『遥か彼方の声を聞きながら……、2年目』56話「東か西か、恐怖か崇拝か」
起きてみると、選手たちがあわただしく動いていた。どうやら死者の国の選手が走り続けていて、塔で休んでいた選手たちはかなり遅れを取ったとのこと。ウインクも起きて
準備を始めていた。
「悪い。寝坊した」
「いや、情報が錯綜している。世界樹の管理人たちと死者の国が共闘し始めたとか、魔族領のグリフォンが月に向かって飛んだとか、エディバラの選手たちが空飛ぶ絨毯で距離を稼いだとか、夜のうちにいろいろあったみたい」
寝ている場合じゃなかったかもしれない。
「お、ラジオ局は独自の情報網を持っているのか? さっき言っていたのは全部本当のことだ」
ドヴァンさんがパンに串焼きを挟んだ朝飯を持ってきてくれた。
「メルモさんがメモ書きを残してくれたんです」
ウインクがメモ書きを見せてくれた。
「そうか。たぶん、事態はもう少し進んでいるから、魔道具師たちは足止めされているかもしれない。ただ、マリナポートの手前の山周辺は今猛吹雪だから、どっちにしても足止めはされているはずだ。そういうコースを選んだんだろ?」
「そうです。風を避けて、大きく迂回するか。暴風の中を突っ切るか。それほど時間差は付かないはずなので、体力面の勝負です」
火山地帯をどう攻略するかが、二日目の肝だと思っていたが、もしかしたら夜の間に着いているかもしれない。
「セーラは?」
グーシュさんがドヴァンさんを呼びに来て、審査員たちはどこかへ行ってしまった。すでに駅伝は始まっている。油断しているのは俺たちか。
俺は、配布されている肉饅頭を貰って、ウインクに渡す。ウインクもスープを貰って来たらしく、半分飲んで俺に渡してきた。水袋の補給もしてある。
「行けるよ」
「よし、飛びながら、配信を始めよう」
学校にいるジルに連絡して、そろそろ始めることを報告しておいた。
俺たちは風船型のアンテナを空へと飛ばし、送信機を背負った。
『切り替えるよ』
ジルから連絡を受け、俺たちは空へと飛んだ。
「頼む」
俺たちもスイッチを切り替えた。
「おぉはようございまぁーす! 第一回駅伝選手権、二日目はすでに始まっています。というか、夜の間にも大きく変わっていたようで、朝から竜の駅は大混乱になっています。選手たちの入れ替えもありますが……、冒険者が代わっているところが多いようですね」
「逆に運び役は変わってないんじゃないでしょうか?」
台本がないので、普通に俺も声を出していく。
「本当だ。昨日、迷いの森での疲労やケガが影響しているみたいですね。選手の皆さん、栄養補給は足りているでしょうか。沿道から村の方たちが応援していますね! 昨夜、何があったんでしょう。グレートプレーズの女性兵士たちが、大量の食糧を受け取っていますね! シャングリラの小人族はお酒を貰ってますが、大丈夫なんでしょうか」
ウインクは目についたことをどんどん実況していく。
雪道対策のために、火の国の選手たちは短いスキーを履いて滑っている。魔族領は、グリフォン選手が棄権したため、代わりにゴーゴン族が出場。マジコとゲンズブールさんの奥さんと一緒に飛んでもないスピードで走っている。
「トップ付近の選手たちは雪が降り積もり、かき分けながら進まないといけなくなっていますが、魔族領の選手たちは連携がすごいですね。確実に前へと進んでいきます!」
坂を下りて、平坦な道が続くが、防風林がないため風で舞い上がった雪が直撃する。
「風、雪、共に選手たちへ襲い掛かる。各選手たちが徐々に魔道具による対策が必要になってきました!」
「夜の間に先行した選手たちは、この状況を見越していたんでしょうね」
「なるほど。地形から風を読んだということでしょうか。エルフとダークエルフは気づいていたのでしょうか。精霊を出して風よけにしているエルフの里の選手たちは苦しそうです。ウェイストランドのダークエルフは、風を背に受けていますが雪に慣れていないようですね!」
