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第二話

ボクが奴隷になって一年くらい過ぎた。


今もあの時と同じ奴隷商のところにいる。これまで売れなかったと言うわけではなく、売られた後に売り戻されただけ。


正直、奴隷がここまでやばいとは思ってなかった。


ここ一年で色々なものを失った。


まず、一人目のご主人様のところで傷だらけにされ、両腕を失った。


ご主人様は拷問好きで、ボクを痛めつけては治し、また痛めつけては治しを繰り返された。


ご主人様のところには凄腕の治癒魔法師がいて、奴隷が入ると絶望させ、屈服させるために四肢を切って、また生やすと言うことをしていた。


なのに、ボクは治癒魔法の効きが悪く、腕を切られた後に治癒魔法をかけられたけど切られたところが塞がるだけで腕は生えてこなかった。


ご主人様はそれを気にしてか鞭などのあまり傷がつかない物で拷問してきた。


ご主人様はどれくらいで精神が壊れるのか試してたみたいで、死ぬかと思うとギリギリでやめたり、気絶してもすぐ痛みで起こされたりした。


そんな日々が半年間続いた。けど、手加減して拷問するのがめんどくさくなったのか何もしてこなくなって、最後には売り戻された。

売値は買値の4分の1の100万テソだった。


そして、二人目のご主人様のところでは、目を失った。


売り戻されてから四ヶ月経ったころ、深いフードをかぶった大柄の男が来た。その人は急にボクをガン見してきて


「いい目をしている。こいつをくれ。」


と言ってボクを買った。


その時ボクはいろいろあって(今もだけど)死んだ魚の様な目をしていたはずなので不思議に思ったが、ご主人様の家に入ると理由がわかった。


その時のことを思い出すと今も震えが止まらない。だって家に入ったら至る所に目、目、目。瓶に入った眼球がずらりと並べられていた。


そこでボクは両目をくり抜かれた。物凄い激痛で意識を失って、意識が戻ると元の奴隷商の所だった、と思う。匂いや空気が全く一緒だったから間違い無いと思う。


こうしてボクは両目と両腕を失った。普通ならこの時点で処分されるのだが、処女ということや、顔(目以外)に傷がなかったことで、処分されなかった。別に処分されても良かったのだけど。


まあ、ボクの予想では次は『また変に人に買われて両足と処女を失う』ことになると考えている。


と、何度目か分からない回想と予想をしていたらお客様が来たようだ。一応、音でどの辺にいるのかはわかるし、なんとなくだけど、どこを向いているのかも分かるようになった。


お客様は何故か奴隷達を順番に見ているようだ。普通はお客様の要望にあった奴隷をお客様の前に連れて行くのだけど、冷やかしなのだろうか。


周りの奴隷達は必死にアピールしている。当たり前だ。奴隷は何年も売れなかったら今よりもっとひどい扱いになり、最後は処分されるからだ。


ボク?ボクはもういいよ。死にたいわけじゃないけど生きる理由もない。


お客様は順番に見ていき、ボクを見て立ち止まった。


「・・・すごいな。この娘ください。」


どうやら次のご主人様はこの人のようだ。ボクの予想は当たってるかな?次は何を失うんだろうなぁ。


因みに、ボクの値段は20万テソ。最初の値段の20分の1だった。



♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



・・・宿についた。おかしい。なんか違う。このご主人様はなんか変だ。ボクのことを蹴ったり引っ張ったりしない。それどころか


「大丈夫?ちゃんと歩ける?」


なんて言ってきた。不思議だ。なんでだろう。もしかして皮肉か?ボクが目が見えなくて周囲がわからないのを知っての皮肉か?

その後もずっと(多分)心配そうな目で見てきたし。傷がつかないかの心配だと思うけど・・・やっぱりよくわからない。



♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



部屋に入るとご主人様が口を開いた。


「えっと、もしかしてだけど、俺嫌われてる?」


「・・・へ?いえ。そんなことはないですけど。」


何を言ってるんだろうこの人は。物の機嫌なんて気にしなくてもいいのに・・・。意味がわからない。


「あと、ずっと目を閉じてるけど、どうしたの?盲目?」


「え?あぁ、はい。前のご主人様に眼球を取られたので。」


「え?!あ、そうなんだ。なんかごめん。」


???なんで謝るんだろう。本当に意味がわからない。


「じゃあ、もしかしてその腕も、、」


「はい。2つ前のご主人様に切られました。」


「あぁ、そうなのか。酷いことをする人もいるんだな。」


よくわからない。ご主人様は何がしたいんだろう。物の機嫌を気にして、何もしてないのに謝って。


「あっ!そうだ!これ飲んでみて?」


ご主人様は急に叫ぶと、何かを取り出した。

音からするに、液体の入った何かのようだ。


なるほど。腕、目と来て次は体か!多分薬品の実験だ。飲んだら死んだりするのかな。飲みたくないな〜。別に自分から死ににいきたいわけじゃ無いしなー。


なんて考えてもボクは奴隷。命令なら逆らえない。だから確認。


「それは命令ですか?」


「え?えっと、そう!命令だ!」


どうやら命令らしい。

ボクは渡されたそれをくわえて一気に飲み干した。

次の瞬間体に激痛が走った!

 

「うあああぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」


やばい!痛すぎてまともな思考ができない!何が起こってるの?!何かが生えるような!そこに感じたことのない痛みが!あ、やばい、意識が、、、

気がついたら誤字報告や、文がおかしいなどを指摘してもらえたら嬉しいです。もちろん感想を頂ければ作者がすごく喜びます。

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