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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
私の知らない所で事態は急激に動き、私にはそれに応じた新しい役割が与えられる。
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私は周囲から急かされる様に予定通りに動く事になる。

次回の更新は明日の20時です。

一番初めから質の高い教育を行う事は不可能だし、

エストラ家とゼフィラ家から人を出して貰うのは、

当然して貰わなくてはいけないけれど、2家では到底足りず、

ブラッティーローゼもまたしかり。

足りない教育者をどこから確保するかと言う点はきっと解決しない悩みとなる。

もちろん教師となる人はファルスティンを支えてきた人々が相応しく、

いくら教養があるからと言いて、王都であぶれている王国民を

教師に迎える事は勿論できないし何を吹き込まれる事になるやら…

一番教育者として迎えられそうなのはお父様の率いる家臣団なのだけれど、

彼等は武闘派であるからこれ以上王国との関係を悪化させる事になるのは…

問題ないけれどそれ以上に教師となるより前線に立ちたがる方々だから、

説得しても無理でしょうし。

理想は私達世代で教師となれる人材を見つけるべきなのだけれど、

その「私達の世代」は初のファルスティン人の世代だから、

王国から与えられるべき常識が少ない事以上に、急速な環境の変化と、

不安定な領制の上で育て上げられているからなのか、

いわゆるある一定の分野に著しく特化した人しかいないのである。

ある一定の分野に特化してしまったが故に他の普通が平均以下の人が、

多いのだ、これからファルスティンに必要な人材は特化した人間より、

汎用性が効く人間の方が望ましく、極論「戦いしか出来ない」のでは、

問題となる事は明らかなのだ。

長くてもレアルスタ君に領主の権限を譲る時には、

武よりも知の方が重視されるし叔父様の作り上げる文明の速度に、

ついて行くのであれば知を重視せざるを得ないのだ。

領内の利益を最大化するのであれば否応なし産業革命は突き進み、

物は大量に生産されそれを元に交易は始められる事は確定事項なのだ。

私達の勧める発展がひと段落した時一番重要とされるのは、

鉄馬と巨大船舶の取り扱いが技術の頂点となる。

空を見上げて航空産業が物になるには、

私の子供の世代となったとしてもまだきっと足りない。

叔父様の用意する巨大船舶とそれの取り扱いが前提の経済までが、

きっと私の限界点で陸上で自動車産業が生まれるのには時間が足りない。

移動手段としての鉄道をいち早く収めて物流の本流を抑える事。

それが私が次のファルスティンの世代に受け継がせる為にしなければならない、

最低限の事だとは思う。

お兄様がファルスティンを育て次代に豊かな領地をの受け継がせるのであれば、

領内の整備は急速に進む。

後はそれに合わせてその領内に乗せる文化を乗せると考えれば、

教育はその最たる事で…


「レアルスタ君が学園に通う位には講師となる方は揃える事は出来るでしょう。

しかし、教育のバランスと言う点では妥協せざるを得ないでしょう」



複数人のスペシャリストの講師に教育を叩き込まれれば、

レアルスタ君はきっと優秀な子になれると思うのだ。

けれど…

その教育は絶対に偏るしそれで良いのかと私は思う。

マニュアル人間が悪いとは思わないけれど「王国」の教育を知っている、

自分としてはどう見ても悪い例が頭に浮かぶ。

正義に「汚染」された貴族達を見て思考の柔軟性は重要だと思うのだ。


「特化させすぎて、柔軟な発想が生まれるかどうか解らない。

という事かしら?」

「…あまりにも、ゼファード叔父様が明確に未来を見せています。

そのレールを歩ければファルスティンは発展できます」


アルフィンとギネヴィアに引き継がせた計画だけでも、

順調に進んだとしても私達の子供の世代では終われない。

技術と言う点では「魔法」があるからブレイクスルーが起きて、

