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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
私の知らない所で事態は急激に動き、私にはそれに応じた新しい役割が与えられる。
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王国は何でも芸術に昇華したい。

ともかく前線で消費される事を念頭に、

缶は大き目の物と小さめの物を作ってもらい、

どうせ複数人で食べるのであれば、良く煮込んだ具沢山のスープと、

パンの典型的な食事をただドカンと燃える薪の上に投げ入れて、

で温めれば食べられる形となる様に、

完全に「前線」で使う事を念頭に作らせてみたのだ。

味はともかく食べられる事を優先して作り上げた試作品のそれは、

数日間放置したのち護衛の警備係の夜食として使用できる物程度の、

機密性は保てているみたいで一安心と言った所だった。

綺麗に加工された物だったけれど、それと機密性が保たれている事は、

別問題だから始めから出来た物にはトラブルは、

付き物だと思っていたのだけれど逆に言うと圧力釜を作れるのだ。

そりゃ機密性に関してもそれなりの作り方を知っていても、

おかしくないと後々から思い直したのだった。

けれど品物として完成した事は確かであって…

ならばあとは試してみるだけなのだ。

正直中身の耐久試験はもう行き当たりばったりで、

下手な鉄砲かずうちゃ当たるで見るしかないのでどうなるか解らない。

でもこの世界の戦争は相手方が折れるまで終わらない。

負けを認めない限り戦争は終わりなく続く。

逆に言うと戦えなくなるまで続くのだ。

貴族の殲滅魔法がある以上、戦争の勝敗は数日でつく事が常識となっているけれど、

叔父様の作り上げた魔法妨害装置は強力だし。

魔法の射程外から一方的に投擲できる物は、確実に魔法使いを近づけない。

ファルスティンには他では許されないけれど防衛線では持久戦が可能となる。

だから時間を味方にできる事はしておくべき準備なのだ。

食べられる物は出来るだけ溜めて置く事に限るのだ。

そう言った訳でこの世界で初の缶詰は当然の様に長期保存食として、

私の私用と目的の為に製造される事になる。

正直言えば1週間持てば十分なのだ。

戦闘に参加している人々が「食事」に関して手を煩わされなくなるだけでも、

相当前線の負荷は軽減されるのだから。

まずは一週間持つ事が確認出来たら、ライセラスお兄様に報告した後、

早速鉄馬に乗せてアネスお父様の作り上げてしまったラインへと、

送る手筈を整えてみたいと思う。

作っても前線に届かないのでは意味が無いからね。

ちゃんと輸送手段の確保もしておかなくてはいけない。

戦争は技術を進化させるってどこかで聞いた事があったけれど…

たぶん私がやっている事がそう言う事なのよね。

前線のお父様とお兄様が少しでも楽になるなら、

裏方でもなんでもするつもりだし。

着実に訪れる「冬」の食糧事情の改善と言う意味でも、

やっておくに越したことは無いからね。

因みにこの世界に未だ缶切りは存在しない。

だってひつようがないのだもの。

皆自然と短剣を突き立ててサクサクと開ける事が自然と常識となっていた。

うーんその辺りはファンタジー?


