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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
辺境の1地方の終わりと国家間攻防(物理)の始まり。
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立場に則した役割のために相応しい姿になる。

「エルゼリア様、ターシャ様よりプレゼントも届いております」

「…も?」

「はい」


何時も通りの朝を迎えた私は昼から開戦する今日からは言ってなんだが、

動きやすい格好をするつもりだったのだ。

色々あるけれどいざとなれば私は「魔法」を行使する事を当然躊躇わない。

数少ない貴族であることは同時に「魔法」が使えると言う意味でもある。

けれど、私の使う「魔法」も特殊な物になってしまっていたが。

ゲームで言えば「悪役令嬢エルゼリア」らしく、

「闇」と「炎」の力を使える様になるはずだったのだ。

のだが叔父様がいた所為でそうはならなかった事を喜んで良いのか…

悲しむべきなのか…

私の魔法の訓練は当然リリーが行ってくれてはいたが、

ちょいちょいと叔父様がちょっかいを出して来たせいで可笑しな事が、

出来る様になってしまっていたから「ヤベェ」ものへと切り変わっていた。

叔父様曰く…


「闇って何?書籍とかには光を飲み込むうんたらって書いてあったんだよ。

それってさ、空間を捻じ曲げる超重力空間の事なのかって仮説を立てたのさ。

でもね?ここからがこの世界は面白くてね?

重力偏差を起こせる質量を生み出そうとすると、

ものすごぉーい魔力を持っていかれるんだ。

死にそうになる位に全力で、魔力が減る。

でもね?

闇っぽい言葉でさ、たとえば「ダークフレイム」とか?

そう言う言葉で発現させた炎が、

相手に「ダメージ」を与えている「原因」を考えると話が変わってくるのさ。

フレイムだから「熱」っぽいんだけれど「黒い炎」なんて、

黒い炎の形をした重力空間ぽいんだよねぇ…

で、触れると燃やされる様な形でその部分が潰されてるぽく見えるんだ…

魔法って訳が分からないから魔法なんだよね。

常識が通じない」


つまるところ私は闇魔法の適正と言う名の「重力コントロール」に見せかけた、

「別の解らない黒い空間」へと繋げる力が闇の力らしい…

その時点で意味不明なのだが分解された「闇の力」は叔父様いわく、

そう言う事にされた。

となれば「転移」が出来るとか何とかで…

で、炎の方も熱だけを貯め続ける事をすればそれはいずれ飽和状態となり、

闇魔法で空間を作りそこに熱を貯め続けて、

一部区切っていた空間を解除してあげればその瞬間「熱」は一方にだけ。

解放されて…

それはいわゆる高出力レーザーと呼ばれる物へとなり果てたのだった…

それを見た叔父様は…


「うんうん。

やっぱり魔法って不思議だね。

今発射されたのは何だろうね?それにエレメントって何だろうね?」

「私に聞かれても…」

「そうだよねぇ」


そんな訳で私はいざとなればレーザー?で木造船位焼き払える力を、

手にしてしまっていたのだった。

とはいえ叔父様の作った魔法妨害装置の前ではそう言った事も出来ないけれど。

話がそれたけれど最後は魔法を使って戦う事も当然考えていた。

のだけれど…


「リラーナ?コレは何?」

「今日からエルゼリア様が身に着ける物です」

「それは解りたくないけれどわかった事にするけど…」

「では早速始めましょう。お時間がありませんから」

「そうね」


用意されていたのは一段と重たそうな飾り付けがされている、

ドレスの形をした鎧だったのは言うまでもない。

ターシャ義姉様が用意して送って来たのだから、

当然身に付けないなんて事は許されない。

昨日着た礼装の上から取り付けられる鎧の様な物は、

当然固くて重たい物なのだ。

とはいえ命を守る為と言う意味ともう一つ。

代表者として相応しい格好をする必要がある。

それはいわゆるオースヴァイン王国の貴族の伝統の様な物だ。

無様に生き汚く生きるのではなくて、美しい格好のまま逝けという伝統らしい。

当然爵位に合わせた鎧型の礼服も用意されている。

既にオースヴァイン王国から離別の道を歩みつつあるのだから、

戦争の常識も切り替えていくべきなのだとは思う。

けれど、今のファルスティンはまだオースヴァインの伝統を、

切り離せない。

理由はたった一つ。

それが開戦の理由となってしまうから。

ファルスティンの戦争は続く。

だからデルフィナス王国との戦争は勝つにしろ負けるにしろ早急に、

決着を付けなければいけない。

着替えが終われば私はそのままの足でギネヴィアの部屋に向かう。

案の定と言うか当然と言うか、逃げ回ろうとするギネヴィアを、

さっさと捕まえて用意されていたドレスを着せる手伝いをするのも忘れない。


「私達がいる場所は後方でしょう?

