トンネル
暗いトンネルに二つの足音が反響している
反響の中で凌は思いに耽っていた
怜士って言ってたよなこの人
っえ? レイジ・・・?
4年前、姉さんが夜に出歩くようになる前に一度だけ姉さんの部屋に入った事がある。
電源のついたままのパソコンが用心不足だと思いパソコンに近ずく
見えたのはチャットでの会話、今思えばチャットなんて古い機能使ってるんだろうと思いながらも当時の僕はまだ小学4年生で好奇心旺盛な子供だった姉さんは僕より3歳年上なので当時中一だったその時はまでは、明るくクラスでも中心人物だったあの広い家も今とは違って明るかった。
凌は自分が迷想していることに気が付いてもう一度考え直した
今では分かるような気がするあの会話の意味が・・・
クロカ『あなたも異能を待っているんですか!』
レイジ『ええ、2年前くらいからですけど・・・』
クロカ『そうなんですか、いつ自覚されたんですか?』
レイジ『友人の前で使っちゃって・・・そしたら、その友人も同じで、異能があるって気が付いたのはつい 3か月前くらいなんです。』
クロカ『へー、そうなんですか、あの、もし嫌じゃなければなんですけど・・・その3人で会ってみません か?』
レイジ『いいですね!!お互いに助け合えるかもですしね!!』
僕の目に飛び込んできたのはそんな会話だった
今なら分かるあの会話の意味が
こいつが姉さんを引き込んだんだ
きっとそうだ
暗いトンネルの中二人の靴音だけが響いていた
音のない光のないうっそうとした暗闇の中で
ふいに靴音が止まる
怜士の呼吸
「さあ、着いたぞ」
見えない光が僕を引き込んだ