合格したらしいけど、それが良かったのかすでに疑問に思い始めてしまった件について……
久々に投稿ができた……
もうすぐ学校が始まるっていうのに……
課題に追われて何もできなかった……
頑張ります……
騎士団の一人が、あっさり負けようとしている。
「はは、凄いではないか。あの小僧。」
「すごい、じゃないですよ。うちの団員が殺されそうなんですけど。あんな人間を近くに置くのですか?不意打ちなんてされたら、ひとたまりもないですよ。」
冷や水を浴びせるようなことを言う。
俺は騎士団長を睨んだ。
「殺されそうならば、お前がとめてこい。あれは、お前のところの団員が喧嘩を売りに行っていただろう。」
…場をドン引かせているのは、紛れもなくあの小僧だが。
「……分かりました。」
騎士団長は、すごすごと去って行った。
それでいいのだ。
「っ!!」
突如目の前に現れた男によって、私の剣は防がれる。
「試合終了!!」
その男の声によって、はっと我に返る。
「……理性が戻りましたね。」
「……っあ、の、その、すみません……周りが見えなくなっていて……」
こんな人間、どんなところでもお断りだろう。
昔からそうだった。私は、何かにはまるたびにそうやって他の事が目に入らなくなって、周りに迷惑をかける。
あんなに頑張ったのに、とか、言う資格なんてない。それ以前の、もっと大切なことが判っていなかった。
だから、妹ばかりが愛された。暗部の人たちだけだった。私を可愛がってくれたのは。
あの人たちは、特殊な部類であったと理解している。私みたいな人間がいくら頑張ったところで愛されたりなんてされないのが普通だと言うのに。まだ、私は愛されることを望んでいるのか。
理解しているのに暴走するなんて……
「っ……こんな人間、在籍させておけないですよね……」
「あーあー泣かないでくださいよー」
「すいません……」
「まぁ、安心してください。とりあえず合格ですから。」
「……え?」
色々頭から吹き飛んだ。
「とあるやんごとなき方が君をご指名なんですよ。それに、うちの騎士団、結構変わり者がいるから。」
「え、あ、えっと」
「ま、詳しくはまた、連絡が行くでしょう。よろしく、後輩。」
「あ、えっと、はい……」
私は、あ、とか、えっと、とかしかいうことができず、呆然としていた。
……合格?
しばし考え込む。
私みたいに、暴走するような、集団に属するには欠陥だらけの人間が?しかも、結構いる、だと?
本気で大丈夫なのかこの国の騎士団は……。
……まぁ、私は、城に上がって妹を〆れば満足だし……。
「よろしく、お願いします。」
私をとめてくれた人は、ニッと笑った。
その後、私に喧嘩を売ってきた人に何かを耳打ちしていた。その人が顔面蒼白になったことから考えると、優しいだけの人ではないんだろうなと思った。
彼が副騎士団長だと知ったのは、その後のことだった。教えてくれたのは、件の妹の事が好きな団員さん。
あんな目に合わされたと言うのに、ケロッとして私に接してきた。
あの耳打ちのせいかもしれないが、あれだけ顔面蒼白になっておいて、そんなことはないだろう。
変わり者が多いと言うのは、こういう事か、と思った。
「私が変わり者?」
「ああ。」
「何を言っているんだ。私ほどまともな人間なんていないぞ?」
「まともな人間は、コテンパンにやられた相手にフレンドリーに話しかけたりなんてしない。」
「そのうち勝てばいい話だ。ハハハ!!」
変わり者って、自分では変わり者だなんて思ってない奴ばっかりだなぁ、とその時は思っていた。
騎士団にいる『変わり者』は、私の予想の上を言っていたのだった。
ちなみに、妹のことが好きな団員さんは、名前をアルフレッド・サティスファイというそう。
……常に満足していそうな名前だ。子爵家の次男らしいが、私には愛称で呼ぶことが許された。
試験の終了を宣言された私たちは帰路に就く。私は、とっていた宿に帰り、ベッドに身を投げ出した。
そして、そのまま、眠りに落ちて行った。
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