2ー3
開かれた扉の先には40人程のお爺様や、おじ様、お兄さん達がいた。
ヒィ!ヤダ!こっち見ないで!
助けてモコさん!繋いだ手に思いっきり縋る!
これ、歩いてたら両手両足揃ってた!
あ、でも、良く見たら半分は会った事ある。
おやつ一緒に食べた事あるお爺様達だ!
ちょっとだけ気分が上がった。
ほんのちょっとね。
そして、知らないおじさん達から、2人近付いて来た!
うおっ!
「良く来てくれたね。
私はこのフォース王国のグレイおじさんだよ。
こっちはもう挨拶したかな?ガーナおじさん。
よろしくね。」
挨拶が終わると、また2人づつ出て来て、
私達はサイジェスト王国の〜
私はエルシア帝国の〜
と、いった具合に、初対面の人全員に自己紹介されたけど、いっぱいいて覚えられない!
どうしようと思った時助け舟が!
「やあ、ルゥちゃん。お爺ちゃんは覚えているかな?」
と、見知った顔に声を掛けられた。
「あい。トムじいちゃまおぼえていましゅ。」
「嗚呼!嬉しいよ!久しぶりだね。又、会えて嬉しいよ。ここに居るおじさん達は徐々に名前覚えればいいから安心してね。」
って言ってくれた。
隣のモコさんを見上げると、慈愛の微笑みで頷いてくれたので、自己紹介してくれた人に、
「ゼロ ルゥティシアでしゅ。
よろしくおねがいしましゅ。」
い、言えたよ!お姉様出来たよ!
今度は間違えずに挨拶出来たよ!ユー君!
もう、頑張ったから帰っていいよね⁉︎
え?そうはいかない?
分かってるよ!思ってみただけだもん!
きちんとご挨拶出来て偉いね。
じゃあ、立ってるのも疲れるから座ろうか。
お菓子もあるよ。なんて言ってソファに座らせてもらった。
同じソファの両脇には、勿論モコさん。片側には聖霊島から一緒に来た最年長のデン爺様が座った。
他の人も、丸いテーブルを囲んで、ぐるりと円になるように座り、初対面の人達は皆対面する形で椅子に座った。
大人数だが何とか座ると、ドアからワゴンを押してお茶が運ばれて来た。
私の前にはジュースを置かれたので、出してくれた人にペコリとありがとうを伝えると、微笑んでくれた。えへへ。
さあ、遠慮しないで、どれ食べる?
あ、これ今人気があるんだって。
なんてお爺様方言うけど、え⁉︎この状況でなんて無茶を言わないでおくれよ!
なんて思っていたけど、目の前のキラキラしたケーキが私を食べて!と、誘ってくる!
どうしようどうしようと、迷っていたらモコさんが、私も頂こうかしら。
ルゥ様もいかがですか?と声を掛けてくれた!
食べた事ないけと、何処かで見た事フルーツだったので、取ってもらったケーキを見ていると、これは苺と言う果物ですよ。と教えてくれた。
甘酸っぱくて、美味しい!
「しゅるべににてる!おいしい!」
ケーキを堪能している間に、初対面の人達に他にどんな物がすき?とか、これは桃っていう果物だよとか、そのジュースはねって色々話し掛けてくれたので少しづつ慣れてきた。
1つケーキを食べて満足していると、
「頭に着けているお耳、凄く可愛いくて似合っているね。何の動物なのかな?」
って、確かロノフ王国のエリックおじさんだったかな?が、聞いてきた。
よくぞ聞いてくれました!
「これはレイくんとおしょろいで、モコしゃんにちゅくってもらいました。」
もじもじしながら答えると、
「レイ君?は、立派な黄金色をしているんだね。
とても綺麗な色だ。」
「あい。レイくんはおなじいろで、しゃんぼんのしっぽもあるでしゅよ。
ふっしゃふっしゃで、とってもきもちいいんでしゅ。」
と、答えると、
「んん?尻尾が三本もあるのかい?」
「あい!」
レイ君凄いぞアピールをしていると、隣のデン爺様が、
「レイ君とは、ミュラージェット様の事です。この子にはレイと呼ばせている様で、
人型になった時に、この様な耳を頭につけ、三本の尻尾があります。
お揃いのが欲しいと言うので、出来るだけ似せた色で作った渾身の物ですぞ!」
お爺様方、本当レイ君大好きだなぁ。
また興奮し始めてる。
「レ、レイ君とは、ミュラージェット様の事だったんだね。
い、いやあ、そりゃあ立派な黄金色だねえ。」
この様な色をされてるのか。
尻尾が三本とは本当の事だったのか。とか言ってる。
そうです!レイ君の耳と尻尾は凄く可愛いのです!
