表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怠惰でチートな異世界創造者(マジッククリエーター)  作者: 市川キキ
第1章、始まりと終わり
5/62

4話、瞬殺

ストーリー上、不自然な点が見つかったので修正しました。

「そういえば俺、自己紹介してないな」



 男が突然喋りだした。正直、どうでもいい。



「俺の名前はアーガルド・カーバント。獣国の七雄士の一人、(かん)の称号を貰っている」

「韓、というのは?」

「まあ、簡単に言うと序列だ。ちなみに韓は上から七番目、つまり序列七位だな」

「なんだ、最下位か」

「なにそのあからさまの落胆ぶり!?」



 あまり興味がなかったが、流石にビビった。最下位だが、序列七位は強者だな。



 一応ステータス、視ておくか。



NAME アーガルド・カーバント(七雄士、韓 キルルの護衛)


 LV 89


 HP 2330


 MP 644


 ATC 2011


 DEF 1872


 SPE 1598


 INT 446


 LACK 31


 NEXT 14451


 EXP 376778


 KILL 七雄士の籠手


 ARMOR 七雄士の鎧


 MAGIC イグナイテッド 火 初級 (4)

       バーニング 火 中級 (3)

      

 SKILL 獣力解放(じゅうりょくかいほう)、7 獣赫解放(じゅうかくかいほう)、2 熱雲剣(ねつうんけん)、6 熱陰極剣(ねかげ ごくとう)、3 熱解離、5 精霊召喚(エレメンタルサモン)



(強いことは強い。スキルも名前からしてかなりのものだろう)



 獣国。獣耳の奴らが集まる国なのだろう。それにあの耳は獣人という人種の証で間違いなさそうだ。



 体力、攻撃力、防御力が高いのはきっと近距離戦を得意としているから。それはマジックとスキルでも言えること。



 技名の隣の数字、あれは熟練度みたいなので解釈はあっているはず。何となくだが。



運は生まれつきのもので、レベルがアップしても変わらないのか。上がったとしても少しだけだろうな。



(ステータスの数値は高い。一つだけ例外があるみたいだが)



 アーガルドたちは急に黙り込んだ遥希を見て首をかしげている。と、そこに複数の気配。



「どうやら囲まれたみたいだぜ」

「そうみたいですね。1,2,3……。7人いるみたいです」

「7人か……。少し厳しいな」



 賊の頭上には、15と表示されている。 



 狙いはキルルだろう。王族だし。俺には関係ない。ないんだが、



「あいつらは俺がやる」



 その遥希の発言に二人は驚いている。いきなりの申し出に戸惑っているようだ。



「よし。アーガルドはキルルを守っていろ」



 そして遥希は笑う。獰猛に。



「殺ってくる」

「殺すなよ!?」

「……わかった」



 人の殺傷はやはり禁忌らしい。少し残念がるが、笑みは崩していない。



「ちょっと言ってくる」



 ちょっとコンビニに行ってくる、的なノリで飛び出す。



一文字創造(シングルキャスト)、穴、穴、穴、穴、穴」



 穴、を5回がけし、目の前の二人以外を転倒させる。



一文字創造(シングルキャスト)、刀、風、雷」



 遥希は刀を左手に持ち、風に乗り行動、動作を高速化、そして刀に雷を纏わせる。



 瞬時に敵の後ろに回り込む。そして刀の峰をしたにし、右腹部に一閃。標的になった敵は刀の打撃と雷の感電で、意識を刈り取られる。



「まずは一人」



 その間に転んでいないもう一人が遥希に切りかかる。が、その斬撃は目に見えない不可思議な何かによって弾かれた。



一文字創造(シングルキャスト)、壁」



 その隙を遥希は逃さない。本当は首を狙いたいのだが、肩にしておく。



 体重移動をし、肩に突きをお見舞いする。その突きは皮だけを切り裂き、先ほどと同じように感電させる。



「二人目」



 その間僅か3秒。あっという間だった。



「次は……」



 そう言うと同時に移動を開始。しかし相手も負けてはいない。



「「「「「バーニング!!!」」」」」



 残った五人、全員の全力攻撃。火属性の中級呪文を放つ。流石にまずいと思ったのか、キルルは、



「危ない! 避けて!」



 と叫ぶが、遥希は、



「俺の後ろにはお前らがいるだろ。避けるなんてバカみたいな策はとらない。それに……」



 遥希の目の前にはすでに魔法が迫ってきている。



 遥希は動かない。それどころか手をバーニングに翳す。ただそれだけしかしない。何故か、それは、もう勝ち筋が見えているから。これ以上の動作はしなくていいから。



 魔法が当たる。そして遥希は死ぬ。全員の頭にはその過程と結果しか見えていない。だが遥希は確信をもってこう言う。



「俺の戦いは、始まる前に勝っている」



 遥希の手にバーニングが当たる。そして、



 ジュッ



 その音はここにいる全員が聞いた、火が水をかけられて消える時のような音。



「それはどんな状況でも関係ない。奇跡でも偶然でもないなにか。それは」



 翳した手から夥しい量の水が放射される。それは残りの五人を飲み込む。



「必然だ」



 その言葉と同時に水が弾ける。それは太陽の光を浴びて眩しいほどに輝く。



 賊の七人は地面に突っ伏している。身動き一つ取らないところを見ると気絶しているようだ。



「次来るときはもう少し人数を多くしろ。無論、それでも叩き潰してやるがな」



  キルルとアーガルドは呆然と立ち尽くしている。 



 第3皇女を襲った賊は何者かに潰された。7人が10秒ほどの時間に。



 この話は獣国の王族の耳にも入ることになる。



 そしてこれも遥希が後に英雄と呼ばれる所以である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