哲学者、異世界に転生する

火刑台で目を覚ましたその瞬間、私はこの世界の“問い”を受け取った。
魔族と人間が対立し、神の名のもとに異端が焼かれる世界。
その最中に現れたのは、沈黙と論理で生きる魔族の少女だった。

哲者者として生き、問いを重ねてきた私が、
いま、異世界で再び問うことになる。

正義とは何か。倫理はどこから生まれるのか。
焼かれる思想と、沈黙のまなざしのあいだに、希望は残っているか。

――言葉は、火では燃えない。

哲学者と魔族が“問い”から始める対話と旅の物語。