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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
私の知らない所で事態は急激に動き、私にはそれに応じた新しい役割が与えられる。
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叔父様の夢のプレゼント計画。その内容は穴だらけで…

次回の更新は明日の20時です。

叔父様の願いや狙いはあくまでも戦うことではなくて、

相手に「手を出したら痛い目を見るぞ」と思わせる事であるみたいだった。

叔父様はファルスティンにとってなくてはならない発展を支え続けた。

そして、その発展の成果はファルスティンに住まうギネヴィアと、

ファルスティンを育てるのに全力を掲げて出来た人々にあるべきであり、

それ以外は関係ないし、害を与えるなら与えられない様に手回しをしたい。

きっとそう言う意味なのかもしれない。


「もうちょっとで良いんだけれどね?楽しみたいってのもね?

やっぱりあるんだよ。

なんだかんだ理由を付けても今回の「冒険」はやっぱり「冒険」なんだ」


それは紛れもない事実で。

外交の特使として役割を果たす事は当然だけれど、

叔父様にとっては間違いなく冒険の旅なのだろう。

だから…ちょっと気になったのだ。


「そうですね、冒険なのは良いのですが…

その危険そうな冒険の旅にアリア叔母様も連れて行くのですか?」


そう、変な話ではあるが殺しても死にそうにない叔父様が旅に出る事は、

アネスお父様もライセラスお兄様もきっと許せてしまうとは思う。

けれどアリア叔母様はどうなのかなと?

あのべったりとゼファード叔父様から離れない、

アリア叔母様を置いて叔父様は旅行に出掛けられるのかって所は、

物凄く気になった部分ではある。

だってどう見たって離れられそうにないのだ。


「あら?そうね、エルゼリアは知らないのかもしれないけれど、

ゼファードと冒険に出るのは初めてではないのよ?

勿論今回もついて行くわよ」


いともあっさりと答えるアリア叔母様に私は、驚きを隠せなかった。

若い頃叔父様が無茶苦茶をしたって事は聞いていたから解っていた事だけれど、

それに付き合って叔母様がその無茶苦茶に付き合わされた事は、

理解していたつもりだった。

けれどそれは書類整理とかであって、

旅とかは叔父様一人で行っている物だと思っていたのだ。

叔父様の若かりし頃の旅はどう考えたって命がけであり、

この都市ギネヴィアを建設する為の土地を見つけたのは叔父様だったと聞く。

そうなれば、この未開の地を見つけるまでに、

一体どれだけの時間をかけて探し回ったのかって事になるし、

その間中二人で行動していたとは信じられなかった。


「この場所を見つけたのも二人だったし。

この場所を見つけたからギネヴィアが生まれたのよねー」

「よせよぉ~照れるじゃないか」

「だって素晴らしい愛の告白だったのよ?忘れられないわぁ」

「そこまで言われると照れるなぁ」

「褒めてないのよぉ?」

「解ってるって。だから後日ちゃんとしただろう?」

「それで許してあげたのよ」


…お二人の愛は冒険を期に深くなったのだと私は信じる事にしたのだった。

叔父様夫妻の間柄はたぶん参考にならない程度に、

ズレているのだと思う事にするしかないみたいだった。

ともかくお二人は共に冒険の旅(外交特使)に出る事は元々決めていて、

その通りに動く許可を貰えただけで良いという事なのだろう。


「…それで、お二人が出港するのはいつのご予定なのですか?」

「それはギネヴィア達に家を渡したら直ぐに出港させるよ。

既にドックに注水も完了しているし、タグボートの接岸も準備できているから!

ボイラーに火も入れてあるからね!

現在出港に向けて全力で作業をして貰っているよ!」



!?いくら何でも早すぎる。

いや屋敷の引き渡しをサプライズ風味に片付けているのに、

渡したら、それで終了って事?直ぐにいきなり出かけるってどういう?!

そ…それは、それはいくらなんでも可笑しな事じゃないかなって思っても、

叔父様は冗談だよとも言ってくれないのだ。

流石に信じられなかったのだがそう宣言した叔父様と、

それを止める素振りを見せない叔母様はただニコニコするだけ。

本心では冒険が楽しみで仕方がないのが隠しきれないでいるみたいで、

本気でその予定を実行するつもりでいるみたいだった。


「家なんてただの入れ物だから」

「そのうち形だって変わってしまうでしょう?」

「そうそう。ただの限られたスペースであって中の区割りは、

その時の気分で決まる物だからね!」

「効率はその時の気分で決まる物なのよね。

少なくともゼファードの場合は」

「だからセキュリティーの権限の委譲をするだけだからね!

