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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
私の知らない所で事態は急激に動き、私にはそれに応じた新しい役割が与えられる。
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私は領都を予定通り離れ、秘密の活動?に巻き込まれる。

次回の更新は明日の20時です。

長く入り組んだ街並みを通り過ぎて、その先にある領都の鉄馬の駅に、

たどり着くまではそんなに時間はかからない。

交通整理が行われてノンストップで駅までいける事を考慮しても、

なかなか早い時間だったと思う。

前回の時より駅の改装工事も進んでいて、

と言うより任命式の完了と任命式に招待されて来場していた、

第2王子のご帰宅完了に合わせて新しく領都の鉄馬の駅は、

改装を終らせたみたいだった。


多数のホームを抱えた大量の列車の発着と貨物の取り扱いが出来る様に、

整備された駅周辺は領都で消費される物資の流通の半分を担う事から、

巨大化していき人の出入りが激しくなってしまっていた。

警備の観点でも厳しいという事で、専用のホーム増設と、

増え続ける発着本数に対応する事が出来る様にホームの多層構造化まで実施され、

巨大なターミナルとなっていたのだった。

もちろん人が集まれば店がでる。

駅周辺は領内の商人?達の商売の最先端的な部分もある。

けれど出店しているのは、領内に本拠地を置く商人だけなのだけれど。

どれだけ発展して人の流れが多くとも領外の商人達はその店舗を構える場所を、

領主の館近くにある小規模取引所付近にしか立てなかったのだ。

まぁ狙いはライセラス兄さまの目にとまる事だから仕方ないのかもしれない。

けれど領内の領主の館近くの商人達はただの連絡先としての機能と、

売れ筋の品の在庫しか置いていない。

だからかもしれない。領外の商人達はその並びを見て「勝てる」と、

勘違いしている部分も多々あるって見られた。

目的が違うから店舗は小さいのに、その辺りの情報を精査しない辺り、

領外の商人達の底も知れる。

駅という流通の中心が領主と館以外にあると考えられないのかもしれないけれど。


ともかく巨大化してしまった鉄馬の駅は、

お兄様の任命式を期に大きく変貌を遂げてその機能を、

いかんなく発揮し続けていた。

物流もその方法も違うのだから、

領外から細々と趣向品のやり取りをするしかない外商に勝ち目なんてないし、

あったとしてもその勝ち目に気付けないのだから仕方がない。

鉄馬を利用する権利を持たない以上、大量の物資の搬入はありえないしね。

新たに新設された貴賓室の様な場所で私達は発車時間まで待機する事になって、

列車の到着を待つ事になったのだった。

新しく作られた護衛のルールが機能し始めているとか何とかで、

私達を一定の場所に留まらせないとい方針が決まったみたいだった。

それが何を意味しているのかは簡単な事で、

貴賓室の様な安全が確保された場所から次の安全な場所まで、

ノンストップで移動するって事だった。


と言う訳で私はホームに停車していた鉄馬に乗せられると、

そのまま定刻通りの発車をして鉄馬はその勢いを乗せていく。

鉄馬のルートに合わせる様に発展した領都は長細く発展して、

そしてそのエリアを抜ければ長い上り坂が始まるのだ。

山越えを行うのは人の足ではそうと苦しい。

鉄馬もそれに合わせる様に減速してゆっくりとこの山を登って超えていくのだ。

人の足なら5日間はかかってしまう距離を鉄馬jはトンネルと緩やかに上り、

半日掛かりで登り切ってしまう。

これが技術と言われればそれまでだけれど、何時かはこの鉄馬により山登りも、

高速化するってアルフィンとギネヴィアは熱く語ってくれた。

補機や重連?とか何とかで当面の間はどうにかする事も考えるって、

言っていたけれど、鉄馬の絶対数量が足りていないらしくって、

まずは数を揃える事って所みたい。

