ときめきダブルデート
大介君と付き合って一ヶ月の時が経った。
私は大介君の事をこの一ヶ月知り合って、私はますます大介君の事が好きになっていった。
それに大介君はこの一ヶ月でよりたくましくなり、いじめられるような事はなくなったらしい。
今日も大介君とバスケットコートの公園で私にもバスケが出来ないか、教えて貰っていた。この一ヶ月大介君にバスケを教えて貰って徐々に私自身うまくなっている。私もバスケットゴールに十回連続でシュートを決められるようになってきた。
さらに大介君はBリーグで活躍する事を夢見ている。
明日は大介君と私、それと明君とマリちゃんでダブルデートで市民プールに行くことになったのだ。
何か明日が楽しみになってきた。私にも恋人が出来て本当に嬉しく思って毎日が楽しくなってきている。
それに今は椅子の上であぐらをかきながら、恋愛相談室のサイトに目を向けている。
以前聴覚障害の女の子とその彼氏の写真が私の恋愛相談室に送られてきた。
彼女は私と同じような白いワンピースを着て麦わら帽子を被って彼と二人でニコッと笑っている写真に私は熱くなった。
さらにコメントまで用意されていた。
『彼と付き合えるようになったのは奈々瀬ちゃんのおかげだと思っています。最近では彼と付き合ってもっと彼に好きになって貰おうともっといい女になろうと思っています。それに以前は私自身の事をガラクタなんて呼んだ自分が恥ずかしくなってきました』
彼女は幸せなのだろうなと思った。
私も大介君に好きになって貰うため、もっといい女にならないといけないと思い始めた。
「なるほど、人は恋愛をしていく事で強くなって行くのだな」
と人知れず部屋の中で私は呟いた。
それよりも明日だ。
明日お小遣いを貯めて買った水着がある。それは白いワンピの水着だった。
明日は土曜日、きっとプールはこんでいるだろうな。それはそれで良いとして私は部屋の中で水着を着てみた。
中々良い感じだと思うのだけれどもな、これで大介君の気持ちにズキューンッと胸のハートを打ち抜いてやろうと思う。
★
そして次の日、私が待ち合わせ場所に到着すると、もうすでに大介君とマリちゃんと明君は集合場所の市民プールに辿り着いていた。
おかしいな、私十五分前には到着する予定で来たのにどうしてだろう?
「ゴメンみんな待った」
「私達もさっき来たところだから、大丈夫、気にしないでね」
とマリちゃんは言う。
「じゃあ、早速中に入ろうか?」
市民プールは一人小学生が四百円だ。すると明君と大介君は私とマリちゃんの分を払ってくれた。
「そんな悪いよ、二人とも」
私が言うと、
「良いのだよ。女におごるのは当然の事だろ」
と明君はかっこつけて言った。
マリちゃんと私は女子更衣室、男子の大介君と明君は男子更衣室、とりあえず、どこで待ち合わせるか四人で提案した。待ち合わせ場所は児童が集っている場所だ。そこは小学五年生まで遊ぶことが出来るのだ。私達はまだ小学五年生だ。
私とマリちゃんはとりあえず水着に着替えて、マリちゃんは赤いワンピの水着に着替えていた。胸は私よりも小さいが悔しいことにマリちゃんは私より十センチは高いのだよな。でも私、胸は大きい方だ。
「マリちゃん素敵、何か中学生の大人みたい」
「奈々瀬ちゃんだって素敵な水着に着替えているじゃない。その白いワンピ、凄く似合っているよ。胸もボインボインだし」
胸がボインボイン何て、男の子が言ったらセクハラ発言になりそうな事だ。
一方男子の方は、
「明君はあのマリちゃんって子にどうして付き合ったの?」
「そう言われると、何で付き合ったかと言うと、まあ色々と複雑な事何だよな」
そうだ。田柴が明に送るはずだった手紙を読み上げて、告った事になってしまったのだ。そんな複雑な心境を一重には語れないだろう。
「それで大介君は相沢のどこが好きになったの?」
「それは凄く思いやりのある子で、あの子の為なら僕は死んでも良いと思っちゃうくらい好きなのだ」
「おいおいおい、それは凄いな」
そう言って二人は、大介は黒いバミュータを履いて、明は白いバミュータを着て、待ち合わせの場所まで辿り着いた。
「あれ、まだあいつら来ていないみたいだな?」
「まあ、女の子は着替えに時間がかかるのだよ、明君」
「そんな物なのか?」
「そんなもんだよ」
そして五分後、マリと奈々瀬は待ち合わせの場所に辿り着いた。
「おう、待っていたよ」
「ゴメンね、お待たせしちゃって」
すると明君はスタイルの良い、マリちゃんの水着姿に釘付けだった。
大介君はと言うと私の姿を見て、直視出来ない感じで私の事、視線を反らしながら、どこか明後日の方向に向いていた。
「ねえ、大介君、私の水着姿どうかな?」
腰に両手を当てて、『どうだ』と言った感じで、私の水着姿を見せる。
「すすっすうすすっす、凄く、似合っているけれど、ちょっと目のやり場に困るよ」
