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駆除人  作者: 花黒子
『遥か彼方の声を聞きながら……』
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『遥か彼方の声を聞きながら……、2年目』38話「スライムは寒天で再現可能なのか!?」


 翌日、俺はダンジョンにてスライムの溶解液を採取していた。スライムは水と魔石さえあれば発生するので、学内のダンジョンでも育てることが可能だ。


「スライムの蓄魔器を作る? どういうことだ?」

 マルケスさんは物凄く訝し気に俺を見てきた。

「スライムの核は魔石じゃないですか。だから、大きくするのも小さくするのもできることはわかっているから、蓄魔器になるんじゃないかと思って……。スライムは水しか取り込んでいないはずなのに、なんで溶解液になるんですかね?」

「スライムだって魔物だからな。ちなみに、溶解液に付けておくと魔石は小さくなるぞ」

「え!? 何でですか?」

「つまり、魔力によって溶解液になっているからだ。魔石が消えるともう元には戻らないから実験するなら気を付けることだ」

「ちょっと待ってくださいよ。スライムの中に入っているのは溶解液だけじゃないってことですか?」

「色の付いた水を与えてよく観察してみろ。いろいろとわかるはずだ」


 食堂の厨房で、血を貰おうとしたが、別の魔物が生まれるかもしれないので赤いベリー系のジュースを貰った。実験に使うというと、厨房の料理人たちはすぐに用意してくれる。学生には優しい人たちだ。


「実験するの?」

 俺が小さな樽を抱えていると図書室で本を読んでいたミストが窓から下りてきた。夏休みを経て、身体能力が上がっている。


「そう。ミストも見る?」

「ダンジョンのスライムでしょ。見るよ。今、ベルサさんの論文を読んだけど、かなり研究されているよ」

「ええっ!? じゃあ、望み薄いかな」

「まぁ、でもやってみましょうよ。やってみたら、別の方向性が見えてくるかもしれないし」

「確かに……」


 ミストは死霊術師なのに、根がポジティブなところが頼りになる。


「上級のダンジョン借りまーす!」


 一言言って、ダンジョンに入っていく。上級者向けダンジョンは改装工事中だが、スペースはいくらでもある。


 リュージが資材を運んでいる横で、俺たちは水辺を作り、マルケスさんにスライムを出してもらった。


「コウジ、助けてくれよ」

 リュージは泣き言を言っていた。竜だから不器用なんだというが、そもそも資材を運ぶだけなのに器用も不器用もないと思う。

「誰かに手伝ってもらえ。友達増やせよ。ヒライに声をかけてみれば? 同級生だろ? 初心者向けのダンジョンにいると思うから」

「わかった……」

 体育祭が終わって、貴族連合は文化祭へ向けて話し合っているそうだが、ヒライだけはずっとダンジョン攻略に勤しんでいる。自分のスキルを上げ、強くなることで認められることがよほど嬉しかったらしい。


「そういう世界で生きていたかったよな?」

 ミストも子どもの頃から死霊術を使っていたらしいので、わかるだろうか。

「強くなったら認められるってこと?」

「そう」

「コウジは元々強いから、成長を実感しにくいだけじゃない?」

「そうなのかもしれない。結局、強さとかは比べ合いになっちゃうから、誰と比べるのかでだいぶ変わってくるでしょ。でも、知識とか技術は取得できるから、そっちの方が嬉しくないか?」

「自己評価できるからってこと?」

「そうだね。属性魔法が使えた時はかなり嬉しかったし、自分がやってきたことと繋がったから実感できたっていうのもあるけど」

「自己評価が低いんじゃない? いや、低いっていうか評価の幅は狭いのかしら」

「どういうこと?」

「去年、私もそういう自己評価が低いことに悩んでいた時期があるんだけど、歴代の校長とか先生とかが声をかけて来てくれて……、ああ、死んでる人たちね」

「う、うん」

 ミストは死者の声を普通に聞いていたのか。


「評価の幅の話をしてくれて楽になったのよ。試験や体育祭は、結局その時の狭い範囲でのことだから、世界的に見たら小さいことだし、試験なんて本当に狭い範囲しかやらないじゃない? でも、そうじゃなくて自分の経験値で学んだこととかは、もっと記憶に残るじゃない? だから、実験は知識として知っていてもやった方がいいのよ。自分の中での評価の幅が、後々になって広がることがあるから」

「なるほど。評価の引き出しが多いと、自己評価も上がるし、単純に身に付くってこと?」

「そうね。他者との比べ合いで身に着くこともあるでしょ。心理戦とかは特に。だから、たぶん今までは圧倒的な戦力で勝ってきたコウジだけど、ボードゲームとかカードゲームみたいな心理戦は弱いんじゃない?」

「そうかもしれない。俺そういうので勝ったためしがないかも。だから、アイルさんは少年時代の俺にコロシアムに出ろって言ってたのかな?」

「そうかもよ」


 今度出てみるか。王都にコロシアムはあるはずだ。


「とりあえず、スライムの実験」

「そう。ミストはスライムから魔力を取られる感覚はある?」

「噛まれないとないでしょ。一回、コウジ、噛まれてみる?」

「ええっ!?」


 そう言いつつも、スライムに腕を噛ませてみた。


 ガブッ!


