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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
辺境の1地方の終わりと国家間攻防(物理)の始まり。
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お兄様は色々と知っているみたい。

王族らしい?デルフィナス王国の姫君であらせられる、

セルディア・デルフィナス様と、メロディア・デルフィナス様を、

迎え入れる為に私達は奔走する事になる。

それ相応の方々がお使いになられるお部屋はバルダー家のお屋敷にしかなく、

それを考えればたとえどんなぶっ飛んだお考えのお姫様方であっても、

おもてなししない訳にはいかないのだった。

私達には全くどういった立場が正式な立場か解らないけれど、

後でおもてなしが「貧相だった」とか印遠漬けられるのであれば、

嫌でもそれなりの形にするべきなのだろうと、

共通の意志共有はなされる事になる。

あくまで都市ギネヴィアの代表は私エルゼリアではなくてギネヴィアだからね。

その辺りの事は正しておかないと色々と大変な事になってしまう。

リラーナやリチェルチェが優秀だから手配を間違える事は無いのだけれど、

ミスはそのまま主の責任とされるのか「貴族」の世界。

なのであまり馴れていない「貴族」という存在を「扱う」のであれば、

最新の注意が必要となる事は明白だった。

私とギネヴィアの関係とそれ以上にリチェルチェとリラーナが、

姉妹だった事がとても大きかった。

主同士が仲が良くともその下に仕える特別な傍付きの関係が悪いだなんて、

普通によくある事らしい。

主は家の代表であり「顔」として存在するけれど、

実際その「主」の命令を聞いて動くのは特別な傍付きを挟む事になる。

それは主を暴走させない様にする為の抑止として働く事が多いけれど。

未熟な主をかばう為の特別な傍付きと言う意味もあるからだ。

そう言った意味ではファルスティン家に仕える特別な傍付きは優秀かつ若い。

けれどそれ以上に数少ない「貴族」の私達に、

仕えているのはゼフィラの一族であり、

彼女達は姉妹関係にあるから衝突?も少なくて喜ばしい限り?なのだ。

真面目なリリー。

愉快なリチェルチェ。

忠犬リラーナ。

…なのだろうか。

そう考えると一番怖いのはリラーナな気がする。

ギネヴィアの特別な傍付きがリチェルチェでなかったら、

相手の傍付きに噛みついていたかも知れないなんて考えてしまう時もある。

ふざけていてもリチェルチェは優秀なのでリラーナが、

心配する必要が無いと言う安心感があるからかもしれないけれどね。

もしも実姉出なければきっとハラハラしっぱなしだと思う。

それだけリチェルチェは妙な面白さを持っているから。

確実にゼファード叔父とアリア叔母様の関係が影響していそうだけれど。

私はあくまでお客さんと言う立ち位置でいるべきなのだ。

この歓迎?の準備が失敗したら私の采配にも傷がつくと考えれば、

リラーナが真剣に対応しようとする理由も解るけれどね。

私とリラーナは指揮を取ってはいるけれど添え木で良いのだ。

今回の戦闘の勝利や上手くいった采配はあくまでギネヴィアの功績。

だって都市ギネヴィアの主なのだから。

失敗したら、でしゃばってあれこれ指示した私の責任とすれば丸く解決できる。

そうしておかないと私がいなくなった時に大変な事になるからね。

「おもてなし」の準備を統括するのはギネヴィアだし、

そして実際に動くのはリチェルチェの率いる侍女達とメイド達。

その補佐としてリラーナが付き従って準備は滞りなく完了する事になるのだった。

特別な物を用意する必要はないのだけれど、

ファルスティン内で内製化してしまった家具職人も一定の数が揃っているから。

私が王都から返って来た時に変化してしまっていた「屋敷」ではなくて、

「城」化してしまっていた領都のお屋敷の内装は既に王都にある調度品を扱う、

家具屋と同じレベルで出来上がっていたから、本当のファルスティンの、

王国離れは進んでいる事を実感させられる。

それどころか簡単な物は嵌め込んで組み立てる家具すらあるのだ。

どう考えても叔父様が考えた物だろうけれど…

それだって領民の間で取引される様な物なのだ。

高度な物は職人が、簡単な物は機械に任せるという形が取られようとしている。

すくなくともそれが出来る基礎が既に都市ギネヴィアにはあったのだ。

もうファルスティンの経済も、

都市ギネヴィアがある事が前提の構造になりつつある。

しっかりとした行政基盤が領都には完成していて、

領内で消費されるほとんどの物を生産できるようになっている都市ギネヴィア。

そしてそこに資材を供給できる基盤もあり、後は生産したモノを売るための場所。

消費地としての場所の完成が待たれているのだ。

その場所として都市エルゼリアが必要になるのだ。

ライセラスお兄様はそのタイミングで少なくとも独立して、

独自の貨幣を使った経済圏を作り上げようとしているのだと思う。

でなければ私が「未来」を知る都市を作る必要が無いのだから。

けれど今は目の前のおもてなしする部屋の調度品を選ぶ事を続けなくてと、

考えを改める。

とても喜ばしい事にデルフィナス王国のお姫様達は「旗艦」に乗って来てくれた。

要人を二人載せるので当然と言えば当然だったのだけれど…

その船に用意された貴賓室なる場所は二人の高貴なる人物を、

乗せて長期間移送する事が目的の場所。

つまるところ船の貴賓室並みの設備と調度品があれば文句は出ないと言う、

そう言事なのだって解ってしまうのだ。

