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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
私の知らない所で事態は急激に動き、私にはそれに応じた新しい役割が与えられる。
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私はお兄様から今後の予定を聞かされて確認されて

次回の更新は明日の20時です。

とはいえいつまでも楽しい団欒の時間を過ごす訳にはいかず、

少々長めの朝食の時間が終われば私とお兄さまは、

ライゼンとグラファイスを伴って新都市エルゼリアの、

修正計画の最終決定の確認作業に入る事になる。


自分の思い描いていた内容をスラスラと話しながらお兄様の要望だった、

「学園」の早期完成に向けてのタイムスケジュールの構築に入っていった。

何時の間にやらレアルスタ君を乳母に預けたターシャ義姉様も合流して、

私達の話を私の隣に座って聞き始めたのだった。


「計画には時間的余裕をある程度、加味しています。

新しく造成する為に大きく見積もって、計画は半年遅れるかと」

「ギネヴィアとアルフィンから、新たに建設を早く進められそうな技術が、

完成したと聞いているが?」

「それも心得ておりますが今回は使えません。

新工法を使って完成させたとしてもその「新工法のやり方を学ぶ時間」で、

短縮される時間は相殺されます。

今は技術的な所で冒険する余裕はないと考えていますが…

一か八かで短縮を狙ってみますか?」

「いや、確実な計画を優先したい」

「で、あれば現在の計画が一番「確実」かと考えています」

「そう、か。承認しよう」

「ありがとう御座います」


王国との小競り合いがこれからどうなって行くのかが解らない以上、

不確定要素は極力減らしたいというライセラス兄様の考えは、

手によるように理解できてしまう。

同時に…


「父上の計画が予想以上の速さで仕上げられている。

その余剰人員をそちらの都市建設に回すべきか…」

「いいえ。お父様の計画はそのまま余裕があるのであれば、

「強化」するべきでしょう。

都市エルゼリアの学園区画が「最悪の場合(王国との開戦)」となった時に、

予定通り人を収納できるとは限りません。

最悪は領都での全力防衛となる可能性も考慮すれば、

「強化」を怠るべきではないかと」

「戦線の押上は一長一短では出来んからなぁ…」


王国とファルスティンの間の領主たちの動向は50体50の割合で動いていた。

間に立つのであれば双方から権益を確保したいと考える、

こざかしい領主達は思いのほか多い。

けれどファルスティンと交渉する事は領主達にはさせなかったのだ。

王国とファルスティンを天秤に掛けるのなら切り捨てるだけ。

もともと割り切りと戦争が起きた時のバトルフィールドとしての側面が強い、

現状では隣接する領主達は気付いていないだけで、

ゼファード叔父様の兵器の射程内なのだ。

本気で王国が攻め入れば攻め入って来た兵士を迎撃して、

撤退が始まれば、殲滅するつもりで戦略をお父様は描いているみたいだった。

文字通り王国の戦力を「削る」戦いをするみたいで、

その時に友好的でない隣接する領地がどうなろうと知った事ではない。

と言うともかく王国にダメージを与える戦略を取るみたいだった。

その追撃戦を効率よく行う為の「観測地」が隣接する領地の欲しいのだけれど、

食料支援の見返りとして「観測地」を許容する領主は少なかったのだ。

何をするのか解らない物を領内に建てられては困るのだから仕方がないと言えば、

仕方がないのだけれど。

無いなら無いで無差別に投射するだけなのだ。

え?人道的じゃないって?

人道的に接するのは人道的な配慮が出来ない人にしても意味が無い。

戦争に負ければ略奪が当たり前の世界で、

人道的なんて優しい事を言っていたら本当に守りたい物だって、

守れなくなるのだから。

ファルスティンが守るのはあくまでも領内の領民の為。

その外側にいる隣接する領地の「領民」をいくら犠牲にしても、

ファルスティン内の領民は守らなくてはいけない。

これが相互に防衛協定みたいな物を結んでいるのであればともかく、

今の隣接する領主たちは支援される事が目的で、

その支援をどれだけ多く王国かファルスティンから引き出すしか考えていない。

果たして支援をした結果隣接する領地が安定するか解らないけれど、

細かい駆け引きをするつもりはファルスティンには、

お父様とお兄様にはないみたいだった。


「ですが、背に腹は変えられないのでしょう?

