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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
私の知らない所で事態は急激に動き、私にはそれに応じた新しい役割が与えられる。
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気が付けば私は…あれ?

次回の更新は明日の20時です。

その日、私は不思議な気分で目を覚ます事になるのだった。

どうにも拭いきれない違和感と頭が、思考がはっきりしない状態で、

徐々に覚醒する事になるのだけれど、私が目を覚ました場所は、

何時もの自室では無くてゲストルームの様な予備の部屋で、

目を覚ます事になるのだった。


「おはようございますエルゼリア様」

「良くお眠りになられておりましたね」


そう言って私が覚醒するのを待っていたのは、

リラーナとリリーだったのだ。

いや、何故二人がいるのだろうと言う考えもさることながら、

リラーナがいるのは理解できるのだ。

けれど、何故リリーがいるのかそれが私には解らなかった。

決して体調不良と言う訳では無いのだから私はスルリと上体を起こすと、

周囲を確認する事にする。

見慣れた風景だし窓から差し込む光もいつもと変わらない。

けれど殺風景と言うか私の自室の雰囲気とは違う事だけは確かで、

その室内レイアウトと配置された家具の見せる雰囲気の色は、

紛れもなくライセラス兄さま特有の色にターシャ義姉様が味付けした、

空間が出来上がっていた。

紛れもなくお兄様と義姉様の為の空間の延長上。

そこで目覚める理由が解らない。


「ええ。おはよう…

どうして私はここで寝ていたのかしら…?」


そんな事をぽつりと呟けばリリーとリラーナはため息交じりに、

私の質問に答えてくれる。

けれど、何とも言えない表情で「呆れ」が混じっている気がする。

しかしそんな事は些細な事。


「お忘れですか?今日からは

新しい都市建設計画の最終調整をライセラス様と行うと。

何時もの様に、ご自分の部屋で起きていたら「時間がもったいないから」と、

ライセラス様のプライベートスペースを借り受けたではありませんが」

「そう、だったかしら?」

「ええ。その後は都市ギネヴィアに向かう手筈も整えておりますよ。

ゼファード様の乗船なさる船舶のお見送りと出向許可書を、

ライセラス様に代わってギネヴィア様と行う手筈になっているのです。

今日はお時間もそれほど余裕がありません。

その為にリリーお姉さまの手まで借りる事になっていたではありませんか!」


リラーナは私が忘れてしまった予定?の事を事細かに教えてくれて…

覚醒した私をせっつくようにフィッティングルームへ案内するのだ。

記憶が抜け落ちている様な、違和感を覚えながら私のお着換えは始められて、

何時もの針子さん達の手によってドレスの着付けが始まるのだけれど、

リラーナのお着替えも行われるはずなのに彼女のお着替えは始まらない。


「エルゼリア様?本当に大丈夫ですか?

私の着ている特別な傍付き用の服は既に「式典用」なのですよ?

これ以上何を身に付けろと言うのですか?」


確かにリラーナの侍女服姿は式典用であって既に着替える必要はない。

無いはずなのに何故彼女に着替えて欲しいと思ったのか?

その式典用の侍女服のままリラーナは私が心配するかのように、

今日の予定と、最終調整が終わった資料の確認という事で、

私にリラーナは説明を続けるのだった。

その間リリーと針子さん達が中心となって私のお着替えは進められ続けて、

いつも以上のペースでお着替えが進んで行く。


「アルフィン殿との最終調整も終わっております。

新駅の建設もエルゼリア様の要望通りの場所に建設が出来るようです。

あとは最後にライセラス様の意見とエルゼリア様の感性の調整で、

最終計画の修正に承認さえ通す事が出来れば都市建設の基礎設計は、

エルゼリア様のおっしゃった通り、ひと段落なのではないでしょうか」


リラーナの意見も最終調整された図面もなんら、おかしな所はないのだ。

けれど違和感がぬぐえない。

特に、最後に設定していた予想外にスペースを取るから、

アルフィンとギネヴィアにお願いして新駅の設置と、新しい学園関係の、

区画はまだ決め切れていない筈なのだ。


「学園の位置と土地の造成は、まだ決め切れていない筈よね?」

「はい?ほぼエルゼリア様の要望が通り、時短の為にも今の区画の造成が、

終わり次第新駅のエリアを、先に作り上げると決まったではありませんか。

まさか…お忘れなのですか?」


リラーナの不安そうな表情を聞きながら、

私は何度も思い返そうとしているのだけれど、思い出せないでいた。

けれど、確かにアルフィンとの折り合いを付けたのか、

都市の改修を記した地図は一部場所が引き延ばされて、

創られる様に図面も完成し、

そこにはアルフィンが了承したサインも入っている。

ある程度の妥協も含んだ私とアルフィンならこの辺りで妥協し合うだろうって、

考えられる形へとなっているから…

私にとっては違和感もないのだった。


「ごめんさないね、記憶が抜け落ちた様に思い出せないのよ」

「しっかりなさって下さいませ。ここで一山超える事が出来たら、

時間が作れて楽になるといつも言っていたではありませんか。

その間は無理をさせてと言っていたから、その間だけ許していたのですよ」

「ええ…そう、だったわね?」

「そうなのですよ」


結局いつもより大幅な時間短縮をしながら、着替えを終らせた私は、

直ぐにお兄様と義姉様それから息子のレアルスタ君が食卓を囲む、

朝の食事に参加する事になる。

可愛い盛りのレアルスタ君はターシャ義姉様の隣で、

小さなスプーンを握りしめて「楽しい家族のお食事」をしていたのだ。

お姉様に抱っこされながら一生懸命食べるその姿はとっても微笑ましいし、

その風景を見てお兄様の頬も緩んでいる。

普通ならレアスルタ君のお食事は乳母に任せて全てを終らせてしまうのだが、

ターシャ義姉様の実家は乳母の様な人はいなかったらしく義姉様のお母さまが、

世話をしていたらしくお姉さまたっての希望で忙しいながら朝食だけは、

ターシャ姉様自信で食べさせて足りないスキンシップの時間を、

確保しようとしているみたいだった。

その所為もあってかレアルスタ君はちゃんとターシャ義姉様に、

貴族としては珍しく甘えられている様に見えた。

前世持ちの私はともかくお兄様はミーシェお母さまの複雑な「愛」で愛された、

為か普通と違う感性を持ってしまっている。

それは領主として「正しい決断」する事が出来るけれど、

「人間としての優しさ」が、足りないと言われる原因でもあった。

余裕の全くない極限の判断が必要とされる苦しい生存を掛けた「決断」を、

強いられるファルスティンの領主としては、相応しいのかもしれないけれど、

現在のファルスティンの発展状況を考えれば、

少しはその正しさを緩めて優しさがあっても良いと思うのだ。

その意味でもターシャ姉様の教育方針は間違っていないと思う。

そんな微笑ましい朝食の末席に加わる事が出来て私は少しうれしく思う。

私達の代で地獄の「開拓」をしなくても良いと言うのは、

精神的にはとても楽な事となっているのだった。



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