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プロローグ

ある日植物が光合成をやめた。

今まで植物は細胞の中にある葉緑体が太陽光と二酸化炭素をデンプンと酸素に換えていた。植物が生み出した酸素を地球上多くの生物の生きるために使われる。地球上多くの生物がその酸素を吸い、二酸化炭素を排出する。その二酸化炭素を植物が光合成を行い酸素に換える循環が古代から行われていた。

いつもどおり世界のトップクラスの生物学者が趣味の一環としている顕微鏡での植物細胞の観察をしていたところ「葉緑体が無い植物」を発見する。新種かなんかだろうと思った生物学者はメモ程度に書き残しいつもと変わらない生活を一年続けた。いつもと変わらず同じように秘書が部屋の掃除をしているときここ一年の記録を見返していると決してありえないことに気がつく。

「ノートに記録されている植物細胞全てに葉緑体がない。」

最初は書いた本人の書き忘れかもう葉緑体がある事は当たり前だから書かなかったのかのではと思ったが、最近の記録データやスケッチを見てみるとやはり「葉緑体の記録がない」なぜ細胞壁や液胞ははっきりと書かれているのに葉緑体だけが一年前の記録データからないのだろうと疑問に思った秘書はとりあえずなんでもいいから自分のこの目で確認してみることにした。すると、そこらの雑草を引っこ抜いてきたはずなのに葉緑体が見当たらなかった。溶液をいくらつけても変色するのは核だけ。いてもたってもいられず本人に確認してみるとすぐさま光合成を盛んに行っていた植物を観察対象植物に選びつきっきりで観察を行うことにした。

なぜ世界トップクラスとでもあろう生物学者が急遽観察対象を適当に選びつきっきりで観察などと言ったのか。これは全生物の生命危機がかかっていると瞬時に脳裏を横切った。

「植物は葉緑体を持っていないのにどうやって二酸化炭素を酸素にしているのか」

葉緑体がなくなって推測1年近く経っていてなぜまだ生物は生活できるのか。酸素がまだ地球上に残っている?酸素はまだ地球上にあるがいつなくなるかわからない状況下に置かれている?どんなことでさえ酸素がなくなってしまっては生物生存維持に関わるため深く植物の観察をいつ用途考えたのだ。

観察には世界各国から生物学者のスペシャリスト達5人が半を結成し行われた。実験に使われたのは光合成を盛んに行っていたとされるトウモロコシ、ヒエ、オヒシバ、ジョンソングラスの4種類の植物が選ばれた。結果は実験初日で明らかになった。

昼間は何事も行われることなく葉緑体がないこと以外は驚くことに何も起こらなかったが、酸素を出している様子が見られた。何をエネルギーとして酸素を出しているのか謎で葉っぱを調べようにもただついているだけで飾りのようになって本来の機能を失っていた。夜になると呼吸するはずである植物に今までにない動きが見られた。茎から手のようなものが生え始め、みるみるうちに伸びてゆき近くで監察医していた科学者4人を縛り上げ命を吸い取っていくかのように縛られた科学者らは皮と骨だけになりしおれ落ちるかのように死んだ。記録には植物に生命エネルギーを吸い取られているように見えた。と書かれている。目の前で4人のしおれていく姿を見て、残った科学者は植物から十分な距離を保ちこの記録を残した。

この観察でいくつかの仮説が生まれた。

一つ目は生物のエネルギーを吸い取ってそれを酸素に変えて出している。

二つ目は近年地球温暖化が進み大量の二酸化炭素で植物たちが手に負えないという思考を持ち二酸化炭素を排出する生物の数を減らし酸素を出しているのではないか。

三つ目は自然の中での植物の進化と自然の対応力の結果。

どの仮説があっているのかはわからないが二つ目の可能性があるとすればかなり危険が大きいと考え植物の排除を決断した。三つ目の仮説の可能性を考え地球上の生物が酸素なしでも生命を維持できるように植物に対抗できる力と新たな臓器機関を持ち合わせた子供たちを、人工的に作り上げた精子細胞と人間の卵子を受精させることで「対害植物人間」を生み出した。人工的な精子細胞を用いるため生み出される子供たちは女の子の割合が多かった。植物を手っ取り早く排除するには「火」が一番有効と考え子供たちは体内から火を出せるよう本来の人間の肺がある部分に火炎胞とガス胞を置いた。

対害植物人間として生み出された子供たちは体は元は人間そのものであるため、知性も体力も十分でない限りとても植物に対抗できなかった。

17年後。対害植物人間意外にも全時代に生まれてきた大人たちも酸素なしで生命を維持できるような体にすることに成功し、人間以外の生物も同様に酸素を必要としなくなった。そして対害植物人間20億人たちが子供から大人になってくる17歳となり十分な力をつけた。女8割男2割となっており力が強い男は貴重戦力とされた。

人類が劇的な進化を遂げたと同じく植物もまた急激な進化を遂げていた――――。


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