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久しぶりの仕事で舞い上がってました。

主人公の暴走癖がうっすら出てきます。

「ハル……さん?様?」

「呼び捨てでいい。」

「了解。」

 ということは口調も普通でいいよね。

「貴族様だからどう接したらいいのかちょっと悩んだよ」

「普通でいい。」

 そんな会話を適当にしながら歩き、鉱山に着くと、あちこちに人が横たわっていた。

「今日の犠牲者です。」

「今日のって……多いですね……」

 私は、触れる事で、彼らの体をスキャンする。

 意識不明の原因は、頭部に強い衝撃が加わったことのようだ。

「意識のある人は?」

「ああ……あのあたりに数人だけいるよ。」

 その人たちも頭にけがをしている。

 殴る側の嗜好だったりするんだろうか。私の知ったことじゃないが。

「大丈夫ですか?」

「だ、駄目だ……おれ、お化け苦手なんだよ……」

「お化け……」

「なんか、うっすらとだけ見えたんだけど……おぞましい姿の怪物が、皆を殴ってるんだ。けど、皆それが見えてないみたいで……」

「ふうん?で、最初の犠牲者たちはどこかにいるの?」

「いや、意識がある奴はみんな家に閉じこもってる……」

「何か言ってた?」

「さぁ……あいつら、お化けとか妖精の類を信じてなかったから……ショックだったんだろうな……」

 信じてなかった、軽んじていてもおかしくないよね。

「やっぱりあれだと思うんだよな……」

「あれ?」

「うん……ちょっとボタ山見せてもらおうっと。」

 私は捨てる鉱山資源の前に立って手を添える。

「ハル、これ、できるだけ内緒にしててね。」

 私は、それらを魔法で熱した。その中から鉄と思われる成分を抽出して、塊にする。

「お、結構取れるじゃん。」

「ま、魔法……?」

「うん。だから内緒にしてて。ばれて困ることもないけどさ、ほんとに貴族の妾かもとか言われたらめんどくさいし。」

 ボタ山から、かなりの大きさの金属の塊ができた。

「本が正しければ、これでいいんだけどなぁ……まぁ、行ってみるか。」

「は?おいちょっと、一人で完結するな。」

 私は、ハルの質問に答える。

「鉱山の動物でね、コブラン、って呼ばれるゴブリンの仲間がいるんだ。実際にあったことはないから知らないけど、多分金属とかが好物だから住んでるんだと思うんだよね…」

「それで去るように説得しようと言うのか?」

「まぁ、そうなる。今回、最初に襲われた人たちは、妖精とか信じないたちだったから、コブランのいるところで、何か言っちゃったんだろうね。あと、コブランって、人間には基本見えないんだ。体内にある魔力を調整して、多くの人間には見えなくさせる性質があると言うか……」

「そんなことができるのか。」

「基本的には全ての動物がそうだと思う。ほら、精霊っているじゃないか。あれが見える人間が貴族でも限られているのは、彼らが魔力を高めて、私たちに見えないようにしているからなんだ。」

「それは、何の知識だ?」

「ノームの研究報告とかを見たんだ。」

 はっ……口がすべった。

「……本が好きだけど買うお金がないから、図書館で立ち読みしてるだけなんだけどね……」

 誤魔化せたかな。わからないけど、下手にずっと取り繕い続ける方が不審だろう。

「……で、魔力が微弱にある人たちはああやってうっすらとコブランが見えてたんだと思う。」

「醜いのか……」

「見た目で判断しちゃダメな動物の一つだけどね。だって、壁をたたいて鉱脈の位置を教えてくれたりするらしいし。」

 でも確かに見た目は、妖精とかいうより、悪魔だ。色も金属っぽい。

「いいとこの坊ちゃんってことは、魔力は多いんだよね。たぶん見えると思うから、グロテスクなのが苦手だったら言ってほしい。」

 言いながら私は鉱山に足を踏み入れた。

 壁に立てかけえられたランプがゆらゆら揺れている。

「此処の鉱山の歴史は古いらしいからな。おそらく、作業してたのはもっと奥だ。だから、もっと早く進んでもいいだろう。」

「え、ちょっと、気をつけないと……落盤するかもしれないし……」

 ハル、意外にやんちゃだった?

「でも、走ったら体力を消耗するし、この中、日の光もないから寒い。あまり無理したら、駄目だ。」

「……分かった。知識の面では、もうセレスに任せる事にしよう。」

 大人しく並んで歩いてくれる。

 ……そう言えば、私より先輩らしいけど、一体何歳なんだろう……。

「……」

「……」

 話していても体力を消耗するだけだから、話さない私たち。

 幸いそういったことに気まずさを感じない質だったため、そのまましばらく歩くと。」

「……あれ?」

 鉱山内に、水がわいていた。

「……もしかして、掘り過ぎて、近くのダンジョンに繋がっちゃったのかなこれ……」

 掘った跡も入り口付近と比べて新しい気がするし、足跡も少ない。

 ちなみにダンジョンは、なぜか定期的に動物が発生する場所だ。

「……ダンジョンの存在を知らなかったのかな……確かダンジョンが危険で、冒険者や、騎士などが、何か大切な用事があるとき以外立ち入らないようになったはずなのにな……」

「それは、どこの話だ?」

「え?」

 振り返ると、ハルが私を険しい顔で見ていた。

長いと思ったのでいったん切ります。

よんでくださりありがとうございます!!!

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