ただ、お腹を満たすのではやはり物足りないかなと思って…

せっかくだから魔法の回復薬を配合して…

本物のバフ効果のある食事にしても良い様な気もするのだ。

そこで印字技術と魔石を使った、いわゆる魔法使いが食べると、

魔力回復と威力アップの効果が得られそうな物に仕上げてみないって、

アルフィンに言ってみたら…


「ああそれは…

…いえ。やりましょう。

エルゼリア言うのであればおそらく可能なのでしょうね」

「へ?」

「大丈夫ですよ。雛形は出来ていますから…

少なくとも領兵と軍に回す分にはやっておくに越した事は無いでしょうし…

常時消費する物に仕込めば当人達も気付かない内に、

強化されて嬉しいでしょう?」

「うれしいかどうかは私には判断できないけれど…」

「お気になさらず。

少なくとも貴女の護衛は乗り気の様ですから。

やってみせますよ?」

「あ、はい」


それは明らかに何か方法が既にあって、

試す機会を待っていたという事なのでしょうね。

でもよくRPGとかでも、物を食べて一時的にステータス強化とかも、

よくある事?だしね。

出来上がる物が楽しみなのか、

アルフィンとグラファイスは無言で会話をしあって、

二人は不気味な笑みを浮かべていたのだった。

…何か不味い事の引き金を引いてしまった気がしないでもない。

けれど負けるよりかは数段良いしね。


新しい缶詰の製造とそれによって形作られる輸送関連の変化。

それは後の王国との戦争を上手く進めるうえで大いに役立つ事になる。

お父様の私兵が消費することは当然として…

前線でも食事事情の改善には大いに役に立つ事になった。

火を仕えない場所でも魔法を使って缶の底を温めれば、

前線でも温かい食事が食べられる事は軍の士気を向上されるのに大いに役にたった。


それを聞いた私は長期保存を可能とする物にも取り組もうとする前に、

瓶の大量生産も頭の中によぎり始めていたのだった。

原料さえあればギネヴィアとアルフィンは作ってくれそうと考えてもいたし、

最悪原料自信を港から輸入すると言う方法も考えられるのだし。

でも今は、完成した缶詰のレパートリーを増やすために、

コンテストを開くべきと考えていたのだった。

イベント開催するノウハウも欲しいしね。

そうして細やかなノウハウを貯めつつ私の日常は進んで行くのだった。

既に都市ギネヴィアの一部では外食文化も芽生えている。

道端に食事を提供する店も現れているのだ。

大きい所は叔父様が作り上げた工場の作業員の、

食事処から始まっているけれどそれでもそれを真似て手作り弁当を、

提供する店もあるし当然その派生で飲食店も出来ていた。

都市ギネヴィアの経済構造は領都ともちょっと違って、

変わって来ていたのである。都市ギネヴィアでは紙幣の代りに、

偽造できない様に印字された小麦の引換券によって一足先に、

経済構造を限定的に変えていたみたいであった。

これは小麦の引換券だからお金じゃないよ。

それに使えるのは都市ギネヴィアの中だけだからセーフ。

セーフなんだよ?