 甘噛みされたが、全然魔力を吸われる感覚はなかった。


「全然、吸われないね」

「筋力で魔力を固めてるんじゃない?」

「あ、そうかも……。ああ、ちょっと吸われる……。でも、すごい少ないよ」


 ただ、スライムは俺の腕から口を離すと、ぶるぶると震えて魔力を核に溜め込んでいた。


「核がちょっと大きくなった?」

「ちょっとだけね。出てきたばかりで、まだあまりわかってないんだと思うけどね」

「じゃあ、このジュースを飲ませてみるよ」

「うん」


 深皿にジュースを入れて、スライムに飲ませてみた。俺もミストも使役スキルはないが、スライムは出されたジュースを普通に飲み始める。水分だからだろうか。


「あっ! すごい! 膜だ! 内側に膜が張ってる!」

「本に書いてある通りだ!」

 

 スライムは胃袋のような膜を身体の内部に作り出し、ジュースを溜め込んでいた。


「こうやって膜を張らないと、体液が流れ出ちゃうから、なにかを取り込むときは内膜を張るらしいのよ」

「へぇ! 確かにこれなら体液は出ないのか。ああ、消化してる……」

 ジュースが体内でじわっと霧散していくのが見える。


「この内膜にあるのが溶解液なのよね」

「え? じゃあ、体液全体が溶解液ではないのか……」

「そう。あくまで内膜の中で作られるのが溶解液みたい。でも、外の膜が破られたり、攻撃をされると、全体的に溶解液になるみたいね。ストレスが関わっているみたい」

「じゃあ気持ちが大事なんだ」

「原始的な魔物はだいたいそうよね。シンメモリーズも不安を抱えているような人に寄っていくでしょ? 死霊術師はそれを使いこなすんだけどね」

「ああ、そういうことか。ということは、スライムの体液って採取できないの?」

「あ、そう! 簡単には採取できないってベルサさんでも難しいらしいわ。カピアラの棘は、人間の痛点よりも小さいから痛みを感じないっていうじゃない? スライムにとっては膜が眼であり触覚だから、全部痛点なのよね。だから膜を斬ったことを気づかせない攻撃、または体液から溶解液に変わる前に採取するしかないって。しかもそれは一瞬らしい」

