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3話、神殺し

私が反逆者と森を駆け抜けているといつの間にか朝日が差し込んでいた。眩しい光…それに怯えるかのように森は消えていった…

「うむ、なんとか逃げ切れたようじゃな 我が王よ」反逆者は笑顔で私に笑いかけた。私も反逆者の顔をみて安心しきったのか久々に笑った気がする。そうだ、反逆者にいろいろ聞かないと・・・・


「ねぇ?反逆者・・・あれはなんだったの?あの化け物は・・・それにあなたは誰?なんで私を助けてくれたの?どうして私は森の中に・・・・」私は頭がパニックになりながらも反逆者に話しかける。反逆者は私をベンチに降ろすと一緒に横に座った。


「うーむ・・・説明しにくいのぉ・・・簡単に言えば余も奴も、怪談や物語の英雄であったり、怪物であったりするものが召喚されたものなのじゃ。奴は化け物の姿を模しておったから多分最初の怪談の悪夢じゃろう。いや、運がよかったな我が王よ。」反逆者はうんうんと腕組みをしながら首を縦に振っていた。そして反逆者は言葉をつづける。


「簡単に言えば巻き込まれたのじゃ。怪談の王・・・どんな願いすら奇跡すら叶える魔女を呼ぶ争いにのぅ。大方悪夢の森に迷い込んだのも奴が生娘の魂を食ろうて、力をつけようとしたのに巻き込まれたんじゃろう。」巻き込まれた・・・?あの少女たちはみんな巻き込まれた犠牲者・・・なの・・・・


「ちょ、ちょっとまって反逆者?ならなんであなたは私を助けてくれたの?なんであなたを呼び出せたの・・・?」生きていることは素直にうれしい。でも、分からない・・・なんで私は・・・私はただの人間なのに反逆者を呼び出せたんだろう・・・なんで、生き延びられたんだろう・・・・


「うむ、それは簡単な理由じゃ。余を召喚できる力を持った物があったのじゃろう。それと余の気まぐれじゃ、大体あんなむさくるしい男に追い回され殺されるなど我が誇りが許さぬ・・・それに我が王は彼女に・・・」反逆者が言葉を言い終わる前に私の前を反逆者が塞ぐ。


バリッ!!大きな光・・・・・雷のようだ・・・反逆者はマントでそれを防いでいたが、多少焦げたようで煙が上がっていた。


「随分な挨拶じゃのう・・・・我が王の愛しき顔に傷をつけようものなら・・・貴様処刑じゃぞ・・・?それに、余の一張羅をここまで汚すとは万死に値する・・・」反逆者の怒りにも似た声が響く。

「ほぉ、あれを防ぐのかい。いや、見事見事!」橋の上に2人の人影が見える。現代にはふさわしくない鎧武者姿の女性・・・髪は黒く綺麗に整えられていて、すべてを食らい尽くすような金色の獣のような目をしている。もう一人の人影は青く澄んだ瞳をした小さな男の子だった。

神殺スレイヤーし・・・いくよっ!」

「あいや、わかった我が主よ」神殺しと呼ばれた女性は橋を一気に駆け降りると反逆者に刀を抜く。


すかさず、反逆者も腰の短剣を抜き応戦する。激しい剣戟のぶつかり合い・・・火花が飛び散る。

「貴様何者じゃ・・・どうやら怪談の一人のようじゃが・・・・」反逆者のほうが少し押されているようだ。無理もない・・・相手の武器は刀それに明らかに相手のほうが戦いなれている。


「ふん、化け物共に名乗る名などないっ!それに儂は我が主を勝たせてやらねばならんのでなぁ!ここで儂らの糧になれっ!」

激しい攻撃が続く・・・・このままじゃまずい・・・せっかく助けてもらったのに、私も・・・反逆者も消えてしまう。彼を助けなきゃ・・・私は助けてもらったのに・・・右目が痛む・・・痛んでもいい・・・どうかお願い反逆者を助けて・・・すると、私の右目が光だし反逆者の体が薄く灰黒い光を帯びる。


「ふむ・・・力の開放試してみるとするかのぉ・・・」反逆者は地面に短剣を突き立てた。神殺しが刀で斬り込もうとするが、見えない壁に阻まれる。

「神殺し距離をとれっ!これはやつの・・・・」少年が言葉を言い終わる前に反逆者が意地の悪い笑みを浮かべてつぶやく・・・・

「もう・・・・遅い!」

「これは、余の生涯の劇場・・・桜舞いし、我が愛しき騎士との舞台・・・・桜舞え!我が最後の城よ!」反逆者が言葉を唱えると世界が・・・・変わった。


燃え盛る大広間・・・その中心に咲く大きな大輪の桜・・・・綺麗・・・異常ともいえる景色だったが・・・でも、どこかで見たことがある・・・・私はただ・・・見惚れていた・・・・


神殺しも困惑してるようだ。すかさず反逆者が短剣を打ち込む。刀で防ぐが先ほどの勢いはなかった。

「なんだ・・・これは・・・・体が重い・・・」明らかに神殺しの力が鈍っているようだ。


「それはそうじゃろう・・・ここは余の城。この城に招かれたものは踊らねばならぬ・・・どちからが死ぬまで・・・どちらかが狂気に落ちるまで・・・」まるで舞踏会で踊ってるかのように、反逆者はさきほどとは違う高速の剣技を神殺しに叩き付ける。


「あぁ・・・あーーーーーーー!!!!!かったりぃ!!かったりぃ!!かったりぃぃぃ!!!!!」突然神殺しの怒りに満ちた声が城に響き渡る。神殺しの体から大量の雷がほどばしる!

「なんじゃ!この雷はっ!」反逆者は神殺しから距離をとった。


「おい、主!オレに魔力をよこせっ!!」神殺しは少年を睨みつけながら叫ぶ。

「神殺し・・・あなたがここまでなるなんて珍しいですね・・・」


「あぁ・・・久々にキレちまったんだよ。みみっちい力を使いやがって・・・殺す!全力で焼き尽くす!」

「いいですよ。僕の魔力あなたに渡します。」少年の澄んだ青い右目から黄金の光が溢れる。

神殺しの体が強力な雷に包まれる・・・・


「焼き尽くしてやるよっ!化け物どもっ!!」神殺しは叫んだ。

「この刀はかつて雷神を切り殺した神殺しの刀・・・・・雷切っ!!」神殺しの刀から強烈な電撃が溢れる・・・電撃は私と反逆者を飲み込む竜となって襲い掛かる。


辺りは一面の光に包まれた。


4話に続く







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