「さて、夜のトップ選手たちに追いつきましょう」
俺はもし次やる時は、夜間の実況ができるようにラジオ局員を増やさないといけないと思っていた。そのくらい、選手たちが見えなくなっている。近づくと、ベルサさんが浮遊植物に乗って、朝食を食べていた。
「お疲れ様です! ベルサ審査員!」
「おつかれ。トップ選手たちはY字路の近くで寝ているよ。暴風雪で火山の西側は走れなくなっている。賢い選択だ」
「死者の国の選手と世界樹の管理人たちですか?」
「うん。エディバラの選手たちは東の迂回路を選択したみたいだけど、やっぱり途中で野営している。東側はワイバーンが多いからね。朝になって、選手たちが集まるのを待っているのだろう」
「戦略的に考えているんですね?」
「ようやく戦略が嵌りだしたんじゃないかな。ただ、ちょっと審査員のレッドドラゴンが気になることがあると言って、火山に向かった。ラジオ局員も十分に気を付けてくれよ」
「わかりました。ありがとうございます!」
さらに進んでいくと、選手たちが野営していた。テントでは風で飛ばされるからか、かまくらを作っている。完全に休んでいるようだ。ミストなら、蓄魔器の使い方もわかっているから、凍死するようなことはないだろう。
「あれ? 暴風雪の中に人影がありませんか?」
俺はすぐに親父とアイルさんが雪の中で立ち尽くしているのを確認した。しかも親父が手を振っている。
「あれは見てはいけない人だ」
「でも、呼んでいるよ!」
ラジオでも放送してしまっているので、俺も行かないわけにはいかなくなった。
魔力の壁で周囲を包み、吹雪の中に突っ込んでいく。アンテナの風船が破れないように、魔力で補強もしておかないと……。大変だ。
「おーい! 選手が来ないんだけど……」
残念そうに親父はそう言った。
「来ねぇよ。猛吹雪で誰もこんなルート通らないんだよ」
「うそぉ。こっちの方が安全だろ?」
「そうなんですか?」
「魔物が凶暴化しているって、注意報を出しているはずなんだけど……、伝わっていないのか?」
アイルさんまで、そんなことを言っている。
「いや、ないですよ。メルモさんからのメモはこれで……」
「……っ! あいつ!」
アイルさんがウインクから渡されたメモを睨んでいた。
「こっちの方が雷と雹の対策だけしておけば安全だから、楽なんだけど。魔物もいないし……。ラジオで放送されてる?」
「放送してますよ!」
「じゃあ選手の皆さんは、どちらのルートにするか各自で決めてください。コムロカンパニーの方々は、暴風吹き荒れる雪の中を行った方が安全とのことです!」
俺たちは飛び上がって、猛吹雪の中から出て、Y字路へと戻った。
徐々に選手たちが到着。かまくらで寝ていた選手たちも起き始めた。
死者の国の選手たちも世界樹の管理人たちもゆっくり朝食を食べながら、通り過ぎていく選手たちを見ている。
ほとんどの国の選手たちが吹雪いている西側のルートを選ばず、東の魔物に襲われるルートを選んでいた。
「やはり平地の風がよほど堪えたと見えますね。皆、コムロカンパニーの注意も聞かずに東のルートへ向かっています。ワイバーン程度なら、問題ないという判断でしょうか」
「北極大陸の選手の中には、予知スキルを持っている人もいるはずなので、どちらに向かうのか気になるところですね」
北極大陸の選手たちにとってはそれほどの吹雪でもないらしく、平然と吹雪の中に向かっていった。その後ろを世界樹の管理人たちが続き、少し遅れて死者の国も吹雪の中を進み始めた。
「北極大陸の国は、吹雪も関係ないということでしょうか」
「世界樹の管理人たちもこの程度なら、問題ないと思っているんでしょうね。今は朝の風が吹いていますが、そのうち晴れるという判断かもしれません」
