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皆んなお仕事大丈夫なのかなぁってわたちが心配するぐらい代わり番こに来ては、こんな事は?あんな事は?いやこんなのは?っていろんな事言ってくるが、やってみないとわかりませんよ!
色々言われて頭がいっぱいになってしまったが、そこはわたち以上にわたちをわかってくれているモコさんが一旦止めてくれた。ありがたやあ。
2人きりになってルゥ様はどうされたいですか?と聞いてくれた。ルゥ様がやりたい事をお手伝いしますよ。って。
だからモコさん大好き!一生ついて行きます!
思わず抱きつき頭をぐりぐり押し付けた。
「んと、けっかいできりゅようになりちゃい!
おいちいおしゃかな、いっぱいちゅかまえりゅの!
あとは、まりょくたくさんふりょふりょとばしゅたい!
あとは、あとは、じゆうにとんでみたいし、
かぜもぶんぶんしてみちゃい!」
モコさんの足に抱きつきながら、いっぱい自分のしてみたい事を伝えた。
そんなわたちの頭を優しく撫でながら、しゃがんで目線を合わせ、慈愛の微笑みで、
「まあ、まあ、沢山やりたい事が見つかりましたね。素晴らしい事です。
それでは、このモコと一緒に考えていきましょう。」
もう、大好き過ぎる!
「あい!」
それからは主にモコさんと一緒に考えて、お茶飲み友達とは、おやつタイムに報告、相談をしている。
その際に色々アドバイスやアイデアをもらって、週に一度のお茶会が毎日行われ、参加人数も増えてしまったのは言うまでもない。
皆んな未知の魔力の使い方にワクワクしているようだ。元々見識者、有識者の集まり。
アイデアが出るわ出るわ。
それをモコさんと一緒に安全を考えながらやっていく。
凝縮された魔力では、少しの量で凄い効果が出るからだ。
皆んなの助言もあり、モコさんと二人三脚、試行錯誤しながら楽しく出来た。
ただし、飛行で飛び回るのまだ危ないから辞めておきましょう。と、その代わり飛行に慣れるように移動の際はずっとふよふよと浮いて移動している。
少しだけモコさんと目線が近くなって嬉しい!
ユー君と会った時に、浮いてるのが面白かったのか、キャッキャと笑ってくれた!嬉しい!
この楽しさを分かち合いたい!と、思いついた事を、皆んなに相談して魔石に風魔法を付与して、伝導率?なんかも考えて、小さなベビー車を作った!
もちろんベルトも付けて、柔らかなクッションで椅子を覆って安全第一!
軽く浮くだけだけど、上下に動かしてあげると、とても喜んでくれた!
これは売れる!って皆んな言ってた。
ユー君はコンティユーっていうんだけど、なんか、どんどん何かをあげたくなっちゃうんだよね!
ベビー車に紐を付けて一緒にお散歩もしたよ!
ユー君も嬉しい、わたちはもっと嬉しい!
沢山のお人形にも付与した魔石を付けて、飛ばしたり、回転させたり、ぴょんぴょんさせたりして見せてあげた!
魔力操作の練習も兼ねて、ユー君も喜んでくれる一石二鳥のお遊びだ!
遊んだ後は結界魔法で一纏めにして、浮かせてお片づけ!
どう⁉︎こんなお姉様は大好きになるしかないよね⁉︎
モコさんと皆んなと、主にユー君のお陰で楽しく色々出来た!
これからもユー君の為に喜んでくれるもの沢山作るよ!
わたちユー君のステキなお姉様だからね!
浮かんだままくるくる回っちゃう!
そんなこんなで楽しく過ごしていたら、あっという間に冬が来た。
寒い日は自分と周りの人に結界魔法で囲ってあげたりもして過ごしていたんだけど、冬になったのにレイ君が来ない。まだ忙しいのかな?
そして、冬の半ばやっとレイ君が来た!
因みにレイ君のお耳が羨ましくて、モコさんに相談してお揃いの耳が付いたカチューシャを作ってもらった。
これも早く見せたかったんだぁ!
「やあ、やっと逢いに来れたよ。
色々楽しかったみたいだね。偶に思考を読ませてもらってたから何してたか知ってるよ。
耳も似合ってる。凄く可愛いよ、お揃いで嬉しい。」
極上の笑みだ!
久しぶりの再会で、この人外の美しさを忘れていた!
でも、レイ君はレイ君だ!
似合ってるって!お揃いにして良かった!