そんなセリフが叔父様がいたらきっと言い訳として聞けたかもしれない。


-------------------------


さて、これは少し未来のお話。

私の作った缶詰は当然の様に王国で一波乱を巻き起こす事になる。

食料危機に苦悩する王国には今一番欲しいとされる物となるのであるが…

もちろん王国にこの缶詰が流れるのは当分後の事になる。

けれどそれは、正規で流された物ではないのだ。

ルクレイン領へと支援物資としてバフ効果のない缶詰の一部が流された。

それは当然ルクレイン領内で消費される物となるはずだったが…

ルクレイン領からかすめ取られた一部がもちろん王国へと流れ込む。

それは珍しい物であったがそれ以上に王国貴族達にとっては、

食べた事のない味だったのだ。

いわゆる正体不明の魚の肉を利用した「サバの缶詰もどき」だったのだが、

それを再現しようとする貴族が大量に現れるが、

勿論上手くいくはずがないのである。

海鮮物を使用した缶詰は当然魚介類を使わなくては、

そう言った「味」にはならないのだ。

けれど大陸の内陸部にある王国に鮮魚を手に入れる方法はなく、

当然であるが、原料が手に入らなければ食すことが出来ない状態となったのだ。

ファルスティン内での量産体制の構築は終わっていたけれど、

その生産物は貯蔵されるより、前線へと送られて定期的に消費されていたために、

ファルスティン領内ですら不足気味。

その利便性の高さから都市エルゼリアの建設現場でも一部が、

消費されているぐらいなのだ。

都市ギネヴィアでは缶詰にするより前の料理が食べられるために、

そこまではやる事は無かったが、それでも領内と友好関係を結んだ、

一部の領地の需要を満たす程度までしか製造設備を増備する予定はないから、

製造の絶対数はそんなに増えなかったのだ。

その為に供給される事にない王国ではその価値がおかしくなる。

ただの缶詰は王国内では超高級品となってしまったのである。

貴族達はこぞってその不思議な「味」を堪能するために財を投じることになるが、

原材料も缶詰にする事が出来る機械もない上に当然高圧に出来る圧力釜もない。

王国ではただの缶詰の味と希少性に魅了された貴族の暴走で、

阿鼻叫喚の地獄絵図を巻き起こす事になるのだった。

今回は完全にルクレイン領から出た横流しであり、

どうあがいてもてに入れる方法はクルレイン領に納品された物から、

かすめ取って横流ししてもらうしかなく…

その横流しもそう簡単にできる事ではなかったのだ。

それでも缶詰を手に入れた貴族はその「ワイルド?」な食し方も相まって、

こぞって手に入れ要素するのだ。

まぁ短剣をザクザクと缶に突き立てて蓋を開くという行為が

「高貴なお方」達には、お気に召してしまったのだろう。

王国は直ぐに「伝統」にする傾向があるから。

すぐさまの「芸術的」な開け方が「伝統」となるのだ。

それは私から見れば滑稽な姿で…

複数の探検を使って缶詰めの上部に短剣を芸術的に突き立てて、

舞ながら缶を開けるその仕草は…

もはやアホの芸術であった。

王都から王太子の使者がお兄様に面会しに来たと言って、

強引に侵入してきて、私との会話に割り込んで着た時の事だった。

その使者は私の事を何か言っていたけれど、微妙に覚えていない。

お兄様達と領都で王国の使者からの書状を届けられた時、

軍の携帯食料(缶詰)の試作品の試食会をしていた。

それはともかく缶詰の開け方を披露したいと言っていきなり、

執務室で舞を始めてしまった辺りこの使者も大概だったけれど、

たがか缶詰ごときで舞をするほどに王国は追い詰められているのかと、

おもったものだ。


魔法を使っても作れない。

手に入る様はほんのごくわずかな量。

手に入れる為に王国の貴族は更なる散財を続けることになるのである。

それはまた一歩、王国の一部では、

ファルスティンに依存する理由が増えたという事だったのだ。

王国は王家の知らない所でグラつき始めているのであった。

戦争準備で缶詰を使った保存食の製造御開始ですね。

ライセラスとしては王家とエルゼリアを結び付ける事をしたくないので、

ノラリクラリと要求をかわします。

けれどエルゼリアはファルスティンを守り発展させるために、

必要と思ったものを、自重しないで作り始めました。

どちらかと言うと、


「〇〇が欲しい」

「どうやってやろうかな?」

「〇〇と〇〇と〇〇を組み合わせれば出来ない?」

「出来そうだから作るよ」


と言った感じですね。

「未来」を知っているからエルゼリアは試行錯誤で、

ギネヴィア達の失敗を最小限にしてしまいます。

なので、恐ろしい勢いで正解した形で作り上げられた機械が、

ファルスティンに豊かさを。

その余波でオースヴァインに混乱を巻き起こす事になるのでした。


ただ缶詰の舞は書いててバカじゃねとは思いますが。

伝統と格式を重んじる王国では、エルゼリアですらバカじゃね?

と思う事が真面目に議論されて訳の解らない「伝統」を作り上げるのです。

王国では高貴な一部の人しか食べられない物ですが、

缶詰でない中身ならファルスティンなら普通の町の食堂で提供されるレベルの、

物だったりします。

鮮魚も港湾都市から一日一便鉄馬に引かれて届けられますしね。 

伝統と格式の狭間では新しい食文化も当然生まれません。

伝統以外の料理を提供したら貴族は当然怒ります

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