もう一度私自身の姿を見てみると、そんなに私って色っぽいかな?と自負してしまう。
「とにかく、プールに来たのだ。存分に遊び尽くそうぜ」
明君が言って、私達三人は明君に続いた。
プールに滑り台がある。
私達は滑り台に滑った。
凄くスリルがあって楽しいと私は思う。
しばらく四人で遊んで、相変わらず大介君は私の水着を直視できない状態でいた。
本当にダブルデートって楽しい。
そんなこんなで私は明君と話し合い、マリちゃんは大介君と話し合う事になった。
「明君、マリちゃんの事好き?」
「ああ、まあ、好きだけど、一応キスまでは行ったかな?」
「ええ、マリちゃんとキスをしたの!?」
私だって大介君とはキスもしていないし、何か大介君私の事を本当に大切にしている感じがした。
「キスして凄くドキドキしちゃったよ」
「それはドキドキしないといけないよね」
私も大介君とキスしてみたいな、大介君とはキスと言うよりもホッペにチューをしたぐらいまで発展している。
「相沢はあの大介って言う奴とキスはしたのか?」
「していないね、ホッペにチューはしたことがあるけれど」
「ふーん、それよりも相沢は大介のどこが好きなのだ?」
「とても勇気があって、私に面と向かって告白したところから始まって、それで友達にはなってあげたのだけど、私達が変な輩に目を付けられたところ、大介君に助けられた事だけれどもな」
「へーそんな事があったのか?」
「明君はどうしてマリちゃんと付き合ったの?」
「田柴にその気持ちを知って、こんな俺に好きな奴なんているなんて思わなかったから、それで付き合う事になったのだよ。本当にあの時は凄くドキドキしたよ」
「そうだね、あの時は私がマリちゃんに明君の事が好きなら手紙でも良いから、書いてその思いを伝えなさいって、強引に手紙を書かせちゃったのよ」
「そうなのか?そう言えば、マリは相沢って何か隠している何かがあるような気がしているって言っていたけれども、いったい何か隠していないか?」
恋のキューピットの事だ。どこでそんな事を知ったのか分からないが、とにかくそれは誰にも秘密で大介君にも言ったことがない。
「な、何も隠していないよ。マリちゃんたまに勘違いをするときがあるからね」
「でもあいつ結構勘が鋭いぞ。何か隠していないか?」
「隠していないよ。マリちゃんの勘違いだよ」
「じゃあ、何で俺の目をそらすのだよ」
「反らしてないよ」
そう言って、私は明君の目をまじまじと見つめた。
一方、マリちゃんと大介君は、
「お待たせ大介君」
そう言ってマリは大介にジュースを渡したのだった。
「えっ!?良いの?」
「うん、今、奈々瀬ちゃんは明君とお話中だから、この事は黙って置いてね」
「うん。別に良いけれど」
「ところで大介君は奈々瀬ちゃんのどういうところに惚れたの?」
「それ、明君に更衣室でも聞かれたよ」
「そうなのか?で、何て答えたの?」
「奈々瀬さんはとても思いやりがあって、何か不思議と大人びた感じがあるのだよな」
「奈々瀬ちゃんは二回失恋した事があるからね。そのせいかもしれない」
「二回も失恋しているのか奈々瀬さんは?」
「うん。それに大介君は気がついていないかな?奈々瀬ちゃん、私達に内緒で何かやっているのを感じている」
「俺もそう思う、奈々瀬さん。何か僕達に内緒で何かやっているような気がする」
「大介君もそう思ったの?」
「何を隠しているか分からないけれども、それは別に疚しいことじゃないのは確かなのかもしれないけれど、もしそれを知ったら、奈々瀬さんは困惑すると思って黙っていた」
「何を隠しているんだろうね」
「僕達が知ったらちょっと困るような感じであまり触れていないけれど」
「大介君は奈々瀬ちゃんとどこまで行ったの?」
「どこまでって、ホッペにチューくらいだよ。いつも奈々瀬さんと遊んで帰る時に、僕のホッペにチューして来る」
「私達なんか、もう唇を重ねちゃったよ」
「えーーー!」
と驚く大介。
「そんなに驚く事なのかな?」
「僕達はまだ小学生だよ。ちょっと常軌を逸しているような感じがする」
「大介君の考えがたはもう古いよ。聞く話だと、小学生で最後まで行っちゃった人も中にはいるのだから」
「えーーー!マジで!」
「そんなに驚く事なのかな?もし奈々瀬ちゃんに最後を求められたらどうする?」
「僕達にはそんな話は早いよ。とにかくそう言う事は結婚してから出ないといけないような気がする」
「大介君ってキリスト教にでも入っているの」
「別に入っていないけれども、その言葉には驚いたよ。もう最後まで行っちゃった人も小学生の中でいるのだね」
「本当はいけない事なのかもしれないけれど、小学生同士なら別に良いじゃない?」
「小学生同士なら良いなんて、そんなの良くないよ、不純異性行為に抜擢されてしまうよ」
「本当に大介君は今時古いのだね」
「古くないよ。女性の貞操を小学生の内にとっちゃう何て、どうかしているよ」
考え方の古い大介君でした。