和だった。


 そこで、ずいっと明美が奈々瀬がやっている恋愛相談室のサイトをのぞき込むと、


「いつもそうやって、恋の悩みを聞いてあげているんだ」


「ちょっと見ないでください。プライバシーの侵害になっちゃうから」


「ごめんなさい」


「それよりも明美さん、私も狙われてしまう対象になってしまいました」


「そんなあなたみたいな小学生まで巻き込んでしまうなんて」


 涙をこぼしそうになる明美さん。


「大丈夫ですよ。それよりも私のサイトにハッカーがいました」


「それって大丈夫なの?」


「大丈夫とは言えないかもしれないけれど、このハッカーの所に逆ハッキングをしてみます」


 するとハッキングは成功した。


 それで最新の奈々瀬が開発したウイルスを流し込んだ。


 そのウイルスはデーターを消してしまうウイルスだった。




 ★



「くっそー、いっぱい奴に喰わされた。あのガキとんでもない奴だ・・・おい金井、この落とし前どう付けてくれるんだよ」


「どうと言われましても、僕は空井明美を精神的にも肉体的にも潰す事なんですから、それにお金ならいくらでも払いますから」


「言ったなてめえ、じゃあ、ここのパソコンのデーターをすべて反故された金額一億円を払って貰おうか?」


「そ、そんな、一億円だなんて僕の遺産にはありませんよ」


「じゃあ、てめえには保険金をかけて死んで貰おうか」


「えっ!?何でそうなるんです!?」


「決まっているだろう。お前のせいで俺達のデーターが無駄になってしまったからな。おいそいつにすぐに保険金をかけて、事故死させろ」


「はい」


 と集団ストーカーの仲間が言って金井は捕まり、一ヶ月後に事故死させられる。


「相沢奈々瀬、お前だけは絶対に許さないからな」


 集団ストーカーの的となってしまった奈々瀬はこれから集団ストーカーの的となり、いずれまた立ち会う事になるのはまだ、先の話である。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