西の洞窟の遺跡
ブロッコリーみたいな木に囲まれた王都の戦士ギルド。
掲示板に貼られている内容は、街道の魔物退治、迷子のペット探し……etc。
受付で話をしているユーリを見つけ
「どんなクエスト引き受けたんだ?」
「あ、勇者さん。実は、西の洞窟の遺跡調査に向かった王都の兵士が戻っていないようです」
緊急に戦士ギルドに連絡が入った。
ヤマト王が、久遠とユーリを指名したことを聞き
「分かった。急いで向かおう」
「……勇者さん、教会はどうでしたか?」
「ああ、エネーロさんが色々と教えてくれたよ」
「で、何か掴めましたか」
ユーリに聞かれ、久遠は腕を組むと
「とりあえず、体を鍛えておこうと思う」
「そーですね。賢明な判断だと思います」
ユーリは、深く頷いた。
だが、妙に含みがある言い方。
「お前、機嫌悪くないか?」
「そんなことありませんよ。勇者さんが私ではなく他人のギフト頼ったからって、別に」
「が、ガキかよ……」
久遠は頬を掻くと
「そうだ、前にドラゴンがモノリス渡すのは誰でもいいわけじゃないって言ったよな」
「はい、ひょっとして覚えて……」
「お前が話すって言ったんだから、覚えてるに決まってるだろ」
西の洞窟から帰って来たら、話してもらうからな、と久遠は続けた。
♦︎♦︎♦︎
「セツナ様、勝手に出歩かれては困ります」
フェブの呆れた声をよそに
「いやー、珍しいキノコがあったからね」
採取に熱中してしまったよ、と黒い燕尾服の青年。
「この間、商売敵が雇った暗殺者に命狙われたばかりでしょう」
「あの暗殺者の最後は、見事だったね。潔く、ハラキリ」
その商売敵は、暗殺者一家の頭領に責任を負わせて逃亡。
王都に居られなくなった暗殺者一家の部下たちは、各地に散らばって行った。
「……で、どれが美味しいと思う?」
紫、赤、緑、どう見ても毒々しい。
「こんなの商品にされては……あら」
街道の方に、人影を見た。
「あれは、クオンさんとユーリさん」
「え、フェブの彼氏かい? それも二人」
細目を下げ、のん気な顔で言ったセツナに
「違いますよ。前に言った、新しい勇者です」
「ああ、思い出した。ダイゴロウ君とコジロウ君だね、憶えてるよ」
一文字も合っていない。
そんな主を無視して、フェブは話を続ける。
「ヤマト王から、何か頼まれているのかもしれません。少し、心配です」
「うーん、この緑キノコには幻覚の毒があるなぁ。死んだ爺さんが、川の向こうで手を振ってる」
「何食べてるんですか!?」
「大丈夫だよ、俺、体内で毒を分解できるから」
いつも読んでくださってありがとうございます。
次は、少し休憩します。




