表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/55

マクシミリアン隊長

「見苦しい所を見せてしまったな……」

バカにされたのが悔しかった、とセラは語る。

「あのさ、何で逃げないの? 勝てないなら、嫌な思いするだけだ」

表情を翳らせた久遠に

「君の言うことも確かだが、私自身の誇りを汚したくはなかった。田舎から出てきて、やっと戦士ギルドに入ることが出来た。それを、女だからという理由で貶されたままでは……」

「中坊の勇者さんより、セラさんの方がよっぽど男前ですね」

「……うるさいな」

中坊っていうな、と久遠はユーリに言った。

「だが、クオン殿は私を助けてくれた。改めてお礼を言いたい」

頭を下げるセラに

「や、やめろって」

「ひゅー、ひゅー、照れますね」

真顔で茶化すユーリに

「お前、おちょくってるだろ」

「いいえ、遊んでいるだけです」

「なんだとー」

二人のやり取りを見て、セラが自然と笑をこぼした。



「まったく、騒がしいな」

何があった、と鎧を着た筋肉質の男がギルドから出て来る。

「マクシミリアン隊長」

「お、おい、ヴィンセントが伸びてやがる」

マクシミリアンは動揺すると

「犯人は、どいつだ!?」

物凄い勢いで睨まれ

「勇者さんです」

ユーリが、久遠の肩を叩く。

「何だとぉおおおお!!??」

「い、いや、これには事情が」

「そうです。クオン殿は、私を助けるために」

久遠とセラは、必死に弁解。

「やるじゃねぇか、坊主。どうだ、戦士ギルドに入らねぇか?」

思いっきり、マクシミリアンに背中を叩かれた。


♦︎♦︎♦︎


「へーえ、勇者と従者か。そりゃ、何とかして名を上げねぇとな」

あのドラゴンってのは倒せる気がしない、とマクシミリアンは肩を竦める。

「隊長さん、私たちを討伐依頼に加えてはいただけないでしょうか」

ユーリが聞くと

「ああ、それなんだが……ヴィンセントの奴よっぽど頭の打ち所が悪かったらしくてな。医者から安静にするように言われてな。性格に問題はあるが、明後日の魔物討伐依頼には大事な戦力だった」

そこで、とマクシミリアンは机を叩く。

「お前ら、協力しろ。あいつを一撃で倒せる実力があれば十分だ」

がはははは、とマクシミリアンは豪快に笑う。

「……は、はあ」

「勇者さん、良かったですね」

「マクシミリアン隊長、倉庫の武器をクオンに渡してもいいでしょうか」

私を助けるために武器を壊してしまった、とセラ。

「おう、いいぜ。好きなの使え」

ひょっとしたら掘り出し物があるかもな、とマクシミリアンは語る。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