どうやら妹のようです
「オモチャにされるのは、こりごりなのヨ」
そう言って、エリムは久遠のカバンの中へ避難。
ゴスロリ服の双子に揉みくちゃにされたのか、顔が疲れている。
「捕まえて」
「標本にしたかった」
ジリジリとした視線を、双子は久遠のカバンに向ける。
それを感じとって、エリムがガタガタ震えている。
「や、やめろ。妖精だって、生きている」
「というか、それ以前にお二人は何者ですか?」
もっともな疑問。
「アインです」
セミロング金髪の少女と
「私は、オウルです」
ショートの金髪の少女。
「クオン兄さまと」
「ユーリ兄さまの」
アインとオウルは手を合わせる。
「「妹です」」
久遠は目を丸くすると
「ま、まさか、父さんが手を出した女の中に異世界人がいて……」
「落ち着いてください。モノリスがなければ、招待はされません」
おそらくドラゴン関係でしょう、とユーリ。
「そうか、そうだよな……って、妹ってありなのか?」
「虚数空間にも、階層がありますからね」
伴侶を虚数空間へ連れて行ったなら、向こうで妹が出来ていてもおかしくない。
「ひょっとして、お前らが伝言係?」
久遠の言葉に、双子はコクンと頷く。
「あまり、向こうにゴミを捨てるなと」
「ととさまが、お怒りです」
アインとオウルの言葉に
「虚数空間のこと?」
ゴミのことは知らないよ、と久遠が言うと
「ちょっと前に」
「二名の方が、最深部に転送されています」
「かかさまが、サルベージに向かっていますが」
「無事かどうかは不明」
ユーリは顎に手をあてると
「……勇者さん、もしやエネーロさんでは」
「まさか、ヤマト王に」
久遠はアインの肩を掴むと
「その二人のこと、詳しくわかるか!?」
「申し訳ありません。そこまで詳しくは」
「かかさまのサルベージが終了次第、お伝え出来るとは思いますが」
やはり時間が必要です、オウル。
「なあ、ユーリ……僕たちも王都に戻った方が」
久遠の言葉にユーリは、首を横に振る。
「心配する気持ちは、分かります。ですが勇者さんの仕事は、ドラゴンを倒すためにミスリルを探すことです。それに、ヤマト王の目的はドラゴン……この先、嫌でも対峙することになります」
戻る暇があったら進みましょう、とユーリ。
「二人とも、何か分かったら教えてくれ」
「はい、もう少し」
「こちらで商売する」
双子が売っている店の商品。
精巧な細工がされたイヤリングなど、仕入先がかなり気になる。
久遠の疑問を察してか
「ととさま、昔はかなりかか様に貢いだようで」
「さすがに、置き場に困ったのでこっちで処分」
「……ああ、なるほど」
「おや、これはアリアさんにプレゼントしましょうか」
ルビーが装飾されたネックレス。
「さすが」
「お目が高い」
値段はこれくらい、と双子はユーリに値札を見せる。
「……兄妹割引は?」
「男なら」
「汗水たらして働いて、プレゼントしてください」




