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悪役令嬢は何もしない。けれど叔父様は世界を変えてしまいました。  作者: VLS
辺境の1地方の終わりと国家間攻防(物理)の始まり。
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始めて手に入れた海外の資料の価値は?

オースヴァイン以外の正しい「外国」の資料なのだ。

どんな物であっても有益であることは確かなのだ。

アルフィンの知的好奇心を満たし続ける「デルフィナス王国」を、

構成する資料は加速度的に整理されていき、

そして素晴らしい外国の「常識」を私達へ教えてくれるのだ。

それは確かに役に立つ知識であり、王族の座上官として作られた旗艦の構造は、

木造船を作るのであればまぁ、参考にしても意味がないローテクな船である事も、

理解出来て嬉しい限りだ。

あの「亡命」したいとお姫様が言っただけ?あってか船を国外で修理できる様に

する為の、船体の設計図も搭載されていたらしいのだが…


「作るには値しませんね」

「これを作るのならお父様の船を簡略化して作った方が使えるわ」


と言うのがバルダー夫妻の見解だった。

船の構造と乗せられていた大砲。

そして魔法妨害用の魔石の搭載で、

この船は思いの外高速で航行できそうには出来ていたらしい。

けれどそれはあくまで帆船と風の魔法を使っているからにすぎず、

叔父様が作り上げてしまった蒸気動力の船舶の足の速さには叶わない。

ここまでそれなりの時間をかけて航行してきたらしいけれど

外洋を渡って来た訳ではなくて、大陸沿いの航路で移動して来たみたいだった。

叔父様と会わなかった当たり反対方向から来た事は解って、

手に入れる事の出来た海図を精査しても、

あまり精度も宜しくない事だけが解ってしまったみたいだった。

彼等が求めていたのだある程度大きな「造船ドック」を持っていそうな場所か、

ある程度発展して占領すれば美味しい弱小領地で私達が隠れる様に作った、

半島の間のこの場所はその「外洋の船舶も作れない弱小の港町」があり、

ある程度の発展るす余地が残っている土地。

占領して奴隷の様に酷使すれば、いっぱしの場所になりうる場所と思い、

行き先の決まっていない航行を続けていた事だけは理解出来てしまう。

航海日誌のような物もあって、可能性がある方向に無数に探索として、

軍艦を出し数日後に成果が無かったから旗艦の下に帰ってくる。

そして帰って来なかった船の方向に旗艦を進めてその先で先行して航行していた、

船と合流状況を把握して環境が良ければ武力制圧する。

そう言ったサイクルで航行していたみたいだった。

途中で漁港で略奪をしつつ、けれど留まれるほどの規模でもなかったために。

理想の占領地を求めて航行し続けたという事の様だった。

何せ複雑に書き込まれた海図はそれだけで価値がある。

それは外海へと出港して行った叔父様が帰ってきたら、

プレゼントすればいいだろうと思うのだった。

船の航行した様子を見ればそれだけでこの大陸の広大さは理解でるし、

まだオースヴァイン王国やそれに隣接する国だけでは無くて、

領地として入植できる未開の地が多い事も分かる機械ともなった。

叔父様が喜びそうで何よりです。

けれど、世界を知る事も重要だけれど、

セルディア・デルフィナスがどうしてこの地にいるのかもその事情も、

確定させなくては亡命を受け入れる事は出来ないのだ。

本人からは、お涙ちょうだい物の悲しい事情を、

聞けることは確定しているとはいえ、それを裏付ける絶対的な資料も欲しいのだ。

それで蓄積されていた端橋資料から解る事はそれなりに多い。

逃げているのだから「新天地」となる所で当然の様に文明を起こして、

港を切り開いて大型船舶を接岸させられる環境を作らなくてはいけないのだから。

当然旗艦には町を作るための資料も積んでいるのだ。

それによって当然の様に国内の文化レベルも知る事が出来る。

最後に母国が滅ぼされたとしてもそれを取り換えず正当な理由となる様に、

当然国の歴史書も「偽造」された物かもしれないけれど積まれている。

ギネヴィアもアルフィンもその資料を喜び、楽しい楽しい思考の時間を、

二人で過ごせた様で何よりだ。


…けれどそれで解ったことはデルフィナス王国とは、

オースヴァインに隣接する国ではなくて。

一つ国を挟んだその先にある「海洋国家もどき」の様だったのだ。

一応国際共通言語で書かれた資料だけあって読み解く事は難しくなく、

交易を主としているため領土として持つ陸地面積はとても少ない。

けれどその代り交易で出来た品物を売り買いする為に豊ではあるみたいだった。

強大な軍船を持ちそれを武力として海から力をチラつかせて、