そんなことを言っている間に、大雪が降ってきた。後続の選手たちも東ルートを選び、俺たちも東ルートに向かおうとしたが、アリスフェイ王国の選手たちが大雪の中に突っ込んでいったのを見て傭兵たちは笑いながら、後をついていった。
「そろそろ傭兵たちが仕掛けるんでしょうか」
俺たちは気になってしまい、後で火山を越えればいいと傭兵の後ろを追いかけてしまった。きっと聞いている人たちも気になるだろう。これまでほとんど選手同士の争いはなかった。東ルートに行っても、おそらく魔物への対処くらいしか見れないのではないかと思ったら、自然と視線は西ルートに向かっている。
後から考えても流れが来ていたとしか言いようがない。
西ルートは湖があり、朝に通り過ぎた平地よりも冷たい風が吹いていた。その上大雪と、コンディションは最悪だ。俺たちも風にあおられ、空を飛んでいられなくなり、地面に降りて実況を続ける。
「これ、放送は聞こえてますかぁ!?」
『聞こえているよ!』
ジルからの連絡もあり、俺たちは選手たちの影を追いかけた。
俺は道から外れ、ウインクを背負って湖を走り抜ける。
「こちら、駅伝ラジオです。ただいま、湖の上を走行中。これなら、ちょっと見やすい。アリスフェイ王国の選手たちは、かなりつらそうですがなんとか走っているという状況でしょうか。あれ? 傭兵の国がいませんね。道から離れているようです。ただいま、北極基地が先頭です。このペースで走っていけば、往路優勝もあり得ます……。が……、ここで雲の切れ間が……!」
唐突に大雪が止み、晴れ間が出てきた。アイルさんが雲を割ったのか。暖かい空気が流れこみ、雪原がきれいに見渡せた。
一気に進むかと思われた北極基地の選手たちだったが、ここで小休止。昼食の時間だったらしい。体力の損傷が激しいため、バターを齧りながら肉饅頭を食べていた。
そこを世界樹の管理人たちが通り過ぎていったのだが、目の前には傭兵たちが待ち構えていた。
「どうしてそこにいるんだ!? 傭兵の国!」
雪原から突如現れた傭兵たちだが、昨日とは選手たちが全員入れ替わっていた。寒冷地帯専門の傭兵たちのようで、世界樹の管理人たちに向けて、水魔法を放った。
チョンッ。
水が弾けるような音がしたと思ったら、傭兵たち4人全員が空に舞い上がっていた。世界樹の管理人ことドワーフは、たった一人が動いただけ。メリッサ隊長は腕を組んで、やれやれと傭兵たちを見上げている。
「少しは鍛えてきたかと思って待ってたら、全く本当に……」
ウインクはマイクを向けて音量を最大にして、メリッサ隊長の声を拾っていた。
「いてて! ズルいじゃねぇかよ! お前らだけ、絶対レベル50じゃないだろ!」
傭兵は尻から落下して、直後に世界樹の管理人たちに文句を言っていた。
「悪いけど、レベル50まで下げたんだよ。これが呪いの力さ」
メリッサ隊長は呪いの腕輪を見せていた。
「こんな逆ドーピングを通用させていいのか!?」
傭兵たちは俺に振り返って言い放った。
「俺は発起人であって、管理は冒険者ギルドです。文句があるなら冒険者ギルドへ!」
メリッサ隊長は尻もちをついている傭兵の耳を持ち上げて、無理やり立たせていた。
「あんたたち勇者の国の争乱でも動いていただろ?」
「当り前だろ!? 争いがあるところほど傭兵の仕事場だ」
「そりゃ違いない。けど、やり方がちょっと汚くないかい? エルフのために船を用意したり、勝手に土の勇者を作って扇動したりしていないか」
そんなことをしていたのか。
「稼ぎ時だ。騙される方が悪い。協定の範囲内だしな」
「あのねぇ。エルフがあの大陸で死なれると世界樹に寄って行っちまうんだよ。つまり、世界樹にヌシが現れて、管理が面倒なんだよ。これは世界樹の管理人としての警告だ。南半球でエルフを無暗に殺すんじゃない」
