再び相談しました
休みの間に全然投稿できないという……
すみません
陛下の様子……
本当に大丈夫なのだろうか。
「はぁ……」
「どうなさりました?」
「あぁ、いえ……すみません。」
夫人とのレッスン中だったにもかかわらず、嘆息する。
「今日はやめましょう。技術は相変わらず完璧ですから……それよりも気持ちがどこかへ行ってしまっていますね。」
「わかりますか……すみません」
ひたすら小さくなるしかできない。私は先日のことを話した。
すると、途中までワクワクとした様子だった夫人は、最後に陛下が気絶したのを聞くと、うつむいて震え始めた。
私にお怒りなのかとも思ったのだが、どうも様子がおかしい。
「陛下っ……まさかそこまでウブだったのですね……!!」
「うぶ?」
「いえ、こちらの話です。私が教えるべきではありませんね。だとしたらこの後の動きは……」
夫人の意識はどこかへ行ってしまっているようだった。
しばらくして、『私にはやるべきことがありますので!』と意気揚々と帰っていかれた。
レッスンの続きは良いのか、と思っていると夫人の侍女さん(おそらく隠密に通ずる人。速い。)が戻ってきて、復習はやっておくようにとの言付けをしてくださった。抜かりない。
「ーで良いのかしら。」
「はい。完璧ですわ。」
侍女に確認をしてもらって一息つく。
「……そういえば陛下の心配をしていたのに、何も情報が得られませんでしたわね……。」
そういえば、前回の夫人も途中から興奮し始めてアドバイスをもらったけれど、結局解決してくれたのは……
「というわけでやってきました!団長さん!」
「『というわけ』の前の部分が全くわからないんだが……」
「かくかくしかじかです。」
「うん、わかんねぇわ。」
前回のお願いを聞いてくれた様子ではじめから砕けた口調だ。
「……まぁ、また陛下が体調が悪そうなのよ。」
「……どうせセレス様が過度なスキンシップでもしたんだろう。てか、その辺理解させるために恋愛小説読ませてんじゃねぇのかよ、夫人……。」
過度なスキンシップ……
「ああ、額で熱を計ろうとしたのが気になったのかぁ……。」
国で研究者達と会話してた時とほぼ変わらない距離だったからわからなかったわ……。
「やっぱり他国の常識は体験してみないとわからないです……。」
「ノームの事情わかんねぇから断言できないけど、多分外れてんのセレス様含む一部だと思うぜ?結婚前の男女の距離じゃねーもん。」
陛下ったら不憫……なんて言葉が聞こえてくる。
まあ、たしかに、あと少し動けば接吻してしまうものねー……
「理解したわ。記憶力には自信があるの。」
「おーおー。」
どうでも良さそうに頷き、団長は私の顔をまじまじと眺めた。
「……なんか、前よりも表情が口調と一致するようになったな。」
「え?」
「なんつーの?ドヤ顔?と得意そうな台詞が一致してたからな。」
そう言われて私は自らの顔面をグニグニとこねくり回す。
団長さんの後ろを通った数人の兵士、騎士がブフゥッと吹き出していた。
「……そういや、陛下に認めてもらったって……まぁ、よかったなぁ。」
ガシガシと乱暴に頭を撫でられる。
なんで認めてもらったことと私の表情が関連してるのだろう。
「いたいです。」
「お、すまん。」
流石に遠慮がなさすぎる。
……そこまで悪い気もしないけれども。
「まぁ、これで解決したな。」
「本当に体調が悪かったら……。」
「そうだったら付き合いの長い周りの執事とか殿下が気づくだろ。」
それもそうか……。他人任せにすることにためらいはあるが……一目見て診断を下せない私が騒ぐことではない。
……あれ、なんだろ。なんか、悔しいかもしれない。
答えを探していると、団長さんが言った。
「そうだ。こんな事態のたびに俺のとこに来るわけにもいかないだろうから、もっと恋愛小説読み込んだ方がいいと思うぞ。」
「へ?あ、わかりましたー。まぁ、色事(?)というか異性を意識することは恋愛の区分か……。」
……図書室へ行ってみようかな。
読んでくださりありがとうございました!!!