折れると思うのですが」

「まだ「耐えられる」と考える貴族は思いの外多いようだ。

領内の経済にダメージを受けたとしても、後で復活できるのであれば、

その痛みは許容できるらしい」


それは余裕のある領地だから出来る考えで、

ギリギリの生存を続けてきたファルスティンは「痛みを耐える事」を、

知らないから仕方がない。

だって耐える状況に陥った時、それは「間引きするしかない」のだから。

「開拓」を冬に行う片道切符の工事をし続ける事が「耐える」と言う意味なのだ。

限界の数値と考え方の違いだから仕方がないけれど。

そう言った意味でも「隣接する領地」ですら、

ファルスティンとは違って「余裕」がある状態なのだから仕方がない。

王国が何もかもかなぐり捨てて本気になれば食料危機は回避できる。

けれどその何もかもの中には「王都の豊かな貴族としての優雅な生活」が、

含まれる。王国にある小麦を全て回収して均等に品質を調整して

「嵩上げ」を行い、平等にばら撒けばこの食糧危機は恐らく解消できる。

その上に外国からバレない程度に食料の供給量を増やせば、

猶更上手くいくと思うのだ。


けれど、オースヴァインという王国にその決断をする事はきっとできない。

偽りと仮初の繁栄を捨てて平民と同じ生活を貴族が許容できるかと言えば、

絶対に無理だろう。

そんな事は聞かなくたって解ってしまう。

つまるところファルスティンに隣接する領主達は正しく王国貴族と同じなのだ。

隣国ではなくファルスティンに接しているからこそ、

そのファルスティンが自然の驚異である、

魔物達の侵入を完全に防いでくれるからこそ、

税の取り立てと治安の維持だけの為の兵士がいれば十分で、

浮いた予算は全て貴族としての娯楽へと費やされる。

ここ数年来、ファルスティンから流れて来ていた「小麦」の意味も、

その価値も全て投げ捨て、オースヴァイン王国の農業大臣の「功績」を、

信じた領主は、勝手に豊かになれたと喜んで、

対策を撃たなかったのだから仕方がない。

ファルスティンVSオースヴァインという構図が作られている事に、

気付く貴族自体が少ないのだから仕方がない。

王国が挙兵してファルスティンに攻め入っても、

「言う事を聞かないファルスティンを王国が成敗するのだ」

程度の事にしか考えないのだろう。

とはいえ王国への分断工作と、隣接する領主に対して、

「支援要請」でもなく此方からの無償の「ご奉仕」でもなく、

ファルスティンとして「交渉」をする事を始めたのはここ直近の事。

隣接する領主達にとってもファルスティン側から行われた

「初めて」の事でもあったのだ。

その辺りを差し引いて今までの「王国のゴミ捨て場」の立場が、

いきなり支援してやると言われてもそうそう信じる事は出来ないし、

なにより第2王子殿下と一緒に嫌々ながら任命式に参加した貴族ですら、

あの屋敷と任命式で私達が着たドレスを見たとしても、

それはファルスティンが虚勢を張っている様にしま見えないし、

なにより王国貴族として王国のゴミ溜めである「ファルスティン領」が、

自身の領地より立派に発展している事を認められない。

送り込んだお抱えの領人達より届けられる強靭なファルスティンが作り上げた、

豊かさを肌で感じて初めて商売をしたいと思うのだが、

商人達にそのチャンスを与えてやるほど、お兄様は甘くない。

第2王子との訪問。商人達からの情報。数カ月たっても変わらない

ファルスティンの町並みと人々の営みを見せつけられて、

始めて「本当」に支援する体力があると判断される事になる。

ターシャ義姉様のルクレイン領を中心としたグループは早々に、

ファルスティンの支援を受け入れる事が出来たけれど、それ以外の領主達が、

ファルスティンに集りに来るのはまだまだ時間的に余裕はあるのだった。

けれど、そうなってくるオースヴァイン王国としても、

黙っている訳には行かないはずで…。

王太子殿下とライセラスお兄様の楽しいお手紙のやり取りとなる訳で、

王太子殿下としても北を抑えられると王国の安全保障と言う意味で、

ひき下がる訳には行かないからバチバチにやり合う事になる…

あれ?

何か忘れている様な?

ふと私は何かに気付きそうになったのだけれど、

その考えは直ぐに書き消される事になる。

ターシャ義姉様からの質問がとんで来たからだ。


「エルゼリア?

レアルスタが「学園」に通う位成長する頃にはファルスティンの、

「学園」は完成されているのかしら?」


ターシャ義姉様のもっともな質問で、私の考えの端にあった、

王国との戦いに関する事は直ぐに上書きされる事になる。

そう、今一番頭を悩ませているのはその教育と言う点で「教師」となる、

人々をどうやって確保するのかって言う事だった。

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