聞けば聞くほどアルフィンとギネヴィアにとっては「足りない物」が多すぎて、

満足はしていないのだった。


「最低でも都市ライセラスから都市ギネヴィアまで、

一日で行ける様にしたいわね」

「それは出来るの?」

「今でも無理をすれば出来るのよ。

けれどそれをする事を望む人がいないから。

当面は列車に長く揺られながらの移動が主流となるでしょうね」


話を聞けば聞くほどギネヴィアとアルフィンは、

叔父様の語る遠い未来の話ではなくて、今を生きているって思うのだ。

彼等夫婦が作ろうとしている物は日常で役に立つ物であって、

未来に必要とする物ではない。

「豊かさ」を肌で感じる物を作る事が出来ている。

だからかもしれない。

迷わずに発展していっていると言えるのは、

彼女達の様な現実を作る者がいるから実感できるのだ。

山越えさえ終わらせてしまえばその先にあるのは広大な平原であり、

領内の食糧事情を支える小麦の生産畑が、

無限に広がる様な場所が広がり続けている。

その風景こそがゼファードバルダーが僅か一代で作り上げてしまった光景とは、

普通の人では絶対に思いつかない。

けれど無謀にも叔父様が走り抜けて来たからこそ、

今日のファルスティンがあるのだとしみじみ思う。

何日もの移動時間を費やして走り続けた先にある、

都市ギネヴィアにたどり付いたのだった。

さてこちらの駅も領都と同じく拡張と整備が勧められたのか、

専用に用意されたホームはより豪華にそして他者から目から逃げられる様に、

作り上げられていたのである。

都市ギネヴィア側の受け入れも予定通り行われる事が決まっていて、

万全の警備体制が整えられていたのだった。

けれどそれ以上に前回と違うのは、ギネヴィアの為の設備が整っていたって、

事だったのだ。

港湾都市としての機能が拡張をし続けるのは当然として、

メインの鉄馬の駅と大型港湾都市設備の中間地点に、

ギネヴィアとアルフィンの為の愛の巣…と言う名の研究施設兼自宅の建設が、

勧められていたのだった。

それはアルフィンやギネヴィアには知らされていない事で、

知っているのはライセラスお兄様とアネスお父様だけらしく、

作成を決めたのは叔父様の「思いつき」だったみたいなのだ。

3カ月程度で巨大な屋敷が作れる訳がないと考えるのが普通のはずなのだけれど、

そこはゼファード叔父様とアリア叔母様が加われば、

可能となってしまうのだからその辺りは納得せざるを得なかった。

その新しい家については叔父さまがギネヴィア達に、

「サプライズ」したかったらしく都市ギネヴィアに到着した直後、

前回利用した行政機関に私達は案内されて、その後ギネヴィアとアルフィンは、

警備の兵士を連れて「お買い物」と「散策」と言う名の、

見学会(港湾の工場)にいく予定が、

いきなり二人に詰め込まれる事になったのだった。

もう「技術のバルダー」の代表となった彼女達には、

そういった急遽舞い込む予定に対処する「義務」も発生してしまっている。

早々に動きやすいドレスに着替えさせられたギネヴィアは、

リチェルチェを伴って港湾都市に向かう鉄馬へと乗り込まされたのだ。

私と言えば出航を許可する許可証と預かっていた手紙を叔父様に手渡すために、

叔父様が仮設で居を構えている部屋へと向かう。

勿論その仮説の執務室の中にはゼファード叔父様がアリア叔母様を、

膝の上に乗せながら書類整理をしているのだから、何とも言えない。

二人の連携はいつ見てもばっちりで二人の体から延ばされる4本の手は、

干渉することなく、手際よく書類を整理しては何かを、

書き込んで行っているのだから不思議だ。

どうしてあの密着した体勢で効率が落ちないのかは私は理解出来なかった。

が、部屋に入って来た私を見て、二人はなんだかにやにやしている。

のだが、やっぱりその両腕は止まらなかった。

ただ私を確認した二人は一段落する所まで作業を続けると、

開口一番言われた言葉は何とも言えない言葉だったのだ。

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