冗談のような計画書が愉快な事態を巻き起こす?愉快だと思っているのは私達だけだけれどね。
バカな計画だけれどその計画書は正式なフォーマットを使った正規の規格で、
確かに提出してもおかしくない物だったのだ。
なので?気を利かせたリチェルチェが面白おかしく領都へと送ってしまったのだ。
もちろんライセラス兄様の手によって速やかに計画は排除されるはずの、
くだらない物となるはずなのに。
事前に目を通したのはもちろんターシャ義姉様。
王国を困らせられると言う点で、ターシャ義姉様に何かにふれてしまったらしい。
面白おかしかった計画書は何時の間にかライセラス兄様の認証を通った…
通ってしまったのだ!
計画書としてGOサインが出てしまった以上どんな計画でも、
実行されてしまう。
当然私とギネヴィアには領内の最上位者から発せられた計画を止める権限はない。
無いのだ。
いつの間にか端材は集められ謎の超強度の合金を使った魔法をはじく、
鍵付きのコルセットと貞操帯は余った端材の分だけ作られ、
その鍵は勿論コルセットも貞操帯も内側に鍵が仕込まれたのだ。
身代金と言う訳では無いけれど…
一応?
両方ともスペアキーは作っておいた。
けれど、勿論スペアキーはマスターキーのような物だから、渡す訳にはいかず。
もしもの時はファルスティンへようこそ!いらっしゃーい。
という事にしたのだった。
さて、当然の様にファルスティン製という事であって、
商品は予定通り強奪されたのだ。
そして構造もろくに知らない商人へ「予定通り」渡ってしまった。
そしてその品質の良さから、娘や妻に身に着けさせたいと考える、
高貴なお方達が、それはそれは多数生まれたのは言うまでもない。
そしていつの間にやら格式があがって素敵な下着となった結果、
よく確認せずに美しさと付け心地で装着してしまったマダムはともかく、
「御令嬢」が大量に発生してしまったみたいだった。
ちょっとした細工をしていくらでも「締まる方向にだけ動く機構」を、
貞操帯にもコルセットにも取り入れていた。
コルセットの紐は引っ張れば引っ張るほど締め上げり、
決して緩まない装着する時には「便利」な物と思われていたし、
コルセットは世の御令嬢方が「素敵!」とか?「愛らしい!」とか、
思える物をデザイナーさんに作ってもらった。
そしてここがポイントなのだが、コルセットとデザインを揃えた貞操帯だ。
もちろん言うまでも無いがコルセットをして貞操帯もして「淑女らしく」
統一性を出したいと思う御令嬢は勿論多い。
だからよく確認せずに両方とも身に着けてしまうのだ…
そしてそう言った「せっかちさん」な御令嬢は例外なく、
貞操帯の鍵の格納場所が内側に取り付けられている事に気付かない。
メイドも当然「御令嬢」が身に着ける大切な下着にそんな「欠陥」があるなんて、
思わないから結果的に確認がされないのだ。
更に言うのであればそう言った下着が必要になるのは勿論そう言った内容を含む、
素敵なパーティーであり、
そう言ったパーティーは高貴なるお方達の為に開かれるのと同時多発的に、
行われる為に、素敵なコルセットの欠陥に気付いたとしても、
その噂や情報が出回った時にはほとんどの御令嬢が「装着済み」なのだ…
後は素敵な鍵付き下着に見える二つを身に着けた御令嬢は姿見の前に満足して、
パーティーに行き楽しんで帰ってくるのだ。
そしてそのバーティ―会場かメイドに脱がせてもらおうと頼んだ時、
最悪の事態に気付くのである!
下着が外せない事に!
…まあ引っかかる令嬢なんてね?
そんなにいる訳無いじゃないなんて思っていた結果が…
け、結果が…
領都から届いた手紙はとんでもない物となっていたのだ。
ターシャ義姉様から届いた楽しいお手紙には…
鍵開けの順番待ちが発生する事態となってしまったみたいだった。
いやいやいやいや。
どうしてそうなる?確かに手の込んだ「悪意ある欠陥商品」に、
全力で仕上げたけれど。
鍵穴はバレない様に閉まって。
鍵は隠し扉の様なスリッドを引き出して更に横にスライドして格納するという、
知らなければ絶対に分らない「内側」縫い目に合わせた隠しポケットの様に、
したけど!それを差し引いても引っかからないでしょう?
確認するでしょう?
曲りなりにも「肌着」なのだ。
自分の素肌に付けるのだから、どんな物だって確認してから付けるでしょ?
衣装担当のメイドや侍女なら主の為に「新しく届けられた」怪しい「下着」を、
確認せずにはいられないでしょう?
デザインだけで身につける事を決めた「御令嬢」が大量にいるって事なの?
あははははは…
いくら何でも誰か気付くでしょ!
てかっ気付きなさいな。
もうどうにでもなーれ。
そして手紙の続きはどう考えてもニコニコ笑顔で、
ターシャ義姉様は書いてくれていた。
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ー困ってしまったわぁどうしましょうかエルゼリア?ー
ーやっぱりゴミ溜めとして対応してあげるべき?ー
ーそれとも徹底的に凹ませてあげるべき?ー
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その微笑みはきっと「悪魔」の微笑みになっていたに違いない。
「高貴なる者であればあるほど焦りそして直ぐに外したくて仕方がない」
だから順番の争奪戦が始まってしまっているらしい。
義姉様に渡したスペアキーはマスターキー一本とスペアキーの束だったけれど、
どの御令嬢も一部「マダム」もしっかりと仮面をして、
ファルスティンにやってくるのだけれど領内に入るにはあの堅牢な砦を、
通過しなくてはならないしその砦を身分不明な高貴なるお方が乗る馬車を、
通す訳にはいかない。
従って通過する馬車は全員「家」の家紋の入った馬車で来訪するしかなく…
来訪する御令嬢達は「仮面をして身分を隠している」つもりでも、
来てしまった時点でその存在はもろバレであるし、
何より「下着」の取り外しはリリーに任せることなんて出来ないでしょう。
令嬢達にも「プライド」が、あるからね。
それに相手が信用しないと言っているのだから身分を明かさないとか、
マスクをして顔を見せないとかしたらターシャ義姉様が危険だから、
そんな物は身に着けさせるわけにはいかないでしょう?
誰かもわからない相手にターシャ義姉様が傷つけられるなんてライセラス兄さまが、
許すはずがない。
だから直々にターシャ姉様と二人きりになって「外してもらう」しかないのだ。
もう、そうなれば秘密もへったくりもないのだ。
一刻もはやく外したいなら身分を隠せない「家」の馬車で来訪して、
顔をさらしながらターシャ義姉様に「下着」を外して貰うしか、
御令嬢がこのコルセットと貞操帯から解放される術はなくて…
けれど、次の社交界のシーズンからはゴミ溜めのファルスティンとも言えず、
「義姉様」には「行けないパーティーに参加した令嬢」として、
弱みを握られ続けるのでしょうねぇ…
それは完全にお手紙の対応を楽しんでいる義姉様の姿だった。
領都は楽しい事になってしまったらしい。
どうしてこうなった?!
と思っていたのは私とギネヴィアだけでターシャ義姉様は、
こうなると睨んで色々な事を準備していたらしかった。




