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廃墟の調査

ルナ峠の頂上、見晴らしのいい場所に建てられた屋敷。

しかし、門や外壁は蔦に覆われている。

「いちおう、業者が取り払った後もありますが」

幽霊騒ぎで放置されている状態です、とユーリ。

「いかにも、って感じだな」

「そうですね、きっと地下では恐ろしい実験が」

「脅かすなよ。噂って、尾びれがつくものだからな」

きっと大げさに言ってるだけだ、と久遠。

「昼間から幽霊なんて出ない……」

屋敷の扉を開けると、久遠とユーリの目の前を淡い緑色の光が横切る。

そして、ガシャガシャと金属の擦れる音。

日本刀を持った、青い鎧の騎士。

顔までマスクで覆われ、その表情は分からない。

久遠は、条件反射的に慌てて扉を閉めた。

幸い、青騎士はこちらに気づいていなかった。

「……迫力のある幽霊でしたね」

「違う。あれは、実体がある」

「どうします? 調査を続けますか」

「はっきり言って、あの青騎士は相手にしたくない」

魔物と違い、強さが計れない。

「勇者さんが、本能的に拒絶するとは……今回は引き返しましょう」

「ねぇ、そこに誰かいるのネ」

ユーリの言葉を遮り、扉の向こうからハスキーな声。

「青いのに追われてるのヨ」

かわいい女の子を助けて、と続けた。

「近くまで来てるなら、自分で出ればいいじゃないですか」

ユーリの正論に

「……確かにな」

久遠が頷く。

「そ、それが出来ないから頼んでるのヨ」

このバカコンビ、と扉の向こうの存在が罵る。

「では、行きましょうか」

「南に向かえばいいんだよな」

二人が踵を返したことに気づき

「嘘、嘘ですヨ、助けてくれたらお宝あげちゃうヨ」

ハスキー声の存在は、必死で訴える。

「ワタシが、あの青いのに食べられちゃったラ、一生アナタの枕元に立ってやるわヨ!!」

「わかったよ。このまま、捨てて行ったら寝覚め悪いし……」

「どうして屋敷から、出れないのです?」

ユーリの問いに

「ワタシは、家付き妖精なのヨ」

契約書が屋敷の中に残っているため外に出られない。

長いこと眠りについていたら、いつの間にか屋敷は廃墟になっていた。

「……お寝坊さんですね」

ユーリの呆れた声に

「う、うるさいわネ。多分、二階の執務室にあると思うんだけど……」

「あの、青騎士だな」

「屋敷の中を巡回してる見たいなのヨ」

「巡回? この屋敷に何かあるのかな」

「やはり、秘密の実験室が」

「お前、そのネタ気に入ったのか?」


「……多分、地下のあれヨ。地下に続く妙な入り口を発見したノ」


鎖に繋がれたドラゴンを見た、と家付き妖精は語る。


「怖くて、それ以来は行ってないけド。あの青いのは、アレを守ってるのヨ」











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