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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
貴族令嬢としての始まり 与えられた役目を果たす為に
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護衛が付くと立場が変わったんだって思えて…けれど本当に必要なの?

次回の更新は明日の20時です。

傍に置いておく人としてリラーナが私の分身なら、

グラファイスは私の戦友となってくれそうな回答だった。

傍に置いておくのなら私を眺めようとする人は要らない。

私は騎士に愛でられる時間はないのだ。

彼なら私の良いブレーキとなってくれるだろう。


「そうですか。

その覚悟があるのなら私の命を預けます。

私を生かすための出来る事を、動く事を許可します。

ファルスティンを生かすために私が必要とされなくなるまで。

私を生かしないさい」

「はい。主の願い確かに聞き届けました。

いつか我が命尽きるその時か、

ファルスティンが貴女を必要としなくなるまで。

私は貴女を守りましょう」


本当にリラーナは私の好みの人選をしてくれる。

私がグラファイスを拒否すると言う考えはない。

というか出来ない。

この忙しい時に警備に係る責任者となる、

傍付きの騎士を変更してくれなんてまず言えないから。

それでも、お兄様とリラーナで検討された人選であることから、

絶対に護衛騎士だけの役割出ない事は確かだという事は言われなくても、

理解できるのだ。

私の求めた回答をして着た時「ファルスティンの為に生かす」という、

考え方を持っている時点で、

私の足りない所まで補い合える人選であることは確かだし。

カーディルの代わりなんて言ったら失礼極まりないと思うけれど、

そう言った意味でも彼は期待されているだろうけれど。

まずは「戦友」として付き合いましょう。

堅苦しい任命式の様な礼儀を行った後は私は笑顔でそのまま、

執務室へと入っていたのだ。


そこには、港湾都市で見せられた執務室用の家具と机が設置されていて、

机に受領用のサインを求める書類があった。

その書類にサインすれば、私はこの執務室を認めた事になり、

この部屋は私の執務室となるのだ。

隣に置かれている羽ペンを手に取ると、そのまま受領した事を示す、

サインを私は書き込むのだ。


エルゼリア・ファルスティン


そこに記載する名前はエルゼリア・ボルフォードとならなかった事に、

安堵しながらリラーナに促されるままに、

私が座るべき場所へと連れて行かれるのだ。

部屋は3分割に分かれる様に作られていて、

一番奥に私が書類整理をする場所と、

大量の資料を保管する事になる棚が設置されていて、

その空間と区切りの様に大きな私の机が設置されていた。

そしてその手前に、左右に分ける様に休憩用のスペースが半分。

そしてもう半分がリラーナの為の机と資料置き場となっている。

机の引き出しの中に何か入っているのかを一つ一つ確認しながら、

私はやるべきことに優先順位を決めていく事になる。

全てが新しいまだ何も使われた形跡がないその机を見ていると、

なんだか不思議な気分になってくる。

ついこの間まで、言い方は悪いけれどボルフォード家に連れて行かれて、

仕上げと称した花嫁衣装を着る為の矯正具を取り付けられて、

体をドレスの形にされながらボルフォード公爵夫人の言う事を聞く、

ただの生き人形にさせられようとしていた私が自分の意思で、

世界を創れるなんてかんがえてもいなかったのだ。

歪にゆがみまくった体から普通の体に戻るのを見ていると、

私は解放されたとも思えてくる。


ボルフォード家のメイドや侍女達の為に生かされる生活から、

自分で判断して生きる事を許された生活がこんなにも心も体(物理)も

軽く感じられる様になるなんて思ってもみなかったのだ。


立派な椅子に腰かけてその前に広がる風景が、

全てた現実だと思っていても微妙に実感が湧かないのはきっと、

決まっていた未来が崩れてくれて新しく構築されつつあるからだと思えば、

この仕事をしなければいけない空間ですら、楽しい場所となると思う。

パニエのせいで大きく広がるスカートですらしっかりと支えて、

私を楽に座らせる椅子は珍しいキャスター付きに仕上げられていて、

トンとつま先で床を弾けば、するりと後ろに椅子が移動して、

横に弾けばその場で私は一回転で来たのだ。

そのまままた床を蹴れば奥の出窓のあたりまで、

なんの力を掛ける事もなく体は動きスルッと伸びた紐を引っ張れっば、

高い所にあった棚は私の手の届く所まで音もなく降りてくれる。

中に仕込まれていた纏められた技術書を数冊に眼を通すとそのまま棚に戻し、

また少しだけ紐を引っ張れば、その棚は高い所へと戻って行った。


「良く動く椅子ね」

「はい。

急遽ゼファード様がお作りになられた様で事務作業をスムーズに行う為には、

必須の品物が完成したとはしゃぎながら、新しくライセラス様とターシャ様と、

同じ機構を持つお椅子を納品したそうです」


事務作業を少しでも効率化する為の、本人が楽に移動する為の機構を取り付けた、

立派な椅子を「急遽」用意する辺り叔父様の本気度が、伝わって来るみたいで、

ちょっと考えたくない…

それはまるで書類作業を増やすけど許してねと、

言っているような気がして来るのだ。

まぁ、設備面で現状これ以上の物は絶対に用意できないし、

あっても使いこなせないからこれで良いのかもしれない。

ふぅと落ち着けば、私の机とリラーナがいる間にグラファイスと、

もう一人鎧を着た男性が部屋の左右に立つ事になった。

警備と言う面で最低限これ位と言った所だろうか。

とはいえ、ちょっと鎧姿では重苦しく感じるのだ。


「グラファイス、質問なのだけれど、貴方は私の事は鎧姿でないと、

守る自信はないのかしら?」

「本日は初顔合わせであり「正装」と言う意味で鎧を着用しています。

同時に警備と言う意味では慣れるまでこの鎧姿でいる事をご容赦戴きたい。

貴方の部下が「誰」なのか決定するまでは、用心するに越したことはありありません」

「そうね。その通りだわ…」


守られる側、と言う意味で私はいまだ自分の立場を理解していなかったのかもしれない。

グラファイスの意見はもっともで、

まだ私はリラーナの部下となる子に何も証をわたしていないのだから。


「それでは面接を始めましょう」

「はい。ご準備致します」


リラーナは早速隣室に待機してあった侍女とメイド達を執務室に招き入れて、

面接を始める事になった。


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