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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
私の知らない所で事態は急激に動き、私にはそれに応じた新しい役割が与えられる。
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叔父様のサプライズは失敗したけれど私のサプライズは受け取ってもらうわよ?

ギネヴィア主導で再設計された、

お屋敷兼研究所兼工場は叔父様を建設重機のとごく酷使したために、

本当に一か月立たないうちに立て直しが完了してしまったのだった。

驚異の錬金魔法であると思う。

まるで定点カメラで巨大建設現場を眺め続けるかのような光景は、

一種の都市開発ゲームの「にょきにょきタイム」を見ているようでもあった。

現実離れした速度で広大な敷地に建設される複合施設は、

中身はともかく外見は〇〇ヒルズを彷彿とされる風景となっている。

高さに限界設定がなされていない上に地形的にも安定した、

工場兼も相まって、高さは驚異の七階建てにまで伸ばされる事になる。

特殊建築であるいわゆる「教会」みたいなものを除けば時代では、

驚異的な高さと言ってしまっても良いかも知れない。

勿論ファルスティン特融の寒さに対応した場所ではあったのだけれど、

それを、錬金という叔父様の素敵パワーで常識を軽く捻じ曲げて完成した、

そのバルダー家のマイホームは、それはそれは素敵なお屋敷となっていた。

建築前にギネヴィアが言っていた事だけれど…


「家が迷路になるのは嫌なのよ。

普通に通路に繋がった普通の構造の家が良いのよ」


と言う言葉には切実な「実家」の変化ぶりがあった事は言うまでもない。

高さ的に広げる事が出来た事を期に、欲しい物を際限なく詰め込んだ、

バルダー家のお屋敷には隣接する様に「鉄馬」のレールが引かれ、

お屋敷の中の工場区画に「入線」出来る様に仕上げた辺りは、

叔父様の初期の原案にもあったから予定通りではあったけれど、

その屋敷へと「入線」する線路は、一端っ屋敷を通り越して、

そして折り返しして入線するように路線が切り替えられていた。

面倒な事しているなぁなんて思っていたのだけれど、

ギネヴィア曰く、防犯の為なのだと呆れられながら言われてしまったのだ。

つまりは暴走列車による屋敷への直接行う強行突入を絶対に阻止するために、

一度停止して折り返してはいる様にすれば、最悪突入されたとしても、

勢いはつかないから被害は少なくなるとの事で、

お屋敷内の「路線図」はもちろん非公開である。

まぁ、そうよね。

としか私は言えなかった。

けれど…


やはりバルダー家なのだ。

だから「許される」部分も多岐に渡ってあるのだなぁとはおもう。

そして何より驚いたのがギネヴィアが貴族令嬢としての息苦しすぎる生活に、

我慢し続けている事とその姿はバルダー家は男爵家ではあるのだが、

私に合せた「伯爵夫人」としての装いをしていても文句を言わない事だった。

それに合わせた様に屋敷の区画も伯爵家の設備に準ずる物を入れて、

リチェルチェが用意していた家臣団を受け入れる施設にも余裕で対応する、

広さを「研究区画と工場区画」を削っても用意してあったと言う事だ。


「お母さまもお父様と一緒に「旅にでてしまう」でしょう?

