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営業マン、ぺたをかばって散る

朝から暑かった。

都心のコンクリートは熱を蓄え、照り返しが顔面を刺すようだった。

俺は安売りスーパーの特売チラシを抱え、炎天下をひた走っていた。


「……マジでやってらんねぇ」


俺は加藤清光。営業マン。28歳、独身、趣味は“ぺた探訪”。

女性の胸のサイズが控えめであればあるほど、心が安らぐ体質だ。

部長からは“変人”と呼ばれ、後輩からは“童貞臭”と嘲られている。

だが俺は、この信念を貫いて生きてきた。ぺたんここそが至高だと。


そんな俺の足元に、不意に少女の影が差し込んだ。


「……あれ? おい、危ないって!」


ランドセルを背負った女の子。小学1年生くらいか。

その小さな体が、信号無視して交差点へ飛び出そうとしていた。


俺の体は自然と動いていた。


「やめろ、そっちは――!」


目の前に迫るトラック。

白と青の車体が、信じられない速度でこちらに向かってくる。

――間に合わない。


そう思った瞬間、俺はその子を突き飛ばし、自分の体で庇った。


がしゃあああああああん!!!


激しい衝撃。

鈍く、冷たく、鉄臭い世界が、俺を包んだ。


……痛くなかった。

ただ、遠くのほうで少女の泣き声が聞こえていた。


(……無事なら、それでいい)


意識が、闇に沈む。


気がついたとき、そこは――真っ白な空間だった。

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