「早業が必要ってことか」

「でも、昨日コウジが言っていたように、スライムの体液を再現できればいいだけだから、別にスライムから採取する必要はないよね」

「大変だと思ってたけど、本当に大変だね」


 思いのほか考えることが多くなってきた。

 とりあえずノートを取り出して、データを取りながら実験をしていくことにする。


「魔石の粉も持ってきたんだ。ジュースに混ぜながら見てみよう」

「用意いいね」

「ダンジョンマスターの部屋には何でもあるから」


 魔石の粉をジュースに入れて、スライムに飲ませてみる。ジュースが溶解液で霧散していく中、魔石の粉が核に向かっていくのが見えた。


「あれ? 最短で核に向かってる? 血管っていうか葉脈みたいなのがない?」

「え!? うそっ! ああっ!」


 ミストが近づいた瞬間に、スライムが怒り始めてミストに噛みついていた。


「ああ、魔力を吸い取られた!」

「魔力回復シロップがあるよ」

「ありがと。スライムが落ち着いたら魔力回復シロップでもやりましょう」


 ミストは魔力回復シロップを飲み干し、もう一本を実験に使う。


「とにかく内膜から核への通り道があるってこと?」

「そうじゃない。だって内膜の中はジュースと溶解液が混ざっているわけだから、体液とは分離しないといけないんじゃないかな」

「確かにそうね。体液全部がジュースになるわけじゃないものね」

「どれくらい溶解液で分解した物が影響するのか。だいたいスライムって魔法には弱いでしょ?」

「普通のスライムであれば属性魔法には弱いはずよね。スライムも種類は多いから、それぞれ特徴というか得意な魔法はあるはずだけど」

「体液はどれくらい影響を受けるのかも実験しよう」

「そうね。あ、見て! やっぱり体液が吸収しているわけじゃないみたいね」


 スライムは魔力回復シロップを飲み、核の周りで回転させていた。そのうち魔力は核に吸収されるようだ。


「コウジ、属性魔法じゃなくて、性質変化とかはできないかな? 粘着性が高いとゆっくり見れるんじゃない?」

「そうだね。魔石の粉に性質変化を付与してジュースを与えると……」


 やってみると、内膜の溶解液は魔法の影響を受けやすいが、体液自体はそれほど魔法の影響を受けないことがわかった。


「つまり、火魔法で攻撃されて溶解液が燃え、ストレス値が上がることによって体液が溶解液へと変化し、魔法に弱くなるってこと?」

「そうだと思う。だから、スライムには体液と溶解液の割合があるってことだよね? 人工スライムを作るにしても液体は二種類作らないといけないんだね?」

「そうだよね。でも、なんでこんな不思議な生体をしているの?」

「溶解液に魔石を浸けておくと、溶解液で魔石が溶けちゃうからじゃない?」

「スライムってそんな不憫な生体をしているのね。本当に微妙なバランスで生きてる魔物ってことなんだ」

「人工スライムは出来るかな? で、見てるとわかるけど、吸収が遅いよね?」

「いや、そうなのよ。魔力を吸収する植物はまた別にあるじゃない?」

「だから吸魔草の取り込み口をつければいいのかな? でも劣化するよね?」

「そうなんだよね。草だと枯れるから、効果だけが欲しいんだけど……。思っている以上に難しい! しかも工程が増えれば増えるほど、製作費は増えるから確かに採算は合わない」

「わあ! 本当だ! でも、コムロカンパニーと同じ位置には行けたね?」

「それは、そう! ここからね!?」


 魔力や魔法の影響を受けにくい魔石を浮かべられる液体と、魔力を通しやすく吸収しやすい液体を、植物から取れる物だけで作ることがわかった。

 実験初日にしてノートの書き込みが大変な量になってきた。


 ちなみに水魔法は効きにくい。スライムが攻撃だと思わないからだ。火魔法は効くことがわかっていたので、風魔法を処理。内膜の中に竜巻が起こり、核まで行く頃には、体液ごと弾け飛んでいた。


「実験してよかった。かなりわかったよ」

「本に書かれていることは、理解しやすいように書いているだけで本当はこれなんだね。次に実験するときはローブか白衣を用意しましょ」

「そうだね」


 スライムの溶解液だらけになった服を拭いながら俺たちはダンジョンを出た。


 放課後、ラジオ局で実験結果を共有。意外なことにウインクが「自分も実験に参加したかった」と言っていた。


「私も見たかったぁ。植物学の方を受けてたから、ずっと植え替えの手伝いをしてただけだったよ」

「ローブならすぐに用意できるよ。エディバラの古着屋からすごく安く手に入ったんだ。直してラジオショップで売ろうかと思ってたんだけど使うか?」

 グイルはすでに情報を集めながら商売を始めている。これで成績がいいんだからすごい。実際夜中まで勉強しているか、売上の計算をしている姿を俺たちは見ている。


「頼む。意外と汚れるし、意外と噛まれる」

「腕に巻く何か防具が必要なんじゃないか?」

「革製でいいなら作ってやろうか」

 ゲンローも普通にいるので、手伝ってもらえるらしい。まだ鍛冶屋連合は文化祭で何を作るかは決めていないと言っていた。


「頼みます。でも、そんなに実験するかな。疑似のスライムをどうやって作るかっていう実験がメインだからなぁ……」

「でも、スライムの成分としては水がメインなんだろ? それほど材料を使わないんじゃないか?」

「じゃあ、試してみるか? 瓶に水と魔石を入れて、一日窓辺に置いておこう」

「それは何も起こらないか、シンメモリーズとかがやってきて別の魔物が生まれるわ。わかり切っている実験はやめましょう」

 ミストに止められた。


「じゃあ、やっぱりゼリーの中に入れて、様子を見てみれば?」

 ウインクが提案してきたが、その場にいた四人はゼリーが何だかわからない。

「ゼリーってなに?」

「あれ? 知らない? 寒天。たぶん、レビィさんなら知ってるわ」

「食べ物?」

「そう。甘味かな。プリンみたいなもの」

「ああ! あれかぁ」


 プリンもわかる者とわからない者がいる。

 家庭科教室に行って、レビィに聞いてみると「作れるよ」と乾燥した寒天を見せてくれた。


「これをお湯で煮詰めて、果物を入れたりするんだ。これだけでも触感は面白いけどね。一旦冷やさないといけないからアイスボックスみたいなものがあると季節に関係なく作れるかな」

