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旅の途中にて2

牧場裏にある小さなレストラン。

秘境で昼食を食べよう、という番組があったらおそらく三番目くらいに名前が上がるだろう。

「たくさん、食べてくださいね」

焼き上がったばかりの芳ばしいパン。

ビーフシチューに、ハンバーグ。

付け合わせにトマトとキュウリのサラダ。

「どうぞ、エリムさん」

「ありがとうなのヨ」

小さくちぎったパンを、ユーリがエリムに渡す。

フォークで抑え、ナイフを入れていくと肉汁があふれ出す。

「肉だ……今なら、ハンバーグが飲み物だって言ってた人の気持ちが分かる」

「クオンさんたちって、王都から旅をして来たんですよね」

ボクだったら途中で諦めてます、とユニアス。

「わざわざ徒歩とは、物好きだな」

ヴィンセントは、フォークでトマトをさす。

「まあ、大変なこともあるじぇど面白い発見もあるというか」

「何か面白い話、聞かせてください」

興味あります、とユニアスが目を輝かせる。

「勇者さん、幽霊屋敷の話があります」

ユーリの言葉に

「だって、あれは……」

幽霊の正体は家付き妖精のエリム。

そして、地下にいた青いドラゴンと青騎士のネフィリム。

戦士ギルドに結果報告しようにも、その情報がヤマト王の耳に入ったら警戒される可能性もある。

悩んでいる久遠を横目に

「実は、勇者さん幽霊怖さに逃げ出してしまいまして」

ユーリは、その後ゴブリンに追いかけられた話を続ける。

ちょうど、ユニアスとユーリの笑のツボに入ったらしく腹を抱えていた。

「ゴブリンって、弱いと思った人間には調子いいですからね」

災難でしたね、とユニアス。

先ほどから、キュウリを青虫のように食べているエリムを見て

「情けない。幽霊の正体はそこの妖精みたいなものだ」

ヴィンセントが言った。

(あのドラゴンと青騎士見たら、絶対怯むと思うけど)

久遠は肩を竦める。

「ユーリ、口が上手いな」

「まあ、正直に言うこともないでしょう」

「何か気づいたか?」

「あの、青騎士の刀の軌道を不自然に叩き落しましたからね」

何か仕掛けられるとしたらこのタイミングかと、とユーリ。

「……それって、ユニアス?」

久遠の言葉に

「あまり、上手くは言えません。ですが、注意はしてください」


あのユニアスの優しい風貌からは想像もつかないが。


「勇者様、これから町の方に行くのよネ。そろそろ、ふかふかのベッドが恋しいワ」

久遠の頭の上に、エリムが乗る。

「エリム、太った?」

「むぅ」

頬を膨らませたエリムが、久遠の髪を引っ張る。

「痛いっ、おいヤメロ」

「勇者さんは、デリカシーがないですね」


「我々もこれから、報告に町に戻る」

「よかったら、一緒に行きませんか」

街道沿いは、比較的安全ですけど魔物が出ることもありますから、とユニアスが言った。
















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