有利な交易を進めるスタイルのようで国防の能力が軍船任せな所の様だと。

推察が出来てしまう。

けれど大きな拠点を持たないがゆえに、陸上国家との重大な取引では、

足元を見られてしまうみたいでもあった。

海洋地図こそ大きな物を持ち多種多様な所に向かって船を進める能力はあれど、

やはりそれを優先している所為か、巨大な軍港を持てるほどには、

発展できたみたいだった。

点在する小さなドックをフル活用して作り上げたのがたぶんセルディア姫の、

座乗艦でその船で脱出させてあげられた?のだから愛されてもいたのだろう。

ただ、何を言っても「海上」がテリトリーであるがゆえに、

強い陸上国家には逆らえない。

…言い変えればこの国家は「海の運送屋」に過ぎないのだ。

大型船舶を作れる海洋ドックを作るスぺースは母国の土地にはもう無さそうだし、

そのドックの大きさで作れる船の多きさも決まってしまうから武力も頭打ち。

そんな中で「お姫様」は政略結婚を求められて、行き場を失って死にかけている

国民を助けるために人身御供にされそうになった辺りなのかもしれない。

亡命なんて言っているけれど、結局の所貴族のクセに政略結婚から逃げた、

我儘娘に過ぎないって事なのかもしれない。

そう考えれば、座乗艦もろとも本当に吹き飛ばしてやればよかった。

だなんて思ってしまいえるのだった。

いっその事今からでも遅くないかもしれない…

なんて考えていたのだ。

それは試案を並べて最善策を練り続ける時間の始まりだったのだけれど…

そうやって私達がデルフィナス王国の事を「理解」し続ける段階で数日間の、

時間を要するのは仕方のない事なのだ。

けれど一隻だけ残された随伴艦に乗せられた乗組員は定員の約2倍。

その為に停泊している時間だけでもそれなりの物資を食いつぶす事になる。

それは随伴艦の乗組員から求められる事になるのだ。

上陸船に乗っている別の交渉人を乗せて、

海岸線に乗り上げようとした船員は問答無用で取り押さえられ、

随伴艦叩き戻されたのだ。


―上陸したい―


彼等の願いはそれに切り替わって来ていたのだ。

あのお姫様のもきっと苦しいのかもしれない。

それ以上に「攻撃する手段」を奪われて、

一方的にあの鉄の雨を降らせる兵器の射程内にいるのだ。

そして夜になれば昼の様にライトで照らされて、闇夜に紛れて逃げ出す事も、

させて貰えない。

何時殺されるのか…

果たして亡命はさせて貰えるのか…

考えるだけでも不安で、旗艦だけ無人で接岸させられ、

残された随伴艦に約2倍の人員で詰め込まれた状態。

その中でもデルフィナス王家の人間には敬意を払い続けなくてはいけない、

船内の緊迫感は最高潮である事は確かなのだ。

それでも秩序を保っていられるのは素晴らしい?忠誠心を、

持っているからに他ならない。

大した忍耐力だと思う。

降伏したら降伏したで船内の状態は最悪な事に変わりはないのだった。

ただもう交渉人が信用できなかったセルディア姫は直接交渉がしたいみたいで、

手紙による交渉を求めて来たのだ。

どうか私達を御救い下さいとか。

私達は貴方方のご慈悲に縋るほかないのですとか。

まぁ一通りのテンプレっぽいお手紙を戴けたのだった。

全然うれしくないのだけれどね。

お姫様の心情はともかく陸地が近くにあり、

戦闘を生き延びた船員たちの考える事はだた一つなのだ。

彼等に夜の時間は存在せず照らされ続け人知れず脱出する事が不可能な事を、

体に叩き込まれた「デルフィナス王国」の兵士達。

けそんな中、領都のライセラスお兄様より、

この訳の解らない手紙を送り続けて来た、

「セルディア・デルフィナス」なる人物は、

条件さえそろえばとても有効な使用方法ができそうであること。

そして「確認」が取れ次第有効活用ができるかもしれないと、

お手紙を戴いてしまったのだった。

そうなればこっちの考えも変わってくる。

つまり部下と分断するかどうかなのだ。

お兄様のやり取りと旗艦を漁って手に入れた情報。

そしてお姫さまからの楽しい亡命を求めるしかない可哀そうな私の、

手紙を纏めて程度の情報の整合性が取れるまでに、

10日程度かかってしまっていた。

その間に何度も上陸を懇願してくる随伴艦の連中にも決断の時が迫って、

いる事になる。

ただ…

どうにも随伴艦に乗っている王族達である二人の姫様の立場は、

とても面白いもののようでお兄様から結果が出るまでは丁重に扱っても、

良いかも知れないと連絡が来てしまった。

確証が取れればお兄様の抱えている懸念事項を劇的に軽減できるらしく、

叶うのであれば、ぜひ実行したいとの事だった。

無駄になるかも知れないと思いつつ、

私とギネヴィアはこの王族とそのお付きのメイド達のみ、