もう、やれることは全てやっておくのよ」


そう言いながら用意し続けていたのは「都市ギネヴィア」に散らばった、

叔父様と叔母様が作り上げた資料の山を収納する資料庫と、

その資料を徹底的に整理する為のエリアだったのだ。

親離れであり心の整理なのかもしれないとちょっと考えてしまう。

けれどそんな事をしみじみ思っている時間は私には微妙に無いのだ。

叔父様に頼まれたサプライズバーティ―は、お屋敷こそサプライズする事は、

出来なかったけれど二人にとっての新居であり、その屋敷開きとしての、

祝賀会はやるべきだし…

なによりギネヴィアとアルフィンにやってほしい事?というか、

してほしい格好はあるのだ。


それは勿論ギネヴィアにウェディングドレスを着せる事である。

もちろん隣に立つアルフィンにも並び立つだけのタキシードを着て貰い、

これから屋敷の主として華やかな演出の下、これから働く使用人とメイド達に、

報告してもらうのだ。

二人が挙げなかった結婚式の代りを強制的にでもやらせようと、

叔父様からこの話をされた時にとっさに思いついた事だった。

そして、ギネヴィアの衣装担当のデザイナーを

リラーナ・リチェルチェ経由で呼び出すとそれはもう喜んで、

私の計画に協力してくれることになったのだった。

当然叔父様と叔母様にも話を付けると、ニコニコと笑って計画に賛同して…

屋敷の完成が叔父様が全力で作っているのだけれど遅れる事となったのだ。


「しょうがないよね計画通りにいかなくても。

ソンナコトモアルノサー」


と、何故か計画は拡張され内装は更に凝った物へと叔父様が、

無駄にこだわった事にして、

屋敷の出来はもっと良い物になってしまったのだった。

それに伴って複合パーティーの装いでギネヴィアにドレスを着せる、

楽しい計画が実行される事になった。

なによりギネヴィアが「作り直し」を所望した事が、

ウェディングドレスを作る時間を与えてしまった事に本人は気付けない。

そしてアルフィンもこの計画には協力的で…

それ故ギネヴィアは逃げ道が完全に防がれた状態で当日を迎える事になる。

当然、余裕のあるパーティー計画は、

私達にのみ余裕の計画となっていて…


「さぁ!ギネヴィア様!お着替えですよぉ!」


大きな声で朝っぱら早すぎる時間にギネヴィアだけが起こされるのだ。

だって、その日ギネヴィアが着るドレスは、サプライズだから、

もちろんサイズの微調整なんて済んでいないし?

ともかく早めに起こしたら開場ギリギリまでギネヴィアを磨き上げて、

そしてドレスが綺麗に着れる様に修正をするのだ。

それも手早く済ませる為に人海戦術で準備を熟す事になり、

それはそれはギネヴィアにとっては地獄の朝の幕開けでしかないと思う。

が、仕方がないよね。

結婚の許可が出て書類上は正式に夫婦となってからは、

ギネヴィアとアルフィンは何時も当然の様に一緒。

叔父様夫婦とほとんど同じ。

だから「式」関連を重視しない所も当然一緒。

周囲からは書類上結婚しているから、何ら問題ないと言って、

その部下となった人達には結婚して夫婦になりましたと言っただけ。

それでもある程度は広まっているから問題は無いのだけれど…

その部下達はとっても困るのだ。

何がって?

簡単な話だけれど上下関係に「貴族」なんて特別な物がある世界だ。

その領内で一番上の立場であるギネヴィアとアルフィンが、

結婚式を挙げていないのだ。

この世界における結婚式はとっても重要な事で、

それこと思い出したくもないけれど、伝統と格式の結婚式であって、

周囲にその立場を知らしめる意味も当然あり、

いわゆる威厳を保つための重要な儀式でもあるのだ。

その儀式は拷問具の様なドレスを作るまでに至りそれを着せる為に、

悪魔の様に苦しい矯正具を着せられて、

「美しいとされる姿でウェディングドレスを着させて「家」の格と、

爵位を厳密に守るのだ」

そして厳密に爵位を守らせながら結婚式を挙げたという事はもちろん、

「上司が行った結婚式の格に合わせて結婚式を上げなくてはいけない」

というめんどくさいルールが存在する。

つまるところその結婚の許可も出て都市ギネヴィアにおける、

一番上の立場にいる二人が特別な理由もなく「結婚式」に類する事を、

やらないとその下にいる部下は誰一人として「結婚式」を、

挙げる事が出来なくなるのだ。

これが周囲も貧しく式を上げられないほど困窮しているのであれば

クレームは当然来ないが…

港湾都市は絶賛急成長中。

所謂働けば働くほど豊かになりほとんどの都市ギネヴィアに住む一般人は、

娯楽の発展が遅れたこの都市では労働の対価で得られる報酬はあまり気味。

使う所の無い資金の行先はイベントとなる訳で、

その一大イベントとして一般人としても「豪華」にできる蓄えがある人が、

多くなりつつあるこの都市ギネヴィアで、

一番パーティーで豪華にしても、惜しくないといえる、

オーダーメイドのウェディングドレス。

着せる方も着る方も一生ものも大切な思い出となるから、

一度しか着なくとも「良い物」を買いたいし使いたいのだ。

今までは明確な基準が無いから「最高級品」と呼べる上限もない代わりに、

「憧れのウェディングドレス」も当然ない。

その辺りを考えると、ギネヴィアには「最高級品」を着て戴き、

皆の指針になって戴かないといけない訳でもあり、

まして、結婚はしたのだから「式」は挙げなくても良いでしょう?

なんて事はギネヴィアの立場ではぜーーーーーーーたい許されない。

そして忙しいと言って「式」を引き伸ばしにして簡略式の簡単な物でも、

挙げて置けば問題は無かったけれど、もうそんな言い訳は聞いて貰えない。

同時開催で屋敷開きのパーティーと同時に結婚式も上げて貰うのだ。

そして屋敷開きに関してはギネヴィアは乗り気だったから更に、

ギネヴィアは逃げられない。

パーティーのタイムスケジュールはもちろん「私」が進んで、

作成してあげたから、大変なのはギネヴィアだけになる様に設定してあげた。

だって、作成した予定を見て、


「好きに作ってくれて良いのよ。

屋敷開きのパーティーだから簡単な物になるでしょ?

大丈夫よ。エルゼリアの作る予定に間違いはないから後は宜しくね」


そう言って最低限の確認すら行わず、楽しい「屋敷」の設計に勤しんだのだから、

まぁしかたが無いわよね?

それでも余裕は作ってあげたのだ。

ちゃーんと、ウェディングドレスを着て動き回れるように設定してあげたら、

着ないなんて許さない。


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