 冬の甘味だったらしい。


「でも、結構早めにカビが生えるから気を付けた方がいいよ」

「え!? そうなの? じゃあ、スライムは無理かぁ」

「緩衝材としてはいいけどね」

「だから、スライムは中で体液を動かしてるんだろうね」

「そうかぁ……」

「別にアルコールに付ければいいんじゃないですか?」

 家庭科の先生が教えてくれた。

「ああ、強めのアルコールに付ければカビは生えないんですか?」

「ええ。カビが出て来ても取り除いてしまえばいいです。表面がカビているだけなので」

「なるほど……」


 とりあえず、柑橘ゼリーを作って食べさせてくれた。

 めちゃくちゃ美味い。


「なんだ、このご褒美は? ものすごい美味しいです!」

「そりゃよかった」

「私、これ好物だわ」

 ミストも嵌っている。

「ウインク、こんな美味いものを食べていたのか?」

「だって、船で旅してたから、どこかの港で出てきたんだと思う。美味しいよね?」

「人工スライムの前に、果物ゼリーの専門店を作った方がいい。これから秋になって果物が美味しい時期だから、特にハチミツ漬けの果物とかお酒に浸けた果物とかもあるからさ」

「一応、王都にも売っている菓子屋はあるんですけど、高価なんですよ」

 家庭科の先生は王都の甘味事情にも詳しい。


「寒天自体が高価なんですか?」

「それは、それほどでもないですね。海にあるものなので結構取れるらしいです」

「じゃあ、人工スライムはお酒代をかんがえればいいのかな……。いや、お酒は全部高いよね?」

「高いし、魔物も別に嫌いじゃないでしょ」

「ああ、そうか。じゃあ、魔物除けの薬を入れる?」

「ゼリーに?」

「そう。もったいない気はするけど……」

「あなたたち人工スライムなんて作ろうとしているの!?」

 家庭科の先生は驚いていた。


「ええ。結局、魔石の需要は今後増えていくじゃないですか? 何度でも使える蓄魔器を考えてるんですよ」

「それで人工スライム」

「ええ。魔物化しないようにして、メンテナンスをしながら都市部ではないところにも広げられないかと思って」

「確かに必要ですよね」

「樹脂とかの方がいいんじゃないか?」

 グイルは食べ物を粗末にしている感じがしているらしい。俺もそれは思っていた。


「いや、量産することを考えると、こっちの方がいいかもしれないよ。別に使い捨てるわけじゃないしさ」

「魔物除けの薬は簡単だし、今はどこにでもあるからすぐに作れると思う」


 この学校で物を作ろうとすると、翌日には試作品が出来上がっている。


 瓶の中に薄っすら緑色のゼリーが入っていて、真ん中に小さな魔石が浮かんでいた。魔物化はしていないし、シンメモリーズも来ない。


「ただ、これは魔物化はしないけど、魔力を補充できるかっていう話だよな」

「できなくはないけど、すごく遅いよね? もう一つの液体が結構重要だってことでしょ?」

「溶解液の方か。溶解液にはしない方がいいんだよな? 魔物除けゼリーが溶けちゃうから」

「そうそう」

 部屋の窓辺に置いて観察しながら、ノートをつけていく。作業自体は地味だが、着実に進めていく。


「皆、地道な作業も好きよね?」

 ウインクもちょっと笑いながらノートに気づいたことを書いていた。

「前期のラックスさんを見ていれば、誰だって地道に努力した方が結果がいいことはわかったからな」

「後は、吸魔装置と魔力を通す液体を探すと……」

「魔水でもいいんじゃないか?」

「すぐ魔石に取り込まれて終わるでしょ? そうじゃなくて魔力だけを運ぶようなものがいいんだよね」

「そんな液体あるかな?」

「植物園に行ってみるか……」


 ラジオでも、すでに冒険者ギルドの職員を呼んで話を聞いているので、人工スライムの実験についても進捗状況を話している。

 翌日の朝食に果物のゼリーが出てきたりして、食堂がちょっとした盛り上がりを見せていた。「こんな食べ物が世の中にあったとは……!」という学生たちからの声も紹介しておく。


「やっぱり注目されていくんだよな。ほら、見ろよ。蓄魔器開発への支援はしていないのかって外部から手紙が来てるぞ」

「一旦、まだ自分たちの資金でどうにかなっているから断っておこう」

「蓄魔器は安く、簡単に出来ないと普及していかないからね」

「レビィがラジオショップでゼリーを売りたいってさ」

「それは許可しておこう。ちょっとマージン取って、研究開発費に回せないかな」

「資金獲得にも動き出すか……」


 着実に一歩ずつ進んでいるが、次の一歩までが早い。王都で研究するのは人が多いからだろう。


「コウジ、瓶の加工が出来ないかな? 魔法陣のスタンプみたいなものがあれば……」

「大丈夫、それ? 違法にならない?」

「それほど危険じゃなければいいんだろ?」

「とりあえず、今の勢いが止まるまで試作品を作ってみよう」

「了解」


 情報もどんどん届くし、俺たちは手を休めることはなかった。

 総合学院、二年目の秋が始まっても、暑さが残っていた。


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