上陸を認める事にする事にする。

ただお兄様の送ってくる手紙の文面に書かれたその文章はとても愉快で…

嬉しさを隠しきれない期待に満ちた形を取っているのだった。

私にはその意味が解らないけれどそれでも、

ストレスを感じているであろうお兄様が楽しいのであれば、

それはそれで構わない。


何時でも撃沈できる数基の砲台を稼働させてサーチライトを、

照射し続ける人員を除いて平常運転へと戻り始めた都市ギネヴィアは、

平常通りの運転を始めたのだった。

そしてやっと亡命交渉を始める事にするのだ。

場所は勿論バルダー家に備え付けられている要人を迎え入れる為の部屋。

迎え入れるのは勿論ギネヴィア…

と言いたいところだけれど、

またしてもギネヴィアは私の後ろに隠れる事にしたのだった。

それが、また別の事態を引き起こす事になる。

交渉人とは別にちゃんとした爵位を持つ立場の人間に合わせる前の、

事前確認として当然ギネヴィアと私の安全を確保するために、

アルフィンとグラファイスが代表して事前の顔合わせを行うみたいだった。

それは随伴艦上での対話であり…

こちらの意志を伝える使者としてギネヴィアに合わせても大丈夫か、

不審な事はしないかを確認しに赴いたのだ。

それは大切な妻と主を守る為の確認出会ったのだが…

帰って来たアルフィンが人目もはばからず。

ギネヴィアを抱きしめる。

そしてグラファイスはそんな様子のアルフィンを見て、

同情の目を向けざるを得なかった。


「私の壱番はやはりギネヴィア以外にあり得ない!」

「え?ええ。嬉しいわ」


抱きしめられるギネヴィアも驚きながらギネヴィアの頭を撫で続けるのだった。

アルフィンにとってギネヴィアは失えない生涯のパートナーなのだ。

そして周囲も当然そう認識している。

けれど、それはあくまでギネヴィアとその周辺の人間の認識なのだ。

船上で結果を報告して詳しく話を聞きたいので明日上陸船にて、

傍付きのメイドと使用人を連れて降りて欲しい事を伝えたのだった。

その結果起こったのが…


「アルフィンが運命の人で、私は運命の騎士様らしいですよ」


セルディア・デルフィナスとその妹であるメロディア・デルフィナスが、

それぞれに一目ぼれしたとかで?


「私を救い出してくれる貴方はだぁれ?」

「は、はぁ?」

「デルフィナス王国第一王女セルディア・デルフィナスが問うているのです。

はっきりと答えなさい」


一応「招き入れる」と宣言する為に動いていたし、

ライセラスお兄様からの丁重に扱っておけと言う指示。

そして船上は一応所属国の法律が適応されるので嫌々ながら、

名乗る事にしたのだそうだ。


「ア、アルフィン・バルダーです」

「そう…。お顔の作りには及第点を上げても良いわ。

そして代表として来たからには爵位持ちなのでしょう?

良いわ。私をこの苦しい現実から救い出す許可を与えます」

「…ありがとう御座います」

「そうね。そしてその後ろに控えている、騎士は私の護衛として…

いいえ妹のメロディアの相手となりなさい。

そして私達を守るのです」

「は、はぁ?」

「そうね…まだ、覚悟が出来ていないみたいだから。

明日までに私達を迎え入れるに相応しい「覚悟」を決めなさいね。

一国の王女を妻として迎え入れる覚悟はまだ出来ていなかったのでしょう?

許して差し上げます」

「…それでは言伝は終わりました。

明日は陸地で上陸するのを待っています」


それだけ言い残すとそそくさと帰って来たそうだ。

品定めをしに行ったら、逆に品定めをされたと言うべきなのか…

ただアルフィンは只ならぬねっとりとした纏わりつくような「視線」から、

逃げる様に帰って来たのだった。

良く出来た都合の良い頭をお持ちのようで…

それとも船上は自国と言う事で強気に出ただけなのか…

どちらでも構わないけれど…

その日のアルフィンはギネヴィアを膝から降ろさなかったのだ。

それは微笑ましいと言うより、あの気持ち悪い視線を忘れたいが為の、

行動にも見えて何とも言えない気分になった。


「エルゼリア様も味わってみると良いのです。

アレは頭おかしい」

「頭おかしい人は王国に腐るほどいるでしょ?」

「…そうでした」


笑えない現実が私達の前には置かれているのだった。

この世界の王国のお姫様にはまともな人はいないのかと言いたくなるような、

そんな報告を聞いてそれでも合わない訳にはいかないのだからたまらない。

それから「おもてなし」の準備を粛々と始めるしかないのだった。

次回は亡命を求めるセルディアとメロディア両姫の涙?なしでは語れない、

亡命を決心する悲しみの(笑)物語が書けるでしょう。

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