それならこんな格好しなくても…」

「後方だからするのよ。意味はわかるでしょ」

「うぅ…」



そう後方の指令室として機能するこの屋敷に前線で戦う様な空気は流れない。

いわゆる「モニターの向こう側」のイメージがどうしても付きまとうのだ。

そのイメージを払拭させると言う意味ともう一つ。

私とギネヴィアにとってこの鎧型ドレスを着なくてはいけない意味が一つある。

きっとその意味の方が大きい。

リチェルチェに案内してもらう形で私が続きギネヴィアが最後に指令室として、

整えられた場所に入室する。

その部屋の一番奥の一段高い所に用意された椅子へと腰掛ける事になる。

当然ギネヴィアもその隣に座ったのだ。

私達の姿を見た指令室いた士官達は息をのむしかない。

煌びやかに仕立て上げられたドレスには魔石が大量に縫い付けられている。

どう考えてもギネヴィアも私も戦う為にする格好ではなかった。

けれど、しなくてはいけない「伝統」がそこにはある。

遠くはなれば場所だから例外的になんて事は許されない。

部屋で待っていたアルフィンも当然私達の格好を見て「意味」を理解する。

これがこの国の貴族の義務で「高貴なる者の定め」とか言うのだから、

笑えない部分ではある。

オースヴァイン王国の由緒正しい (人質の) 伝統であり、

国境を維持する前線の領主の妻や家族の正しい姿だのだ。

子供がいれば子供が。

いなければ妻がその立場に立たされるのだ。

つまり領地を見捨てて逃げない様にする為の、

逃げない事を示す姿(逃げられない恰好の衣服を身に着ける)を、

しなくてはいけないのだ。

最前線の領主が領地を見捨てて逃げ出さない様に、

当然爵位に合った物が国から「支給」されいざこざが始まる前に、

王国から派遣された使用人達が着せて帰るのだ。

ほとんどの場合は玉砕させる為の処理でしかないと言われている。

何せ派遣された着せ替えさせた王国から派遣される使用人達は、

「着せに行く事」はあれど「脱がしに行く」事は無いのだから。

一時的に領地は奪われる。

けれどその間に反撃の手段を用意する為の時間稼ぎをさせる為の、

物なのだから。


もちろんターシャ義姉様が送って来たドレスがそう言った類の物ではない。

大量の魔石を縫い付けられたそのドレスは当然戦うために用意された物。

そしてそれを送って来たって事は「逃げなくていい。戦いなさい」という、

ターシャ義姉様の許しなのである。


通常は魔法妨害装置が起動してしまえばほとんどの魔法は使えなくなる。

けれど例外的に妨害装置に登録された「人物」の波長を乗せてあげれば、

魔法の発現も可能となる理解不能な技術があるの。

その辺りは叔父様の不思議な技術の塊らしいので私には理解出来ないのだけれど、

魔法と蒸気文明の融合した「何か」らしい。

その叔父様マジックのお陰で都市全体に防御結界を張るくらいは、

個人の魔力で出来てしまう。

その代り魔法妨害装置の影響を受けない人が必要で、

それが「今」は私とギネヴィアなのだ。

後はバルダー家全体に張り巡らされた魔術刻印と同調させて、

屋敷内で防御結界を発動させてあげれば連鎖的に共鳴して、

都市全体を囲う様に結界が発動する。

所謂広域バリアーの様な物だ。

もちろん維持するにはそれ相応の魔力が必要でその魔力を維持するために、

ドレスにはこれでもかと魔石が縫い付けられているのだ。

その結界を発動させる意味を知っている指令室にいるアルフィンを中心とした、

士官はそれだけでファルスティンもバルダーも逃げると言う選択肢を、

持っていないと言う無言の意思を受け取る事になる。


「随分時間をかけていたようですが…納得です」

「出来る事なら何でもするし、ギネヴィアにもして貰うわよ」

「それは私達の義務でしょう」

「ええ。その通りね」


アルフィンもギネヴィアの様子を気にしつつ、

着せられていたドレスを必死にほめていたのだった。

そうよね。

戦時下に入れば煌びやかな姿から逃げられると思っていたら、

まさかの逆なのだから。

ついでに言うのであればこの魔石が大量に縫い付けられたドレスは、

当然ギネヴィアの方が立派に仕立て上げられている。

それは当然「バルダー」だし都市ギネヴィアだから仕方がない。

都市の結界へと繋がる為のドレスの愛称は当然ギネヴィアの方が優先される。

私の為に用意された物は当然「都市エルゼリア」に最適化された物なのだ。

とは言え戦うと言った最終決断をしたのは私だから最初の結界を、

張るのは当然私がする。

相手方が考える正午と私達が考える正午が同じなのか少々解らないが…

戦闘が始まる前からアルフィンは半島の先端の隠れた監視所で相手に動向を、

当然の様に掴んでいた。

大きなテーブルの上に近隣の地形図を置き、

その上に駒を置いてリアルタイムで駒を動かしながら、

状況を把握して戦いをするめるらしい。

連絡は都市全体に張り巡らされた蒸気管を

モールス信号の様に叩く事で伝達するとの事。

近場は昔の船舶に利用されていた伝声管も併用して伝達するとの事だった。

あとは地図の上で状況を把握しながらやるしかない。


「さて…何日位かかるかしらね…」

「相手の砲の射程次第でしょうね」

「殲滅させられる?」

「可能であればそのつもりですが、出来れば旗艦と随伴艦位は手に入れたいです」

「大きく出たわね」

「沖合に停泊していた帆船を見ればそう思わずにはいられません」

「そう」


アルフィンの敵の解析を信じるならそれはきっとできると思う。

私は地図の上に用意された駒の数を見ながら不謹慎だが、

敵の傲慢さを思い出して笑うしかなかった。

日は上り沖合に停泊していた船舶に帆が張られたと報告が来るのだった。

全体的に動き出した報告が来た時点で、向こうに戦闘をする意思がある事が、

確定したのだ。

それはもう再度新しい人を使って交渉をするつもりもないと言う意味でもある。

彼等は上位者としての立場を崩さなかった。

そしてこの戦いは国交を結んだ者同士の戦いではないので、

当然だのだが降伏する事が出来ない。

殲滅戦しかないのだ。

だって降伏方法がないからね。

負けを認める手段すら話し合いにならなかったのだ。

それが何を意味するのか使者は解っていたのか…

未だに解らないが始まってしまった以上、

もうどちらかが全滅するまでやり続けるしかない。


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