だから後は任せるよ」


つまるところ鍵を渡してハイ終了。

その後記念パーティーとかをするなんて事は全く考えていないみたいだった。

その後の事を私に任せたいって事らしく、

直ぐに出港させる為に船に乗り込んでしまうから、

その後の「おもてなし」をどうにかしてほしいって事なのだそうだ。

ああ、面倒事を全て丸投げされて逃げる様に出港したいのね。

その考えだけは理解できてしまうのだが。

ギネヴィアの自宅となる建物は、

そのまま領都にあった叔父様の邸宅と同じ様に、

研究所兼製造所となる事が決定事項なのだ。

私が使う訳では無いのに、出港許可書の代わりに手渡された、

屋敷の「現在」の見取り図は、綺麗に区分けされ整えられたまともな、

形状ではあったのだ。

これが数か月後には迷宮化して行くのかと考えながら見せられれば、

それはもう何とも言寝ない気分になる。

だが見れば見るほど私には理解できない部分がいくつもあって、

それは「ギネヴィア」からすれば普通の事かも知れないけれど、

私にとっては信じられない造りとなっていたのだった。


「これを私に確認させる意味は…」

「何を言っているんだい?最後の仕上げを手伝ってもらいたいからだよ。

君達の常識が必要って事だよ」


引き渡しまではあと数日有ってその数日間はギネヴィアとアルフィンは、

査察と計画の修正に費やす事になる。

既にギネヴィア達はこの地にて働き始めていると言ってしまっても、

問題がない状態だったのだ。

けれどその起点となる屋敷の仕上げはまだ出来ていないのが現状で、

出来上がらない原因と現状は「男爵家」としての設備が、

致命的に足りていない事なのである。

研究と製造の拠点となるギネヴィアの家…

いいえバルダー家のお屋敷は、行政の機能の一部と男爵家として、

この地を納めるファルスティン領の「都市ギネヴィアの市長」としての役割も、

当然の様に任される。

これからは式典も増えるだろうし代表者として市長の仕事も当然任される。

となると「男爵家」としての場所がこの都市ギネヴィアにも必要となるのだ。

今現在行政の中心として都市ギネヴィアを支ええるこの場所は、

あくまでファルスティンと行政としての役回りも担う、

いわばファルスティン領の行政機能の中核となる場所なのだ。

所謂ファルスティンの領都にある行政処理を行う場所の出張所なのだ。

その中に、アルフィンとギネヴィアが作り上げる研究成果や製造物の取引を、

担当する部署は置いておくスベースはないのである。

この行政区画は最終的に外交を行う時の輸入品や輸出品を管理する事になる。

そのつもりで作り上げた駅前のこの施設はもう既に、

未来に入る施設で予約が満杯なのである。

今は余裕があるし、叔父様は行き当たりばったりだから、

その場その場に「取り敢えず書類を貯めて置く倉庫があればいいや」的な、

考えてで作られた小規模な書類を整理して溜めて置く倉庫がいくつも、

都市ギネヴィアの中には出来てしまっている。

その中に入っている資料をアリア叔母様が「全て」把握しているから、

問題なく資料の提出が出来るのだ。

けれどその叔母様も叔父様と一緒に「冒険」に出てしまう。

アリア叔母様もいなくなるとなれば、それは資料の検索が大変な事になる。

つまるところ資料を探すための目次が無くなるのだ。

その問題点を解消する為と、領都にあった叔父様のお屋敷の機能を融合して、

更に男爵家としての格を持った屋敷にしなくてはいけない。

けれど叔父様は貴族の常識が解らないし、ギネヴィアにそれを聞いたら、

サプライズにならない。

なので、資料と貴族の区画はスペースこそ確保されている物の、

中身がカラなのである。


「ここの部分を埋める為の物を作るから、

何が必要なのか教えてほしいんだ。

なんでも作るよ?」


それは父親から娘に送る最後の大きなプレゼントとなるって事で、

叔父様の気合の入り方も全然違っていたのだった。


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