色々バレたけどとりあえず仕事は終わらせます。
前回書き忘れてましたが、動物は、この話の中のみの要素とか付け足してますごめんなさい。
「どこって……」
そういえば、これは、ダンジョンについて研究の進んでいるノームくらいしか出していない法律だ。
そのうち他の国にも結果は共有されるはずだった。……今回の婚約で、それが伝えられるはずだった。
「わが国では、そのような法律も決まりもない。さぁ。話してもらおうか。」
「ぐっ……」
言い逃れ……下手にやったらもっと駄目だよね……。
「……分かった。正直に話す。でも、絶対信じれないと思うよ。」
私は、仕方なく事の経緯をハルに話した。
話し終わったあと、しばらく沈黙が続いた。
やがて、ハルが口を開いた。
「……女?」
「あ、そこ?」
「重要だろう!?他のところはでっち上げの可能性も考慮できるが、女であることは、事実確認ができるから、本当だろう。なぜ、騎士団に入るような突拍子もない真似をしたんだ!?」
「いや……まぁ、試験で負けるようだったら、女はやっぱ無理なんだろうなと諦めるつもりだったんですよー…それがあっさり勝てちゃって……」
あ、頭を抱えてる……。
「帝国が聞いてあきれる……」
「まぁ、私の戦い方、トリッキーってよく言われましたし。」
「……お前、王女というのはうそだろう。」
「は?」
なぜそこだけピンポイントなんだ。
「俺は、ノームの暗部の人間を見た事があるが、お前の動きはそれとそっくりだ。王女なわけがない。何の理由で暗部の人間が帝国に……」
「……それ、言わなくちゃ駄目ですか?」
「当たり前だ…ろう……」
私の様子に、たじろぐハル。……私が暗部の動きができるのは、暗部の人くらいしかいなかったからだ。
個人的な事情も交じっている。しかし……
「今回の原因の一部ですし……話しますよ。」
「……」
「私は、幼いころから、可愛げのない子供でした。上にいたのは、後継ぎ教育を受けている兄だけでしたから、教育が始まる前は、そのまねをしていたんです。けれど……やることなすこと兄の上を行ってしまって……。それを見ていた教師や周りの大人は私を褒めてくれましたが、何回もそれが重なると、さすがに気味が悪い、と……。女が王になれるわけもないので、私は国にとってただただ邪魔だったんです。そんな中、私を気にかけてくれたのは、暗部の人たちでした。今は、どこにも戦争なんてないので、そうやって私と一緒にいてくれる人たちばかりで……。私がみんなの動きを真似ても、気味悪がるなんてことはなく、むしろ新しい技を嬉々として教えてくれました。一度、冒険者として、初心者向けのダンジョンに潜ったこともありました」
「何やってんだ王族……」
あの時は楽しかった。
「というか、王族って認めちゃってないそれ?」
「わざわざ王族らしくない話をする意味がない。それに、あの女がセレスティナ王女じゃないと言われた方が納得できる。」
「?あったことあるんですか?」
「ああ。」
青ざめている。珍しい。
「あそこまで話が通じない生物は初めて見た。」
「生物……」
いやまぁ気持ちはわかるけど。
「これだけの美青年にボロを出すなんてらしくない……もしかして本気で惚れたのかな。」
「…………」
あれ?返事がなくなった。
もしかして……
「なにか危なげな動物でもやってきた!?」
「……いや、なんでもない……」
「ならいいんだけど……移動しようか。危ないから。」
さっさと用を済ませてしまおう。
「まずコブランに謝ってくる。これ大事。」
「そうだな。…………もしかして後ろにいるのが、コブランか?」
「へ?うわっ!本当だいた!!」
後ろに、コブランがたくさんいた。
『大切ナ話シテルミタイダッタカラ』
『デモ、終ワッタンデショ?』
『チョーダイ、ソレ』
私は、持っていた塊を手渡す。
「えっと、あの、ここの入り口は、これから塞ぐわ。ごめんなさいね、多分ここナワバリなのに……」
『イイヨ別ニ。バカニサレタカラ殴ッタダケダシ、ハイッテキタノハ怒ッテナイ』
『だんじょんハイイトコロダケド鉱物ガ少ナイ。ダカラ繫ガッタノハヨカッタンダケド……』
『仕方ナイナ……』
「うう……ごめんね……元どおりにしなくちゃ……」
私の国じゃないし、勝手な事しちゃダメだよね……
するとハルが口を開いた。
「それなら、お前、こういうのはどうだ。さっきの魔法で鉱山道具を作ってやれば、見つけて取り出すことが簡単になるだろう。」
「え、いいのそれ。」
「ああ。俺が許す。」
「何もんなんだこいつ……」
「ハルだ。」
「はいはい。」
私はぱぱっと作り上げ、渡す。
『バイバイ』
「うん。ばいばい。」
こうして、和やかに仕事は終了できたのだが……。
私にはまだ問題が残っていた。
読んでくださりありがとうございます!!!




