1ー1
目が覚めたら壁だった。
あれ?こうゆう時は森の中とか知らない天井がテンプレじゃなかった?
ん?テンプレってなんだ?
あー天ぷら食べたい!
ん?天ぷら?揚げたての海老がプリッとしたのを塩で!あーでも、天つゆも捨てがたい!
天ぷらが何かわからないけど、そんな事考えてたらお腹が、
きゅるるぅ
と、可愛くなった。決してグルルギュオ〜と耳に入ってきた音とは違う。
女の子のお腹からはきゅるるぅって可愛い音しかならないもん。
お腹の訴えを無視したら可哀想だから、さぁ起っきよ!待っててね〜今美味しいの入れてあげまちゅからね〜!
起こされる前に起きた!
あら、わたち自分で起きれるなんてお姉さんになった!
モコさんがくる前に着替えも終わってたらビックリするかも!
小さな子供にとっては高いベットから、とぅっと飛び降りた。ん、流石わたち、着地も満点!
クローゼット前にきて背伸びしながら扉を開ける。でも、開けたはいいがハンガーまで届かない事に気づいた。椅子を持ってくるのも重いしな、ここはひとつ魔法使っちゃお!
まだ1人の時に使ったらダメって言われてるけど、自分から朝起きられるお姉さんになったんだから、まぁちょっとはいいだろう。
それでも小心者のわたちはキョロキョロと周りを見て誰もいない事を確認した。
いや、夜明け前の寝室に誰かいたらそれはそれで怖いけど。
ふよよぉっと体が浮き目当ての服をとる。あ、靴下もだ。
手に着替えを持ち、絨毯に足をつける。
やだ、凄いドキドキする!悪い事をした悪党ってこんな感じなんだなぁって思った。
ソファに着替えを置こうと移動するのも何故か抜き足差し足忍び足。
証拠隠滅とばかりに素早くガバッと男前にネグリジェを脱ぎ、スポッと法衣を着る!ソファによじ登って靴下を履き、これまたとぅっと着地し、カッコいいポーズを決めた時、
ガチャっと扉が開いた。
入ってきた人と目が合った。そう、目が合った。ポーズをとってた腕を下ろし、まずは朝のご挨拶。
そうね、挨拶は人として大事だからね!
そして何事もなかったかの様に
「モコしゃんおはようごじゃいます。」