表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
貴族令嬢としての始まり 与えられた役目を果たす為に
51/114

だって後に控えている事を考えると、立ち止まっていられないでしょ?

次回の更新は明日の20時です。

私だって詳しいわけじゃない。

けれど、その趣味の品々と言ってしまっていい出来の物は、

地上では使えない丸まった鎧なのだ。

ずんぐりむっくりで戦闘用には決して使えない。

けれどその構造と言うより姿形は前世で何度か見た事があった。

もちろん現物を見た訳じゃないけれど、ニュースや、ネットの記事で少し

見かけただけ。けれど密閉式のその鎧は、領内の特殊兵士達が使う

一種の強化鎧?パワードスーツ?の延長上で作られた物で…

宇宙服?に見えるのた。

そう考えると、叔父様が作る夢の片鱗が見えてくる。

ガラクタの様な構造は、無重力化で使う品々なら納得できる物もあるのだ。

私の前世ですら生きた時代の最先端。

空の更に上…


宇宙?


だとしたら、これから起こる事が怖くて仕方がない。

けれど、どう考えても、個人で宇宙にたどり着けるのかなんて私には解らない。

無理と言い切れないこのもどかしさと、

本気でロケットが誕生しそうと言う可能性を見せる現実は、叔父様の本気度が

どの程度なのかで変わってくるけれど…

地上で暮らす私達に、空の更に上に「世界が続いている」なんていう

概念を理解出来る人はいない。

もし、仮に叔父様が本気でほしい物が、「ロケットの発射場」だった場合…

王国どころか世界を敵に回しそうな勢いだ。

まだ可能性を見せている程度だし、本気でやるなら国家プロジェクト化は必須。

その方向に全ての研究が収束している様な気がしてならないのだ。

叔父様が終着点として考えているだけなら良いのだが…

それを除外しても、研究結果が実用化できるスピードが速すぎるのだ。

未来を知らなければ、必要無しと切り捨ててしまう研究が、

ベストタイミングで終わっているだから!

そんな事、ありえないでしょう!?

アルフィンとギネヴィアが予定している作成物の予定を見れば、

実に無駄な研究順位が組み立てられている。

優先順位の高い順にでき上がる物が年単位で用意されていて、

その出来上がった物を市場に出して、生活レベルを急速に上げていく事を、

叔父様は私に暗に求めて来ているのだ。

もう、そう考えるとファルスティン文明をどれだけ加速させれば、

叔父様の立てた予定について行けるのか頭が痛くなる事だった。


正解を知っているから、無駄な研究はしない。

必要な時に必要な研究が完成している物だから、

それをこの世界の生活環境に合わせてローカライズして、

ファルスティンを発展させろって…

それを私に求めるって…

叔父様は仕事の鬼か悪魔ですか?


「…「ゼファード・バルダー」が考えた世界は新しい文化の世界よ。

最大級に種は撒かれていたわ。

どこまで本気で実現しようとしているか解らないけれど、

私達は彼の用意した種を芽吹かせ世界を作る為に止まれないわ」

「相手は世界と言う訳ですか」

「ええ。何時か「ファルスティン」と言う名は形を変えるでしょう。

(おそらく「企業」となる)それでも、きっと叔父様がばら撒いた種は、

ファルスティンの名の下に続くと思うわ」

「長い、長いお話になりそうですね」

「ええ。

きっと、私の子か孫まで費やす予定をあの人は立てている。

そうなってくると叔父様は天才か、はたまた天災か解らないけれど、ね…」

「それでも我がゼフィラはその「夢」の為に命を燃やしましょう。

ファルスティンを救った「ゼファード」の名を汚さない様に。

我が一族の血が途絶えるその時まで」

「ありがとう」


私はそうとしか答えられなかった。

あまりにも長すぎる計画は、何時か破綻するような気がしないでもないけれど。

それでも、きっと私達が敷いた道を誰かが歩く事を信じて。

今道を作り続けるしかないのだ。

ボルフォードに嫁がされるから教えられなかった、あの港湾都市の

重工業の発展と港湾部に作られた造船区画は、何時かファルスティンを

巨大な国家へと押し上げる「武力」すら作り上げる。


いくら魔法があっても、その中心にいるのは人間なのだ。

広域殲滅魔法?

魔法はすごい?

舐めないでほしい。

時代をいくつも先取りして、この世界ではロケットが飛びそうなのだ。

材料があれば、いくらでも高火力な戦闘兵器を生み出せる工業力と、

人間の不安定な才能に頼った魔法では、戦争でどちらが勝てるのか…

考えるまでもないわね。


一体何時から「宇宙」を見ていたのか。私にその発想は無かったから、

その道を作る事にして研究を始めさせた判断は私には理解できない。

技術者としての叔父様と、錬金魔法を使える叔父様は、

実現できる「行ける」と判断したんだろう。

一番近くでその叔父様を見続けたアリア叔母様だけは、

きっと理解しているだろうけれど…中世ヨーロッパレベルの世界観が、

いきなりぶっ飛ぶなぁ。

きっと誰に話しても理解できない事だから。

あるいは「可能性」を理解できる私だけに気付かせる為に、

あのガラクタを作ったのかもしれない。

けれど、叔父様も叔母様もその役目をギネヴィアと私に託してしまっている。

タイミングとしても王国に「追いつく」まで、叔父様とお父様は、

全力で与えられた環境に抗い続けた。

戦える様になった私達がするべきことは、王国をすり潰す事ではないのだ。

ファルスティンを発展させ続けること。

それ以外を求められていない。

それ以上領地の運営に関わってしまったら、

お父様も叔父様も意味がないと解っていても、全力で王国に対して

傷を負わせる為に動いてしまうって。

抑えが効かなくなってくる事を理解しているのだ。

狂気を抑えてたどり着けない「夢」に熱中する事で、

王国の出来事を忘れようとしているのかもしれない。

実現できる「夢」、けれど決してたどり着けない手の届かない「夢」として、

宇宙を設定していただけなら、私としては困らなかったのだけれど。

「戦争」が起きれば、王国を叩きつぶさずにはいられないのが

「ファルスティン」なのだ。


兵器(が作られて)のトリガーに(叔父様が我慢出来ず)手がかかる前に、

王国が降伏するほどに追い込まなくちゃいけない。

まずはそのためにも地盤を固めるためにも、私はリラーナに、

私の為に作られた執務室へ案内してもらう事にするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