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隕石Xに愛を込めて  作者: 静水映
第七章
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隕石Xに愛を込めて

 ――……僕はね。歌を歌うことと、それから自由に旅をできること――それが生命にとっての最大の自由だと思う。


――だから、グレイム。僕やカナタと自由になったあかつきには、一緒に旅に出よう。


――旅先で、国も法律も存在しない場所を冒険して、僕たちみんなで歌を歌おう。


――とびきり明るい、祝いの歌だ。作曲経験なんてないが、それは僕が考えておく。


 塔が聞いたことのないメロディを奏でた。


 トウモリは『展望』からその曲を聞いていた。

 『精霊機獣』と『機械兵』、挑戦者たちは動きを止め、砂漠中に響くような軽やかな曲調に耳を傾けた。

 その曲は明るく、アップテンポで、愉しい気分になるものだ。

 しかしそれと同時に、不思議と泣き無くなるようなノスタルジーがあった。


〈はは……〉


 砂から顔を出したグレイムは、その音を聞いて思わず笑った。

 旅立ちの当日、マモリが『管理室』に籠って設定していたのは、自分が外に出たときの祝いの歌だと知った。


〈粋なことするじゃねえか。マモリ……〉


 グレイムはそれから、繰り返されるメロディに合わせて小さく歌を口ずさんだ。

 歌詞もないメロディだけを遥か彼方の宇宙へと捧げた。

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