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第5話

寝る前に投稿

・・・・・・・・・・・・・・・・・見なかった事にするか。


さっきまでの気持ちはどこへやら。もちろん見殺しにするのを肯定するわけじゃないんだが、ほら、あれだ。

異世界と言えば現実ではあり得ない程の美人さんときゃっほー!ってのが普通じゃない?


え?普通じゃない??あ。さいですか


そんなくだらない事を考えていると、あちらも自分に気がついたらしい


「た、助けてください!もうMPも回復薬も切れてしまって!!」


そうウルフに警戒しながらも、こちらに必死に叫んできた。それに反応したのかウルフ達もこちらに気付いたようだ。

それでも包囲を崩さないのは、弱った獲物から仕留めていくという狼の本能故だろうか?まぁ、その考えは間違ってはいないだろう。


相手を包囲しているところにもう一人敵が現れたなら、先に包囲して弱った敵を殺してからもう一人を包囲して仕留める。

少し賢いものなら誰でも気付くだろう。だが、今回においてはそれは悪手であると言えるだろう。


何故ならばウルフ達は自分達と俺の力量の違いに気が付けなかったのだから。


ウルフとエルピーのレベル差は大凡2か3。そのエルピーでアレだったのだから、2・3しか違わないウルフであったとしても結果は見えている。


そう。彼らは今回は諦め逃げるべきだったのだ。無理して狩りをするのでなく、生き延びることを第1にすることを最優先せねばいけなかった。


「まぁ、うだうだ言ってても仕方ないか。おーい、少年!後1分粘れ。そしたら助けてやる」


そう叫び返してやると、ヒューマンの少年は安心でもしたのか気に緩みがうまれていた。


(あ~。ありゃ1分もたねぇかも?なら、さっさと準備するか)


気持ちはわかる。もし自分が彼であったなら同じ風になったであろう


でも、敵を前に気を緩めることは死に繋がる。それが出来ていない時点で彼はまだまだひよっこということだ。偉そうに言ってる自分も同じかもしれないがね


助けると決めたなら、まず自分の装備を確認する。防具に関しては問題ないが、武器に関してまだ何も確認していなかった


ゲーム内では常に装備しており、手に持っているのが普通であったが今は違う。もしインベントリの中にあるならば取り出さねばならない


ポーチに手を入れ目的の物を探すのだが、中の物が全て目に見えるわけではない。ならどうするか?

魔法で考えるならインベントリは空間魔法に属するはず。ならば自分が今出したい物を考えれば・・・・・・・・・・・


「ビンゴ!」


ポーチから引き抜いた手には短剣が握られていた。これも自分が大量のゲームマネーをつぎ込んで作った二刀一対の短剣だ。

武器なんて自分は初めてもつはずであるのにとても手に馴染む。ゲーム補正とやらだろうか?

まぁ、それは後で考えよう。今優先すべきことは唯一つ



両手に短剣を携え、少年の元に駆け出す。もちろんそれを黙ってウルフ達が見ている訳がなく、こちらを警戒していた2匹も自分に向けて駆け出してきたのだが


それはとてつもなく遅く感じた。むしろ止まって見える。


これなら楽に済む、止まって見えるウルフの首を薙ごうとしたときだった


「ッ!?」


先ほどの光景がフラッシュバックされ、体が硬直し腕を振り切ることが出来なかった。

そのまま2匹を避けるようにすり抜けてやり過ごしたが、これは非常にまずい


自分だけであれば、避け続けることも逃げる事も可能である。しかし、彼は違う。まだ粘ってはいるものの、それも長くは続かない。


ここで自分がウルフを始末しなければ、彼はここで死ぬことになるだろう。だが、頭でわかっていても体がそれを拒絶している。いや、心がだろうか?


そうだ。そうだった。ゲームの世界ということに浮かれていたけど、ほんの数刻前までただの一般人でしかなかった。それが急にこんな世界に入れられた上に、生き物を簡単に殺せるわけがない。


そんな自分の迷いに気がついたのか、2匹のウルフは猛然と襲いかかってきた。ビデオのコマ送りのように見える動きに焦ることはない。だが、殺せない。でも、殺さなければ彼が死ぬ。


(どうすればいい?!いっそ彼を抱えて逃げるか?)


そう考えた時には、もう遅かったらしい。短い悲鳴が聞こえ彼を見やれば、背後から攻撃を受けたらしく片膝をついた状態で詰め寄られていた。


いくら動きが止まって見えようとも、彼とはまだ距離がある。彼の元に着く頃には牙が彼に届く寸前であろうと考えられる。


つまり、決めなくてはならないのだ。覚悟を決めるか、それとも彼を見殺しにして逃げるか。


今まで聞いたことのないくらいに心臓の音が聞こえる。


どうする!どうすればいい!?それだけが頭の中で巡り続ける。だが、ウルフはそんな時間をくれるはずもなく、彼の元に駆け出した。


それを見て、自分は・・・・俺は・・・・・頭が真っ白になった。




















気がついた時には血の海に俺は立っていた。周りにはウルフの亡骸が転がっており、不思議とそれを見ても何を思わなくなっていた。


いや、違うな。きっと前世とも言える義信であった自分なら思うとこがあるどころか、又吐きながら涙を流していたことだろう。


今は恐怖で気絶している彼の元にウルフが駆け出した時に、義信であった自分に限界がきたのだろう。いくら見殺しには出来ないといっても、所詮は他人の命。それでも助けたいと願う気持ちに拒絶する体。


そこで限界を迎えた。暴走するかの様に短剣を振り、突き、ウルフを殺していった。だが、このままでは正気に戻った際に心が壊れてしまう。それを防ぐために


人間であった自分と


ダークエルフであった自分


その2人の自分が1つになったのだ。



何故こんな他人事に話せるのか?それは簡単だ。


いくら2人の自分と言っても、それは主観であって全く同じ人間であるわけではない。その2人が1つになればどうなるか?そう。記憶だけを持つ別人として生まれ変わったのだ。


だから、記憶があってもそれに対して特に何の感情もわかないし、この様な惨状を見ても何も思わない。


だって、もう、人間であった義信でもダークエルフであった義信でもない



この世界の住人として生まれた落ちた唯一人の狩人なのだから。

眠くてうまく考えが・・・・・。

とりあえずUPして寝ます。


おやすみなさい

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