物凄い速さで発展できるかもしれないけれど、

人間が追い付けない事は明白なのだ。

だからある程度歩みは抑えられ、その歩みを考えれば未来への道を

私の様な凡人でも「知っている事」を最大限に利用すれば

胸を張って「未来が解る」と言い切れるのだ。

けれど本当の未来が解っているのはゼファード・バルダーただ一人。

天才は天災だからその天災が用意した未来に追いつけるまで私達は、

走り続けるしかないのだ。

歩けない超スピードで発展を続ける領内の発展を


「俺達は間違っていない。最先端を最速で走っているのだ」


と叫び不安になる皆を纏め上げ導ける存在がライセラス兄さまの次の代には、

絶対に必要な事だと私は考えるのだ。

絶対にこれから加速していく文明の変わり具合に困惑する。

その困惑を理解しつつも全員を導ける人が必要なのだ。

だから――――


「その先頭に立つ方は、私見ですが冒険心にあふれた、

好奇心がある自立した方であるべきだと思うのです」

「それでは自分自身を優先させるあまり破滅へとつき進むと思うのですが?」

「いいえ義姉様。

それを正すためにゼフィラとエストラが、私達にはいます。

そして夢は、未来は、バルダーが見せてくれます。

降りかかる火の粉はブラッティーローゼが払うでしょう。

私達の未来の先導者は可笑しな言い方ですが「冒険心」だけ有れば、

良いと思うのです。

きっと周囲が最善の未来を考え自ずと最高の道へと導いてくれます。

ですから―――

その先頭を歩き続けられる勇気と好奇心が必要だと思うのです」

「そうね。そうなのかも、しれないわね」


けれど私のその返しを聞いて義姉様は改めて私に尋ねて来たのだ。

それは確認と言っても良いのかもしれない。


「その導き手として、貴女の子供もきっといるのですね?」


それは、また妙な方向に話がズレて行きそうだったが、

どうせ今の話ではないのだ。

私の子供の話なんてどうでも良い事ではあるが、

ターシャ義姉様がそう言って来ると言う事は、

きっと私が次代が生まれたとしてもその場にいると言う、

ファルスティンに居続けると言う確証が欲しいのかもしれない。

既に私はファルスティンと共に生きて共に死ぬつもりでいるのだから、

よどみなくその答えを返す事が出来るのだ。


「はい。未来の我が子の為にも私は歩き続けますよ」

「そうですか。それを聞いて安心しました」

「?はい」


義姉様が何を安心したのか解らないけれど義姉様の心配事であった、

教師の事に対して、一応の了承?を得られたのだ。

とはいえ教師を用意するまでは私がきっと関与する。

けれどその教師にレアルスタ君を教育させるのかどうかを決めるのは、

義姉様とお兄さまが決める事なので、それ以上の事を話す事はしなかった。

ともかく箱を用意したら中に人を入れてどんな形であっての良いから、

動かし始める。

後は状況が可笑しなことになったら、その都度修正を入れ続ければいい。

私は正解は解らないが「最適解」はある程度想像がつくのだから。

理想の形から外れそうになればその理想をへと修正していけば、

自ず新しい都市は回っていくと思うのだ。


「ゼファード殿もエルゼリアを信用して任せろと言っている。

お前なら何とか出るし、してしまうのだろう?」

「もちろんそのつもりです」

「なら私は「認証するだけだ」後はお前の理想を見せてくれ」

「勿論です」


私はお兄様の承認のサインを貰い受け、ほっと一安心と言った所だろうか。

どれだけローカライズが必要になるのか解らないから怖いけれど、

それでも形にしてしまえばこちらの物。


「では後は工区に回す」

「はい」


それだけで、今度はせかされる様に鉄馬の駅へと私は向かう事になる。

予定で決められていた事とはいえ、

とても手際よく私の移動は始寝られる事になった。

会談の終わる時間なんて予想できるものではないし最悪鉄馬に乗って、

移動を始めるのは明日になるかも知れないと言った覚悟ではいたのだけれど、

ライセラス兄さまとの会談が終わり次第、

ライゼンの手には私が運ぶ予定のお兄様からの書類一式が用意されている。

う、うーん?