と、レイ君の話題で、和やかに過ごす事が出来た。
そして、今日の本題、ステータスの確認をする事に。
1人のお兄さんが、大きな紫の水晶を目の前に持って来た。
「この水晶は、とても特別な物で、魔力を注ぐと文字が浮かんでくるんだよ。
でも、本人しか見れないんだ。
文字は読めるかな?」
ん?この水晶何処かで見た事あるぞ?
んー、何処だっけ?
と、うんうん考えていると、
「大丈夫?文字は読めるかな?」
ちょっと待って、あと少しで出てきそう。
ここまで出てきてる。
何も答えないでうんうん言ってると、モコさんが
「ルゥ様、この水晶がどうかされましたか?
安全な物ですから大丈夫ですよ。」
って言ってきたから、違うよ、そんな事じゃなくて、
「ちがうのモコしゃん。このしゅいしょう、どこかでたくしゃんみたことがあるの。
しょれがどこだったか、おもいだしぇないの。」
うんうん唸っていると、周りの人はハッと息を呑み、答えが導き出されるのを待っていた。
「私がお供させて頂いた時ではありませんから、
それですと、ミュラージェット様と行かれた湖か、心眼の時でしょうか?」
あっ!流石モコさん!
「しょうだ!しょうだよ!モコしゃん!
しんがんで、しまのなかみてたときに、いっぱいみちゅけたんだ!」
嗚呼スッキリしたーって気持ち良くなってると、周りが、静まり返ってる事に気付いた。
ほえ?何かありましたか?
落ち着いた声で、モコさんが、
「まあ、思い出されて良かったですね。
その、水晶は何処にあったか皆にも教えてもらってよろしいですか?」
勿論だよ!綺麗だもんね、皆んな見たいよね!
「んとねぇ、しぇいれいじゅのふもとにある、いじゅみのまわりだよ。
モコしゃんが、いじゅみのまわりのこけが、よるになると、ひかるっていってたからしんがんで、みてみたの。
どうして、ひかるのかなっておもって、こけみたけどふちゅうで、じゃあちゅちかなって、ちゅちのなかみてみたらあったの!
いっぱいきれいなのがあって、しょれでこけはひかってるんだよ!」
言うのすっかり忘れてた!
得意になってモコさんに伝えていると、
「こ、これは大発見だ。歴史を変えるぞ!」
「でも、聖霊樹の麓を掘り起こすのはマズイのでは?」
嫌、でも、なんて周りで話しているから、
水晶を持って来たお兄さんに、
「おにいしゃん、わたし、もじよめましゅよ。」
って遅くなったけど伝えた。
お兄さんさんも、何やら動揺してるみたいだった。
「じゃ、じゃあ、あ、あの、水晶に触れて魔力流してもらっていいかな?
出てきた文字を読んで教えてね。」
周りの人が見守る中、恐る恐る触れてみる。
あ、これ何かわかる。あれとか出来そう。
と思いながら魔力を流すと、中がきらきらして文字が浮かんできた。
ん?んん?
首を傾げている私に、
「どう、読める?自分のステータスが書いてあると思うんだけど、読み上げてもらってもいいかな?」
頼りのモコさんを見上げ、もう一度水晶の中を見る。
んん?って更に首傾げるが、取り敢えず読み上げる?
「えと、えと、あの、かいてあるのよめばいいんでしゅよね?でも、あの.....」
どうしようと考えてたら、隣のモコさんが、背中を優しく撫でてくれながら、
「大丈夫ですよ。何かするにしても、作るにしても、魔力量が大事になりますから、魔力量だけでも読んで教えて貰ってよろしいですか?」
え、これ読むの?いいの?
でも、モコさんが言うならと、もう一度見上げたモコさんから、水晶に視線を戻す。
「えっと、
『しんあいなる、ルゥしゃま。
まりょくりょうはたくしゃんあるから、もんだいなく、あんしんしてちゅかってね。
まほうと、しゅきるも、じぇんぶちゅかえるようにしてあるよ。
でも、まりょくはなるべく、たくしゃんためておいてね。
しょうごうは、めがみのしととでも、いっておいて。
しょれと、しゃっきはなしてた、しゅいしょう、少しくらいなら、とってもいいよ。
とるときは、ルゥがいじゅみにおねがいしてみてね。
たいへんだけど、ちからをあわせて、のりきって。
ルゥは、ほこらにぴあすがあるから、みにちゅけておいて。
ほかのこたちも、しょれじょれ、できることをして、のりきって。
このままいくと、17年ごの、あきからふゆにかけて、まもののわきが、ぴーくをむかえそう。
しょれまでに、できるだけのことをして、しょなえないと、しぇかいはまものに、のまれてしまう。
みまもるだけしかできない、ふがいない、わたしをゆるして。
てぃあーしゅ』
ってかいてありましゅけど....」
この手紙?がステータスなんですか?