「……」
ボンッ! ボンッ……、ボン……。
傭兵がくるくると回転しながら、湖の上を水切りの石のように跳ねていった。
「わかったら、返事」
「「「はい!」」」
残された傭兵たちが勢いよく立ち上がっていた。ぶっ飛ばされた傭兵は、審査員の誰かが助けるだろう。
3名しかいない傭兵の国はこの時点で、棄権となった。
「ここで、傭兵の国が脱落! トップ争いは世界樹の管理人と死者の国、アリスフェイ王国の3チームです!」
メリッサ隊長が傭兵をぶっ飛ばしている間に、アリスフェイ王国は死者の国に迫っていた。
「奇しくもラジオ局員たちが直接対決だぁ! どっちも勝てよぉおお!」
公平公正であるはずのウインクも無茶苦茶言い始めた。どちらかが優勝するかもしれないと思ったら、力が入るのも致し方ない。
通り過ぎていく、選手たちを見送っていた北極基地の一人が立ち上がって東にそびえる活火山を見上げた。雲の切れ間が、火山の下まで伸びていく。
メリッサ隊長や他の世界樹の管理人たちも背筋を伸ばして火山を見守っている。そこで俺は自分の膝がガタガタと震えていることに気が付いた。別に寒いわけでもなく、疲れているわけでもない。
慌てて、ウインクを背負ったまま岸辺に走った。
「なんか、いますか?」
俺はメリッサ隊長に聞いていた。
「なんか、禍々しいものがいるね」
「えーっと、放送事故ではありません。なにか選手たち含め、危険を察知したようです。突然ですが、風も止んでいる?」
死者の国の選手たちも立ち止まり、ミストが死霊術で鳥のゴーストを飛ばしていた。
「アリスフェイの選手たち! 地図はあるかい!?」
メリッサ隊長に問われ、驚きつつもグイルが雪道を戻ってきて地図を見せていた。
「なにが起こってるんです?」
蓄魔器を背負っているヒライが素直に尋ねていた。
「わからない。わからない時は、恐れるんじゃない。敬ってもいけない。どれだけ震えても、どれだけ心の感情が押し寄せてきても、見定めるんだよ。いいね?」
「はい」
「いい子だ」
メリッサ隊長は自分より大きなヒライの頭を撫でていた。
「いました!」
ミストが叫んだ。
鳥のゴーストが拾ってきたのは、薄汚れてしまった鳥の置物だった。
ミストの掌の上でピヨピヨと鳴いている。
「それは……?」
魔族領の選手たちからの緊急事態を告げる報せだった。
「マジコの魔道具です。火山、東側で緊急事態が発生したようです!」
パリンッ!
世界樹の管理人たちが呪いの腕輪を即座に割った。
「これより我々、世界樹の管理人は駅伝を棄権する! 周辺住民の避難を最優先! 火山の噴火、火山雷に注意して全員逃がすように!」
「「「了解!!」」」
ドワーフたちが地図を確認した後、空飛ぶ箒に飛び乗って飛んでいった。
「緊急事態に付き、駅伝選手も逃げてください!」
「了解! ほら、行きますよ!」
「グイル! ミスト!」
「なんだ?」
「ウインクを頼む」
「了解!」
「コウジは?」
「これでも運営委員だからな」
俺は通信袋に魔力を込めた。
「確認遅れました。駅伝運営委員の皆さんは、全員火山東側に集合の上、状況確認をお願いします! 選手の皆さんは周辺住民と共に避難を開始してください。命を最優先に!」
ラジオと通信袋で呼びかけた。次々に『了解』という声が返ってくる。
「コウジ、これ!」
ミストが薄汚れたマントを投げてよこした。
「神も欺く姿隠しのマント、使って!」
「これも持って行ってくれ。天才が作ったマウスピース。未使用品だから大丈夫だ」
グイルもとっておきの品を渡してきた。
「悪いな。ラジオも持って行くよ」
「死んでも生きてよ!」
ウインクが拳をぶつけてきた。同じようにグイルとミストもぶつけてくる。
「復路で会おう」
ボォオオオンッ!