因みに服も似ている。レイ君はわたちと同じような法衣を着ている。
わたちのは真っ白の服に、黄色の簡易帯、所々金と茶色と緑と赤の糸で可愛い刺繍が施されているが、苦しくないように、帯も縫い付けてある簡易ワンピース型だ。スポッと着れるが、レイ君のはちゃんとした法衣だ。緑色の服に金糸を帯びた大きな茶色の帯が、腰から肩、足下まで覆っていて、全体的に神々しい。
わたちとレイ君の法衣が他の人と違うのは、帯の巻き型。
まぁ、わたちの巻くというよりくっついてる。皆んなの帯はお腹だけしか無いけど、わたち達のは太く、肩を回って足下迄ある。
それと、腕の下が長いのだ。パタパタすると鳥みたい!くるって回るのも好き!
ぎゅっと抱きついて嬉しさを伝えた!
「レイくん、あいにきてくれてうれちい!
いっぱいいっぱいみんなと、れんちゅうちたんだよ!とってもたのちかった!」
全身で嬉しさを表現した。
「頑張ったね。ゼロが楽しそうにしている事が伝わってきて、僕もうれしかったよ。
皆んなも、ゼロに協力してくれてありがとう。」
そう。何を隠そう、突然の訪問で、わたちたちは
いつものお茶会という名の報告、意見交換会をやっていたのだ。
再会が嬉しくて皆んないるの忘れてた!
後ろを振り返ると皆んなお祈りの体制になってた。
一人、一番のお爺様が、震える声で、
「再びお姿を拝見出来、光栄の極みにございます。」
と。
あ、そういえばレイ君超レアキャラだった。
普通に可愛い耳と尻尾付いた優しいお兄ちゃんだと思ってた。
「ん。どうか畏まらないで、いつも通りにしてもらった方が嬉しいな、皆んなにはゼロがお世話になっているんだし。」
エヘヘ。
そうだよー皆んなには何でも相談出来て、良い意見が聞けて、楽しい事一緒に考えてくれる大好きな人達なんだぁ。
「あ、ありがとうございます。
お言葉に甘えさせて頂きます。
此方こそゼロ様にはこの年になり、夢中にさせられる事ばかりでございます。新しい事の発見と挑戦で、毎日楽しい日々を過ごさせて頂いております。」
うん、うん。毎日楽しいよねぇ!
「ありがとう。そう言ってもらえて安心したよ。」
此方こそ。と、感激して、また膝を着きそうになった所で、
「遅くなってごめんね。正直、秋は休む暇も無い程忙しくてね。
実りの季節だから作物にも聖力送らないといけないのに、最近はどんどん森に盗られちゃうからね。
魔物が増えて大変だよね。」
と、特大の爆弾を落とした。
「そ、それは、ど、どういった...」
「ん?知らなかった?
聖霊樹から地脈に流れる聖力が森に吸い盗られちゃってるんだよ。
だから魔物の湧きが収まらない。」
「そ、そんな.....」
知らなかった。じゃあ聖力止めない限り湧き続けるってこと?
「ゼロ、聖力止めちゃったら命が生まれないよ。」
おっと、思考を読まれた。
「しかも今年の秋は大量に盗られたから大量に魔物が産まれるよ。」
連続投下の爆弾に皆声を失う。
「そ、それでは、
わ、我々はど、どうしたら.....」
「何故か森がこの数百年、聖力を欲しがるんだ。
聖力を止めるとなると、何の命も生まれなくなる。
人も、動物も、作物も、ナノも、全て。
土の命が消えたら人の生きていける環境ではなくなる。
人だけでは無い。全ての生き物が生きていけない。
文字通り、この世界の死だ。」
「正直、聖霊樹が植えられてから聖力を止めたことがないから、聖霊樹だけが無事で、世界を再建出来るかも賭けでしかない。
人には酷だけど頑張ってもらうしかないんだ。」
何で魔物が増え続けているか不思議じゃなかった?
なんて言われても、では、どうすれば?
しかも、これからもっと増えると言う。今迄も大変なのに....
滅びる運命なのか.....
ーーー絶望感に呑まれそうになるーーー
嫌、違う。
協力し合えば新たな策も生まれる。
今迄以上に頑張ればいいのだ‼︎
こうしてはいられない‼︎
「ゼロ。君の力は皆んなの助けになる。
自分がしたい事をやってごらん。必ず皆んなの助けになる。
暫くは逢いに来れないけど、心は繋がっているからね。どうしてもという時は僕を呼んで。」
君は今迄通りでいいんだ。
器に魔力を貯める事忘れないで。
大好きだよ。って抱きしめて消えてしまった。
レイ君。わたちも大好きだよ。
頑張って練習するからね。
それからは大変だった。怒涛の意見交換。
わたちは少し離れた所でモコさんに誓う。
いっぱい練習して皆んな為に頑張る!
だからモコさん、これからもよろしくお願いします。