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使者が到着しました。…じゃあ、動き始めましょうか!!

すいません、まだざまぁにははいりません。


 意気込んだ良いものの、国に向かった使者が戻ってこないと、行動できない。

「使者って、やっぱり隠密系の部隊の人ですか?」

「ああ。たぶん驚くぞ。」

コンコン

 陛下がそういうと同時に窓が叩かれる。

「あれ?この気配って――」

「ご苦労だった。アルフレッド。」

「アルフが使者……?」

 あのやられキャラなアルフがそんな部署に……!?

 驚いていると。

「セレス、失礼なことを考えているだろう。」

「いや何も?」

「行っておくが、私は戦闘特化型じゃないんだ。情報を集めたり、隠れたり、そういったことが専門だ。」

「戦ってるとき楽しそうだったけど……」

「ああ。あれはだな、セレスが何だか不思議な人間だと思ったから、探りを入れてみたら、予想以上に面白い人間で……」

「王妃云々は……」

「あれは本気だった。ちらっと見ただけだったんだが……あのあとしばらく観察していたら、とんでもない癇癪持ちで、幻想もぶち壊されたよ。」

 ……遠い目をしている……。

 まぁ、アルフの事は分かった。本題に入らねば。

「で、書状はもらったか?」

「はい。それから、面白い物も。」

 取り出されたのは、書状と何も書いていない便箋。

「……ああ。ちゃんと撮ったのね。」

 私が陛下に頼んで一緒に送ってもらった手紙に書いていた、映写機(小型版)。

「ほい。」

 私がそれをいじると、父…ノーム皇国天皇の姿が浮かび上がる。

『この度は、私たちの娘が迷惑をおかけして……それもこれも私どもの教育不足と貴族を抑えることができなかったことが原因……』

 喋りまくる父親の姿に私は口角を上げる。

「よしっ。」

「……?これで許すのか?娘の教育を怠り、他国を騙すような人間をつくってしまったんだぞ?」

 驚かれる。うんうん。これさえあればいいんだよ。

「あとはこれを複製しまくって、あちこちの国に配ればいいわ。」

「やっぱ容赦なかった。」

 これでこの先、この人たちの信用がガタ落ち。

 それに、この映像で、父が頭を下げている情けない姿も広まる。

 外交に苦労すると良い。

「別に兄様が優秀だから、国自体は大丈夫だろうし。」

「ああ。国の心配はするんだな。」

「ええ。国民に罪はないし、それに、魔法の研究が滞っても困るから。」

「……」

 絶句されている。最近こんなの多いな……。

「暗部の人たちは私がこういうことしてると応援してくれてたのに……」

「お前の加減の仕方がおかしいのは、そのせいか……」

「なるほど変なのかわたし。」

「陛下、こっちはこっちで厄介ですよ……?」

「そうか?結果を出すなら何の問題もないぞ。」

「話が分かりますね!!」

 私陛下好きだ!人間的に!

 ……さて、こっちの方針は決まった。

「あとは、妹の方なんですよねー……」

「……そうだ、数週間後に婚約式がある。その日がたくさんの人間が見ているし、あの女に恥をかかせるにはいい場じゃないか?」

「そんなものがあるんですか。というか、婚約式とかあったんですね。」

「ああ。」

「それなら……」

 私と陛下は額を寄せて、紙面に計画を書いていく。

 陛下の顔には、私と同じような笑みが浮かんでいた。

「……似た者同士だったんですね……」

「あはは。苦労が二倍だな、団長。」

「直属の部下じゃないからって、他人事かよ……」

 頭を抱えた団長をアルフが笑っている。

 何だか見覚えのある面子ばかりになってくな……

「……そう言えば、副団長は?」

「ああ。俺の仕事を引き受けてくれている。」

「……」

 団長だって、人に苦労を掛けているじゃないか。

「陛下に呼ばれてるのに、無視はできないだろ?最近は、セレスティナ殿下関連で呼び出されることが多いですし……」

 はいはい。なるほど結局私たちが原因なんですね。

「副団長が裏で頑張ってくれているが、これで、動き出すのに必要な物はそろったな。」

「はい。入れ替わった証拠と、計画。ばっちりです。」

「よし。じゃあ。」

 陛下がパン、と手を鳴らす。

 すると、扉があく。

 そこに立っていたのは、アヒュレンス夫人。

「セレスティナ殿下だったとは知らず、先日は失礼しました。」

 きびきびと頭を下げるアヒュレンス夫人に、嫌な汗が背中を伝う。

「あ、いえ……」

「一国の王女様に、何て甘い教育を施してしまったのかしら……こんなことではいけませんわ……」

「ひ!?」

「これから婚約式まで、ビシバシ行かせてもらいますので、よろしくお願いしますわ。」

「………はい……。」

 この間のが一番厳しいわけじゃなかったのね……。


よんでくださりありがとうございました!!!

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