そこから逆算すれば用意すべき物の割り出しも簡単である程度の形を、

用意する事は難しい問題じゃない事だしね。

それ以上に豪華にする事は後々問題になりそうだし、

ともかくお姫様の立場を裏付けそうな事は全てターシャ義姉様にお伝えして、

言い方は悪いけれどお姫様達を「観察」させて貰う事にする。

それがお兄様達の判断材料に少しでもプラスになれば良いと考えて。

何せギネヴィアを補佐をしなくてはいけないアルフィンがちょっとキテいたのだ。

セルディア・デルフィナスの色仕掛け?が余りに精神的に来てしまったのか、

アルフィンは昨日からギネヴィアから離れない。

流石に頭のねじの外れてしまったお姫様に「救い出す許可」なんて、

貰った所で全く嬉しくない事だけは確かで。

ギネヴィア一番で他はアレだったアルフィンにとって選ばれる側であり、

既に選ばれているからこそ「姫」が気持ち悪かったのだと思う。

言うなればそんな状態でまともな表情を作れる訳がないのである。

いや、女性への免疫とかそう言う問題じゃない。

高貴なる姫(変態)と付き合うと心がガリガリ削れるのはよーくわかる。

解ってしまうからギネヴィアと一緒にいて気力を回復するべきなのだ。

忘れがちになるが二人は新婚なのだし、

こっち(都市ギネヴィア)に来てやっと式も挙げたばかり。

あつあつほやほやの状態で姫(変態)の相手はそりゃーきついだろう辛かろう。

アルフィン自体ギネヴィア一筋だからダメージは大きい。

それに比べてグラファイスはいつも通りだった。


「姫(変態)の言葉は基本アルフィンでしたから。

それに本当に危ないと思えば、その段階で容赦なく私は排除します」

「あらまぁ」

「私がエルゼリア様に害を与えると判断してしまいます」

「…それは私をダシにした逃げではないかしら?」

「会話が成り立たない相手と交渉をする意味がないと判断するだけです」

「それも正しい選択かも知れないわね」

「時間は有限です有効にお使いください」

「そうさせて貰うわ」


今更デルフィナス王国がお姫様方と交渉人が作った架空の王国だとは思わない。

旗艦から抜き取った情報で国と判断できそうな部分は当然お兄様へと送ったし、

全権代理の手紙を貰った時点で少なくともライセラス兄様にとっては、

割り切れる程度の相手だという事は確定していた訳だから。

「偽物」とか「知らない」とかの返事が帰って来なかった以上、

一応国として存在はしているって事なのだろうとは思う。

亡命を希望するという事を伝えたとしても、

ライセラスお兄様からの指示は一つ。


―受け入れる―

―ただし亡命を許可する必要はない―

―丁重におもてなしして差し上げてくれ―

―一国の姫を遇するようにな―

―こちらも準備と調整を進めている―

―来るべきタイミングで領都へとお連れするだけでいい―

―好きなだけ喋らせてあげると良い―

―あとは任せなさい―


それだけだった。

私達の知らない所で「何か」決着がついたって事なのかもしれない。

ともなれば私達は来るべきタイミングまで「おもてなし」するだけで良いと、

考えられるだけで気分が楽になる。

そして気分が楽になればグラファイスとアルフィンに頭がおかしいと、

言わしめたデルフィナス王家の姫君達とも向き合えると言うものだ。

会場はもちろん今まで指令室として使っていた部屋で、

そこに丸いテーブルにやたらとゴージャスにだけ作ったお椅子を3脚。

私と二人の姫用だ。

十分にお話しいただいた後は直ぐに別室でお休みになれるよう手配も付けた。

幸運な事に準備が楽になる要素が一つあった。

それはお姫様の様に出来上がっているギネヴィアの存在だ。

結界を維持する必要の無くなったギネヴィアは当然着替えても良かったのだが、

そのまま流れる様に「おもてなし」の準備を始めなくてはいけなくなったために、

お着換えの時間はあれと、新しいドレスの準備は当然の様に、

後回しにされてしまったのである。

一国の姫君を迎えるのだから当然格式のあった礼服を着用する事になる。

アルフィンやグラファイスは大抵勲章や手袋など細かい物を変えるか、

鎧姿はそのまま礼服とみなされるので問題はない。

勿論私も格式を合わせたドレスは用意済み。

というか直ぐに着られる様に調整済みの物を何着か持っている。

だからそれに時間をかけて袖を通すだけで私の準備は完了できるのだ。

リラーナも当然問題なく着替えるのだ。

けれどギネヴィアに変えのドレスを用意している時間は当然ない。

リチェルチェもおもてなしの準備で忙しいし衣装合わせが終わっていない、

ドレスを着せるのは色々と問題が出る。

それ以上にこの都市の代表者として主として相応しい格好をしなくてはいけない。

もちろん貴族の「義務」だから逃げられない。

そしてその格好は私が着る物より当然豪華でなくてはいけないのだ。

この場において責任は私にあるけれど「主」はギネヴィアだからね。

そして私に用意されるドレスは格式に縛られない物ではあるけれど、

リラーナがチョイスするのは当然一国の姫と肩を並べても見劣りする事のない、

ドレスを用意する。

となれば…

ギネヴィアにはかわいそうだけれどそれ以上の物を着てもらわなくてはいけない。

そんなドレスある?と聞かれれば答えは簡単。

つい1日前に出来たでしょう?と返答が来てしまう…

脱いだばかりの結界を維持する為のドレスが「あってしまう」のた。

あるからには場を整える為に着る事からギネヴィアは逃げられない。

そうなれば、言うまでもなくせっかく脱がせて貰ったドレスを再度、

身に着けさせられる事になるのだった。


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