どうにも拭えない違和感が私にはあったけれどそれ以上に追及する時間も、

勿体なかったし、時間短縮を狙ってライセラス兄さまのゲストルームまで、

使って朝から駆け足で会談を熟したのだ。

その時間を削るのはもったいないし、鉄馬の発車時間の調整だってある。

駅ではゆっくりできるでしょうと思い私は違和感を感じながら、

それ以上の確認をしなかったのだ。

ギネヴィアとは駅で合流するのかなって思っていたのだけれど、

駅まで移動する為の馬車に乗り込む為の屋敷の待合スペースで、

優雅にアルフィンとお茶を楽しんでいたみたいだった。

けれど私が着たとたんそのお茶の時間は終り。

すぐさま既に用意されていた馬車へと乗り込む事になったのだ。

都市ギネヴィアは遠い。実に長い時間鉄馬に揺られて移動する事になる事は、

もちろん覚悟の上なのだがあまりにも、

時間にせかされているのがどうしても気になる。

今日でなければいけない訳じゃないだろうし、この世界で一日二日のズレは、

変な話でおおらかと言う部分でも許容される様に、

いくらキツイスケジュールでも予備日は設定されるはずなのだ。

お兄様から預かった、外交に関する委任状とゼファード叔父様が乗船する、

巨大船舶の就航許可書と出航許可書を届ける為という、理由があったのしても、

あまりにも急ぎ過ぎている。

そしてそのせかされる割に、アルフィンとギネヴィアは優雅に私が来るまで、

お茶を飲んでいたのかだらそのギャップが隠しきれない。


「義父上から催促が来てしまったんですよ。

それで無理矢理今日中に都市ギネヴィアに発車できる列車をねじ込みました。

エルゼリア様にはお理解出来かねるかもしれませんが、

領都外へ繋がる鉄馬の量が時間帯によっては、

結構な本数走る事になっていましてね…。

路線容量がいっぱいいっぱいなのですよ。

そのねじ込んだ発車時間に間に合わないと、明日の午後になりそうなのです」

「そう、なのね?」


…この世界にも通勤ラッシュ?という概念が、

もしかしたら出来始めているのかもって考えて納得していた。

けっこう臨時列車のねじ込みは大変なとこだったのかもしれない。

前回の港湾都市から帰って来る時も列車に乗り込んでから、

発車するまでに時間がかかっていたしね。

ともかく叔父様のひらめきも周囲を振り回すなぁ。

唐突に閃いた様にゼファード叔父様は「決めた」みたいだった。

まだ船員の教育も終わっていないと聞いていたのに妙な慌てぶりで。

けれど叔父様らしいと私は思うのだ。

その日の臨時列車の発車に間に合った私はギネヴィアとアルフィンと共に、

リラーナとグラファイスを引き連れて港湾都市へと向かう鉄馬へと乗り込んだ。

それは2度目の寝台列車を使った長い移動時間の始まりだったのだ。

けれど、今回の都市ギネヴィアへの訪問は希望に満ちた訪問なのだった。


さて、言うまでもありませんがエルゼリアの記憶は、

一部抜け落ちています。

急展開ではありますが第2王子殿下のドレスを見た、

ライセラス・アネス・ゼファードは動きます。

エルゼリアの知らない所で。

もちろんエルゼリアを守る為ではありますが、

当の本人とギネヴィアは記憶処理されて「ドレス」の事を忘れました。

そして目覚めたらリラーナとリリーで大至急領都から離れる要件を作って、

狙われたエルゼリアと次に目を付けられそうなギネヴィアを

少なくとも領都より安全な港湾都市へ連れ出す事にしました。

ともかく一秒でも早く移動させたいので、

全員が全員エルゼリアを手早く移動させる言い訳をしまくったという事です。

今はまだ通勤ラッシュなんてものは勿論ありません。

3都市が揃ったらそうではないでしょうが、

この世界の移動手段で鉄馬は信じられないくらい早いですが。

それはあくまでこの世界でのレベルです。

まだまだギネヴィアとアルフィンが改良しなければいけない事は多いのです。


ターシャによるエルゼリアへの質問であった、

「子供をちゃんと残せるのか」

は未来を諦めていないかの確認です。

トラウマとして心の中に傷を残して無意識に絶望していないかの確認ですね。

ファルスティンの状態は完全に戦闘態勢へと移行中です。

ですが、王国への締め上げはよりきついモノとしていくつもりです。


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