火山の煙が天高く上っていく。
「いってきます!」
腰の小型のラジオを叩いて走りながら空飛ぶ箒に飛び乗り、上空へと飛んだ。
落石と火山灰が目の前を覆っていく。魔力の壁を展開して俺は姿隠しのマントを羽織り、マウスピースを噛んだ。
『すみません! セーラがいません!』
ドヴァンさんの声が通信袋から聞こえてきた。
『私なら、ここよ! 混乱しているワイバーンの様子を見ていただけ!』
『ちょっと待ってよ! ワイバーンが毒のブレスを吐いているわ!』
シェイドラさんの声だ。
『噴火の落石に注意! 火山雷も降ってくるよ!』
メルモさんの注意も聞こえてくる。
『ん~、落石がなぜか私の姿に変わっていくから、気を付けてくれ』
アイルさんがわけのわからないことを言い始めた。
『そりゃ、最悪だ』
ベルサさんは笑っている。
『全員、誰も信じるな。殴るのはお互いの姿を見てからにしよう』
冷静な親父の声だけが聞こえてきた。
火山が噴火して雷が鳴っているのは本当のようだが、噴火や雷の音に紛れて幻術を使っている奴がいるらしい。
笑っているアイルさんが目の前に振ってきて、剣を振っている。ただ殺気が余りにもなく無邪気に振ってくる。意識もない攻撃なら当たりそうもないのに、四方八方上下左右から繰り出されるので、全力魔力の壁を展開して、受け流していくしかない。
俺は火山から離れ大きく迂回して、東側へと向かった。
大きな魔力に向かって飛んでいたら、吸魔草をぶつけられた。大きく膨れた吸魔草を掴んで投げ返すと、ベルサさんがいた。
姿隠しのマントとマウスピースを外して近づく。
「お疲れっす」
「おつかれ。まったく疲れるほど仕事はしたくないね」
「何があったんです?」
「セーラが邪神に乗っ取られた。中年の危機に付けこまれたね」
「なんですか? それは」
「年を取ると、自分が何をやっているのかわからなくなる時が来るのさ。人類の勇者もしっかり人間だったってことだ」
『くっそ、面倒くせ。邪神が誰かのスキルをパクったな。落石、全部魔物に変わるぞ!』
親父の声が通信袋から聞こえてきた。
「こちらベルサ。コウジと合流! 全員、吸魔草で判断できるよ」
「セーラ発見! どうすりゃいいですかね? 真っ黒です!」
ドヴァンさんの泣き声が聞こえてくる。
下を見ると、真っ黒い身体のセーラさんが火山の噴火と一緒に黒い煙を吐き出している。
「俺も確認した」
親父もいつの間にかすぐそばにいて、空飛ぶ箒の上に立ちながら頭を抱えていた。周囲を見回すと、コムロカンパニーの他に勇者一行、ウタさんが空飛ぶ箒の上に立ち、邪神を見下ろしていた。
「随分、面白いことやってんじゃねぇか」
俺の耳元で、誰かが囁いた。身体が動かない。身体が冷たくなり、心臓が止まったような気がする。
『恐れるな。敬うな。見定めるんだよ』
メリッサ隊長の声が聞こえた気がした。